睫旆⇒裟萓犬悗亮蟷

今から約3年弱前に書いたものですが、プライベートな手紙であり、公表することは全く考えていませんでした。東弁のグループ(期成会約500名)の機関誌に、高木先生のご意向で公表することになりました。脳出血で倒れて約2年3ヶ月後に初めて書いた、少し長めの文章です。高木先生が書かれた小説は、実に素晴らしい内容で、読みながら、何度も泣きました。先生の最新作『佐久の水音−五郎兵衛の夢』(2007年4月作品社)も力作です。『やつらはどこから』(作品社)とともに是非読んでみて下さい。

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吉峯康博

 先生、ご本(「やつらはどこから」)を送って下さり、本当にありがとうございました。お礼が遅れましたが、「やつらはどこから」を読み終わってからお礼を申し上げようと思い目標をたてました。正直言って、こんなに速く感動を何十回以上味わう経験をしたことはありませんでした。先生!心からお礼を、もう一度言わせて下さい。
 文学的レベルの低い私ですが、感じたことを少し書きたいと思います。

(1)「絆」について
 バブル崩壊のなかで「都心の地価やテナント賃料の大下落」という現実、「開山ビルの地価はかつての四分の1の20数億円にまで下り、賃料は3分の2に落ち」という現実のなかで、銀行の動きが語られ、主人公の心理、動きがヴィヴィッドに生々しく描かれている。自首した主人公の調書が見事に、ストーリーの背景も含め、描かれている。かつて、このような「調書」の活用が成功している小説があったのか?留置場の実態、収容される人間の心理に与える影響を、見事に書いている。
 主人公と妻、兄の書き方に感動させられる。睫收萓犬里海箸と思ってしまう平野弁護士の書き方もうまい。実際に睫收萓犬蓮△垢瓦だ萓犬隼廚辰討い襪、見事な解決となる。(49頁)。
 主人公は、ボランティア活動をするようになる。障害者となった自分から見ても、自然な流れとして、ボランティア活動が描かれており、この小説に深みを与えていると思う。

(2)「山のはて」について
 女性である主人公を、男である睫收萓犬なぜここまでリアルに書けるのか? カンナの本当の父は、分からない。家裁も終わってしまったので、いわば永遠の謎である。それで良いのだ。謎であることは、現実だ。先生の小説は、驚くべき心理分析、女性の強さ、前向きと思われる生き方を描ききっている。男の暴力の不条理さ、必然性をリアルにとらえている。
 「もう一度、あの山を越えよう。」との静子の言葉で終わっている。これもとても良い。

(3)「仏法寺便り」について
 弁護士はでてこない。「行雲さん」が主人公であるが、睫收萓犬料杼力、体験で、どうして可能なのか? ストーリーもおもしろい。
 千代子や健士の人物描写も興味深い。高利貸らとの話し合いなどリアルで、弁護士としての経験も生かされているような気がする。
 先生は、いかなる動機から「仏法寺便り」を書かれたのだろうか?

(4)「被害者」について
 交通事故に関する刑事裁判を描いているが、供述調書の現実の作成過程をリアルにヴィヴィッドに書かれている。この点で多くの弁護士が感じていることを小説として大成功に書かれている。市民が実態を知ることになろう。日本の調書裁判の実態、裁判官の大多数がもっている意識をえぐっていることにも成功している。
 平松達夫弁護士は、まさに睫收萓犬修里發里隼廚錣貮垈跳腓療仂貎擁となっている。セキは、まさに主人公といえる。
 セキの人生そのものが描かれている。セキの生き方がリアルに肯定的に書かれている。「セキを頼り真摯にみつめてくる3人の子らの眼差しをはっきりと認めていた。」との終り方も素敵だ。感動的な場面は沢山でてくるのだ。

(5)「やつらはどこから」について
 筆者の「いじめ」についての深い認識、約6ヶ月に及ぶ「いじめ」の実態の描き方、健一の表現され方などが大成功である。誰がこんな小説を書けるのだろうか?信じられない位驚いている。
 もちろん、次郎が税理士であることを突く恐喝もリアルに書かれている。このことが、短編小説の中で、「いじめ」についての深い理解とともに書かれていることが驚くべき筆者の力量だと思う。

(6)「祝辞」について
 全く弁護士はでてこない。真の「教育」を語っている。この小説だけでも何回も何回も涙がでた。途中に佳子の「思い出話」が長くでてくる。まさに白眉だ。日本に他に書ける人がいるのかと思う。「思い出話」もリアルだ。

(7)最後に
 先生の「あとがき」は平成17年1月15日に書かれている。その6日後の1月21日(金)に、先生の声を久しぶりにききたくて−2年数ヶ月ぶり−telしました。そのあと2月2日に、「やつらはどこから」が着きました。
 今日は2月13日(日)です。明日14日の4時に、L.O.で、相川裕さんと10年以上前に一緒にやった事件−いじめが関係した事件、当事者は今、25才か−の当事者に会います。余談でごめんなさい。私は、先生に、心から感謝を言いたい。とてもおもしろかった。見事な出来に感動した。読んで数十回も泣いた。この本は何かの文学賞をもらうのではないか・・・。本当にありがとうございました。益々仕事に、小説に活躍されることを祈念いたします。

2005年2月13日


同封された吉峯康博の妻からの手紙

 前略失礼いたします。
先日は、御著書を御恵贈賜り本当に有難うございました。
 その日以来夫は一度失った言語能力をかき集めるように 一字一字を拝読し続け昨日やっと読了いたしました。倒れた当初は昏睡三週間、意識(記憶)もその後二ヶ月間は失く、覚醒してからは私の名も呼べず、簡単な単語も言えなくて、このまま言葉を永遠に失ってしまうのではと心配いたしました。テレビも新聞も全く興味をなく過ごしておりましたが、左手で字を書く練習を始めた一昨年5月以来少しずつ字や言葉や記憶を取り戻して参りました。昨年12月頃から聴力もかなり飛躍的に進み、御迷惑を知りつつ脳のリハビリを兼ねて日弁連の小さな会合に出席させていただいております。
 そんな矢先に睫收萓犬らこの本を頂戴し、心底喜んでおりました。毎日々々人からみれば遅々たるものでしょうが、必死で取り組んでおりました。何度も涙を流しておりました。
 読了後は何とかお礼状を書くのだと、これまた丸2日懸命に一字一字を記しておりました。やっと先程書き上げて私に「余程目に余る誤りがあれば直してくれ」と申しましたが、殆んどそのまま送らせていただきたいと思います。
 このように頑張ることが出来ましたのは何より御本が面白かったこと、そして先生に対して昔から抱いている深い信頼と尊敬の故に違いないと思います。(私はこれから楽しみに拝読いたします。)心から御礼申し上げます。
 本人も記しておりましたように、睫收萓犬お元気で、今後いよいよご活躍下さいますようお祈り申し上げております。
 感謝を込めて御礼まで。

平成17年2月13日夜


 
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