いじめ問題・いじめ対策推進基本法で、日本弁護士連合会(日弁連)『いじめ問題ハンドブック−学校に子どもの人権を』を活用しましょう!

いじめ問題いじめ対策推進基本法で、
日本弁護士連合会(日弁連
『いじめ問題ハンドブック−学校に子どもの人権を』
を活用しましょう!


                            2013年6月4日(火)
                                         6月6日(木)

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 私は、『いじめ問題ハンドブック』が発行された当時(1995年)、日弁連 子どもの権利委員会事務局長(委員長は、中川 明 弁護士)で、この本の発行担当者の一人でした。
 当時、この本は相当数売れました。現在は『絶版』になっており発売していませんが、公共の図書館や、Amazon.com (6月3日現在、大凡700円台が多いようです−別途送料として250円程度かかります)などで入手できると思います。

 現在、国会では『いじめ対策推進基本法』が審議され、成立しかかっています。
 先日(2013年5月28日)、私のブログで、この法案(与党案・野党案)のメリット・デメリットについて少し書きましたが、この問題を考えるには、本書を活用されるとよりわかりやすいと思います。

 大貫隆志他編著『「指導死」−追いつめられ、死を選んだ七人の子どもたち。』と、いじめ問題・子どもに対する『暴力』(体罰)・いじめ防止法などについて


 いじめ問題については、本格的に活用できる本が色々と出版されています(例えば、武田さち子著『わが子をいじめから守る10カ条』WAVE出版、同『子どもまなぶ いじめ・暴力克服プログラム−想像力・共感力・コミュニケーション力を育てるワーク』合同出版 など)が、日弁連の『いじめ問題ハンドブック』は、ハンディで、且つ内容実践的で極めて充実しており、もっともっと活用していただきたいと考え、緊急にブログで紹介いたします。
 例えば、「参考文献」(単行本が77冊で、そのうち子どもたち向けの本が13冊、コミック−塀内夏子作画『勝利の朝』小学館、現在小学館文庫、喜多明人 文・内田玉男 画『よくわかる「子どもの権利条約」事典』あかね書房−が4冊)がこのまま眠ってしまうのは、実にもったいないと考えます。

 なお、『いじめ問題ハンドブック』の内容は、日弁連編『子どもの権利ガイドブック』(明石書店 2006年 667頁)の「いじめ」(29頁〜101頁)部分と、ほぼ同旨です。


 この本のあとがきで、当時の日弁連子どもの権利委員会の中川 明 委員長(現在、『子どもの人権研究会』の代表世話人のお一人です。著書として、『学校市民社会を―子どもの人権と親の「教育の自由」を考える』筑摩書房 1991年 絶版、『イジメ子どもの人権』信山社出版 2001年、『寛容人権』2013年6月 岩波書店より刊行予定など、多数あり)は、次のように述べられています(168頁)。

 
「本書は、弁護士が子どもたちパートナーとして、子どもたちの傷つけられた人権の回復のために力をつくすにあたってのマニュアルとして編まれたものであるが、これが同時に、子どもたちの世界を襲っている『いじめ』問題への道筋を照らす一冊となり、多くの関係者に活用されることを心から願っている。」

 なお、2013年5月の『子どもの人権研究会』勉強会・事務局会議で、いじめ問題・体罰問題についてレクチャーをされた際に、中川 明 弁護士は、「事実をしっかりと解明してえぐりだすということが一番重要です」などとも言われています。


 いじめ問題の本質は、この約30年間変わっていませんので、1995年に発行された本書でも、十分に使える・活用できると思います。


 以下、本書の目次と、一部内容を掲載します。(※注)
 

 【目次】


 はじめに
 「いじめ」とは
  1 代表的な「いじめ」の定義・特徴づけ
  2 現代の「いじめ」の特徴
  3 現代の「いじめ」問題の背景
  4 教師の体罰は「いじめ」を生む
  5 「いじめ」の手口−君和田和一氏の分析

 子どもたちの「いじめ」観
  1 いじめ・いじめられ体験
  2 「いじめ」のとらえ方
  3 「いじめ」への子どもたちの対応

 弁護士の活動事例から見た「いじめ」
  1 「いじめ」の態様
  2 「いじめ」発見の困難さ
  3 学校の対応の問題点

 弁護士などが相談を担当するときの具体的注意
  1 いじめられている子自身からの相談
  2 加害生徒からの相談
  3 まわりの子からの相談
  4 いじめられている子の親からの相談
  5 いじめている子の親からの相談
  6 子どもの法律相談に共通する留意点

 親が「いじめ」に関して弁護士に依頼できる内容
 
「いじめ」と法

 子どもの権利条約・国際準則と「いじめ」81頁〜87頁

 「いじめ」解決への道すじ 88頁〜92頁
 「いじめ」の実態 93頁〜98頁
 弁護士活動事例集 99頁〜122頁
 「いじめ」関係訴訟一覧 123頁〜124頁

 子どもの心をひらく−子ども相談の現場から「いじめ」を考える 125頁〜144頁

 子どもたちの声 145頁〜156頁
 
 文部省の「いじめ」見解について
 日本弁護士連合会会長声明
 日本弁護士連合会会長談話

 あとがき  日弁連・子どもの権利委員会委員長 中川 明
 参考文献 169頁〜172頁
  子どもの人権救済に関する各弁護士会無料相談機関一覧(日弁連HPより 最新のデータ)
 
※注
 本書は1995年に発行されましたので、文部省の「いじめ」見解や日弁連会長声明、会長談話、子どもの人権救済に関する各弁護士会無料相談機関などは当時のものです。

 また、参考文献(単行本77冊、そのうち子ども向け13冊、コミック4冊)についても、本格的・網羅的な内容ですが、1995年以降に発行された文献は掲載されていません。
 なお、本ブログに掲載した上記「子どもの人権救済に関する各弁護士会無料相談機関」は、日弁連のHPに掲載されている最新情報です。

 最新の文献として、日弁連『自由と正義』2013年4月号(頒価1000円税込 日弁連会員以外の定期購読料は、年間12000円−税送料込−です。)8頁〜40頁に、「特集1 いじめ問題と子どもの権利」がありますし、『子どもの人権研究会』(代表世話人 中川 明、同 津田玄児、同 澤登俊雄、同 堀尾輝久、同 横湯園子、同 市川須美子、同 大田 堯、同 利谷信義、同 戒能民江、同 村井敏邦、同 中村睦男、同 守屋克彦、同 多田 元、同 八田次郎、事務局長 吉峯康博)機関誌『子どもの人権』51号「いじめ裁判・子どもの自殺裁判」特集号(2011年)などもあり、極めて有益な情報です。

 『子どもの人権』51号より、大変有益で最新の論考・資料として、一部を下記に掲載いたします。

この二つとも、他の雑誌等にはあまり出ていないと思います(ただし、上田由紀子「判例研究 いじめ裁判の和解調書において、和解の前提となる裁判所の判断が詳細に示された和解事例」『季刊教育法166号』(2010年9月号)96頁〜101頁などがあります)ので是非ご参照ください。

 ・滝川いじめ自殺事件 (2頁〜8頁)

 ・いじめ裁判の現段階 市川須美子(獨協大学教授、『日本教育法学会』理事長) (15頁〜18頁)

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 学校における子どもの人権侵害とその救済について、被害者がおかれる厳しい状況は一向に改善されていません。裁判による救済は、全体としては確かに緩やかな前進を見せていると評価できますが、部分的には後退も見られます。
 しかし、着実に広がっている権利救済のための裁判では、個々の事件ごとに被害者・弁護団の孤立した困難な戦いとなっています。そのために、これらの裁判では、事実の立証、過失・因果関係の立証など、共通的な争点が多く存在するにもかかわらず、これまでの裁判実践・判例理論、ともに到達点が共有できている状況ではありません。
 そこで、従来から子どもの人権裁判に取り組んできた『子どもの人権研究会』では、「中間研究会」として、全国でいじめ裁判・子どもの人権裁判に取り組んでいる弁護士の方々・当事者と研究者が一堂に会する場を設定しました。現在までの実践的・理論的な成果と困難の相互交流・共同研究を通じて、この分野の判例理論の被害者救済的な発展の土台を築く試みとしたいと考えています。
 (『子どもの人権研究会』「中間研究会−いじめ裁判・子どもの自殺裁判の現状と到達点」案内チラシより)

             市川須美子『子どもの人権研究会』代表世話人 作成


 
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