『山本至弁護士えん罪事件』と『安田好弘弁護士えん罪事件』について

『山本至弁護士えん罪事件』と

『安田好弘弁護士えん罪事件』について



 パキスタンでは、2007年11月初旬、約350人の弁護士が不当に逮捕されました。人権後進国の典型例です。
 日本も『人権後進国』と言われる面があります!
 もっとも、米国においても多数の死刑囚が、えん罪であることが判明しています(『ヒューマン・ライツ・ナウ』伊藤和子事務局長の報告)。

 『山本至弁護士えん罪事件』もそうですし、今から若干コメントする『安田好弘弁護士えん罪事件』もそうです。

 『安田好弘弁護士えん罪事件』(強制執行妨害事件)は、安田好弘弁護士が無実にもかかわらず逮捕され、298日も身柄を拘束されたえん罪事件です。

 『人質司法』の典型例の一つですが、安田好弘弁護士は完黙を通しました。
 弁護人には約3000人の全国の弁護士がついています。
 この事件については、このブログで少し触れています(
「刑事司法分野における国連ウィーン本部の活動と日弁連」『自由と正義』2006.7月号53〜67頁の注3及び注9参照)
 この事件は、一審判決で完全無罪となり、現在は二審で審理中ですが、2007年11月14日午後1時30分〜午後4時30分、東京高裁102号法廷で『最終弁論』がありました。
 『最終弁論』は総281頁ですが、こんなに分かり易い、素晴らしい『最終弁論』を見た(聴いた)ことは今までありません。まるで推理小説のようだと思いました!!近いうちに、私のブログで『最終弁論』の全ページを掲載します!!
 安田好弘弁護士、主任弁護人藤沢抱一弁護士、弁護団事務局長岩井信弁護士をはじめ多くの弁護人・支援者(『安田さんを支援する会』)と同様、私も第二審での『勝利』を確信しています。
 なお、2008年4月23日午後1時30分から判決が言い渡される予定です。


 『山本至弁護士えん罪事件』に関する、東京弁護士会の会長声明を、以下にご紹介します。

 この事件について、ご存じない方も沢山おられるかと思いますが、この事件は、まさに『えん罪』です。この事件についての詳細な資料については、追ってご紹介したいと思います。

 (2007年10月29日「証人等威迫、脅迫」で宮崎地方裁判所に再び起訴され、同月30日には保釈決定が出ましたが、検察官から準抗告があり、翌日31日に保釈決定は取り消されたとのことです。)

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山本 至 会員(弁護士)に対する第1回公判にあたっての会長談話

2007(平成19)年10月11日
 東京弁護士会 会長 下河邉 和彦
 

 本日、当会会員である山本至弁護士に対する証拠隠滅被告事件の第1回公判期日が、宮崎地方裁判所で開かれた。この事件は、山本至弁護士が、無罪を主張する被告人の弁護人として行った証拠収集及び法廷での証拠提出という弁護活動が、犯罪として問われた事件である。山本弁護士は、本日の第1回公判を目前にした一昨日、宮崎地方検察庁の検察官により再び逮捕されたが、これも、弁護活動として被疑者に接見した際の山本弁護士の言動が「脅迫」であると疑われたものである。

 もとより証拠を偽造し、これを真正な証拠であるように装って裁判所に提出するといった行為は正当な弁護活動ではなく、接見の際に被疑者を脅すなどの行為が許されないことも同様である。

 しかし、捜査権・公訴権を持つ警察・検察と被疑者・被告人の権利・利益を擁護する弁護人とは、基本的に対立構造にあり、殊に無罪が争われる事件においては、その主張が鋭く対立する関係にある。このような対立関係にある弁護活動の正当性如何を判断することはそもそも容易なことではない。捜査権・公訴権を有する警察・検察が、その権力を一方的に行使してそれを判断するといったことは、弁護活動を萎縮させること甚だしいものがあり、事案の真相を明らかにするという観点からも、許されないことと言わねばならない。

 本日第1回公判を迎えた証拠隠滅被告事件についての山本弁護士の逮捕は、無罪を争う裁判の第一審の判断もいまだ下されていない段階で行われたものである。正に検察と弁護が鋭く対立している最中に行われたものであって、到底許されないところである。日弁連は、既に昭和43年の第11回人権擁護大会において、無罪主張の事件における証人を公判中に偽証により逮捕するべきではない旨を決議して、法務大臣及び検事総長宛にこの旨を強く要望しているところであって、今回の事態は、誠に遺憾である。

 しかも、一昨日の山本弁護士の「脅迫」容疑での逮捕は、弁護人として接見した際の言動が「脅迫」であったとされていることからすると、捜査機関によって、接見内容の取調べがなされたことを疑わざるを得ない。仮にそうであるとするならば、憲法上の保障に由来する被疑者・被告人と弁護人との間の秘密接見交通権(刑訴法39条1項)が、捜査機関によって侵されたものと言わざるを得ない。日弁連は、古く昭和39年の第7回人権擁護大会において、秘密接見交通権の実効性を求める決議を採択しているところであり、今回の事態は、憂慮に堪えないものがある。

 本日第1回公判を迎えた山本至会員については、その弁護団を支援する会に400名を超える全国の弁護士が参加しているとのことであり、一昨日の逮捕を受けて、さらに支援の輪が広がりつつある。当会としては、今後の審理の行方を重大な関心を持って注目するとともに、正当な弁護活動の確保と被疑者被告人の権利・利益の擁護に向けて、全力を挙げて取り組むものである。


 
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