国連・子どもの権利委員会(CRC)第3回日本政府報告書審査 総括所見が発表されました!!

国連・子どもの権利委員会(CRC)第3回日本政府報告書審査
総括所見が発表されました!!

CRCは、子どもに対する自白の強要及び
不法な捜査実務を初めて認めました!!−




 今般、2010年5月27日から5月28日まで、国連子どもの権利委員会(CRCCommittee on the Rights of the Child)の第54会期において、第3回日本政府報告書及び二つの選択議定書「武力紛争への子どもの関与に関する選択議定書」「子どもの売買、子ども売春および子どもポルノグラフィーに関する選択議定書」の審査が行われました。


 2010年6月11日には、日本政府報告書審査の総括所見が発表され、その日本語訳を平野裕二さん・ARCAction for the Rights of Children)よりご提供いただきましたので、以下ご紹介致します。

 平野裕二さん・ARC
は、国連子どもの権利委員会(CRC)での世界各国の報告書審査を、約20年間も傍聴し続け、その内容を速やかに日本語に翻訳して、ご自身のHP「ARC 平野裕二の子どもの権利・国際情報サイト」http://www26.atwiki.jp/childrights/に掲載し、日教組の組合員(『子どもの人権連』−事務局は千代田区一ツ橋2−6−2日本教育会館6階)、子どもの権利に関心のある市民(『子どもの権利条約ネットワーク』−代表 喜多明人、『子どもの権利条約総合研究所』−日本評論社から年2回機関誌発行など)や弁護士(各単位弁護士会「子どもの権利委員会」を含む)などに対して報告するなど、「子どもの権利条約」の普及のために大変素晴らしい働きをされています。
 
 おそらくこのような活動は、世界で類例はないと思います!!

 総括所見の内容で、注目される国連・子どもの権利委員会CRCの日本政府に対する『勧告』は沢山ありますが、その一部を指摘します。
 
【1】9項10項
 「37条(c)に対する留保の維持を遺憾に思い、それが条約の全面的適用の障害になっている。」この留保撤回は、毎回勧告されています。

【2】12項 「子どもの権利に関する包括的法律の採択を検討せよ!」

【3】17項 「子どものオンブズパーソン」のこと

【4】44項 子どもの意見の尊重
 「条約第12条および意見を聴かれるこどもの権利に関する委員会の一般的意見12号(2009年)に照らし、委員会は、締約国が、あらゆる場面(学校その他の子ども施設、家庭、地域コミュニティ、裁判所および行政機関ならびに政策策定プロセスを含む)において、自己に影響を及ぼすあらゆる事柄に関して全面的に意見を表明する子どもの権利を促進するための措置を強化するよう勧告する。」

【5】体罰について
5月27日に行われた審査の中で、Devi VARMAH委員は次のように述べていますが、大変参考になります。
「体罰について、21世紀の今でも多くの国に存在していて日本はそのひとつであると聞いている。子どもに対する体罰は、家庭ではしつけの名の下に合法化されている。体罰を加えて子どもを傷つけることについては、児童虐待防止法で禁止されており、学校では非合法化しているが、それでも行われているし、代替的な養護の施設でも行われている。
子どもに対して体罰を行うことが、法律に則った形で告訴され罰されているのか。
学校でも家庭でも、締約国として体罰を根絶するためにどう対応していくのか。」
47項
48項 委員会は、締約国が以下の措置をとるよう強く勧告する。
(a)家庭および代替的養護現場を含むあらゆる場面で、子どもを対象とした体罰およびあらゆる形態の品位を傷つける取り扱いを法律により明示的に禁止すること。
(b)あらゆる場面における体罰の禁止を効果的に実施すること。
(c)体罰等に代わる非暴力的な形態のしつけおよび規律について、家族、教職員ならびに子どもとともにおよび子どものために活動しているその他の専門家を教育するため、キャンペーンを含む伝達プログラムを実施すること。

【6】障害のある子ども 59項(a)〜(i)詳細な勧告である。

【7】子どもの遊びなど 76項
 私のブログにも掲載した賀川豊彦氏が提唱した「子どもの権利」の中に謳われている「子どもには遊ぶ権利がある」を参照して下さい。
賀川豊彦 「子どもの権利」「平和運動」「生活協同組合運動」など−かっての日本に出たことはないし、今後も再生産不可能と思われる人物−

【8】自白の強要及び不法な捜査実務  84項
CRC委員会が 初めて認定したものです!!
日弁連レポート121〜126頁(341.〜364) 「5 少年えん罪事件について」参照。
 私のブログの「なぜ、日本は大人も子どもにも『えん罪』が多いのか?「少年えん罪事件について」を読もう!!」もご参照下さい。

【9】少年司法に関する詳細な勧告
85項(a)〜 (i)全て大切だが、私見では特に(i)が注目される。
「少年司法制度に関わるすべて専門家が関連の国際基準に関する研修を受けることを確保すること。」

【10】「子どもの売買、子ども買春および子どもポルノグラフィーに関する選択議定書」
39項
(b)選択議定書第8条第1項および「子どもの犯罪被害者および証人が関わる事案における司法についての国連指針」(国連経済社会理事会決議2005/20、『子どもの権利通信』96号12〜19頁に松井 仁 弁護士仮訳を掲載→http://yoshimine.main.jp/kodomonokenritushin96)にしたがい、18歳未満のすべての子どもを対象として、被害を受けた子どもの権利および利益を保護するための措置を、刑事訴訟法改正等も通じて強化すること。
(c)裁判官検察官警察官、および子どもの証人とともに活動するその他の専門家が、刑事手続および司法手続のあらゆる段階における、子どもにやさしい、被害者および証人とのやりとりに関する研修を受けることを確保すること。



以下、総括所見の日本語訳は「ARC 平野裕二の子どもの権利・国際情報サイト」より
http://www26.atwiki.jp/childrights/


【子どもの権利員会:総括所見:日本(第3回)】

CRC/C/JPN/CO/3
配布:一般
2010年6月11日
原文:英語(Wordファイル)
先行未編集版
【日本語仮訳:子どもの権利条約NGOレポート連絡会議】(注:〔 〕およびリンクは訳者による補足である。また、原文では勧告部分が太字になっているが、ここではパラグラフ番号のみを太字とした。)

子どもの権利委員会
第54会期
2010年5月25日〜6月11日

条約第44条にもとづいて締約国が提出した報告書の検討

総括所見:日本

1.委員会は、2010年5月27日に開かれた第1509回および第1511回会合(CRC/C/SR.1509およびCRC/C/SR.1511参照)において日本の第3回定期報告書〔PDF〕(CRC/C/JPN/3)を検討し、2010年6月11日に開かれた第1541回会合において以下の総括所見を採択した。

A.序

2.委員会は、第3回定期報告書および委員会の事前質問事項(CRC/C/JPN/Q/3/Add.1)に対する文書回答〔PDF〕の提出を歓迎する。委員会は、部門を横断した代表団の出席および有益かつ建設的な対話を歓迎するものである。
3.委員会は、締約国に対し、この総括所見は、2010年6月11日に採択された、子どもの売買、子ども買春および子どもポルノグラフィーに関する選択議定書に基づく第1回締約国報告書についての総括所見(CRC/C/OPSC/JPN/CO/1)および武力紛争への子どもの関与に関する選択議定書についての総括所見(CRC/C/OPAC/JPN/CO/1)とあわせて読まれるべきであることを想起するよう求める。

B.締約国によるフォローアップ措置および達成された進展

4.委員会は、武力紛争への子どもの関与に関する選択議定書の批准(2004年8月2日)および子どもの売買、子ども買春および子どもポルノグラフィーに関する選択議定書の批准(2005年1月24日)を歓迎する。
5.委員会は、以下の立法措置がとられたことに評価の意とともに留意する。
(a)2004年および2008年の児童虐待防止法改正。これにより、とくに児童虐待の定義が見直され、国および地方の政府の責任が明確化され、かつ虐待事案の通報義務が拡大された。
(b)2004年および2008年の児童福祉法改正。これにより、とくに、要保護児童対策地域協議会の設置権限が地方政府に与えられた。
(c)2005年6月の刑法改正による人身売買の犯罪化。
(d)子ども・若者育成支援推進法の公布(2010年)。
(e)2010年〔2006年〕の教育基本法改正。
6.委員会はまた、人身取引対策行動計画(2009年12月)、および、自殺率削減のための取り組みの調整を促進する目的で2005年7月に採択された「自殺に関する総合対策の緊急かつ効果的な推進を求める決議」も歓迎する。

C.主要な懸念領域および勧告

1.実施に関する一般的措置(条約第4条、第42条および第44条第6項)

委員会の前回の勧告
7.委員会は、締約国の第2回報告書(CRC/C/104/Add.2)の検討を受けて2004年2月に行なわれた懸念表明および勧告(CRC/C/15/Add.231)の一部に対応するため締約国が行なった努力を歓迎するが、その多くが十分に実施されておらず、またはまったく対応されていないことを遺憾に思う。委員会は、この総括所見において、これらの懸念および勧告をあらためて繰り返す。
8. 委員会は、締約国に対し、第2回報告書審査に関する総括所見の勧告のうちまだ実施されていないもの(「調整および国家行動計画」に関するパラ12、独立した監視に関するパラ14、「子どもの定義」に関するパラ22、「差別の禁止」に関するパラ24、「名前および国籍」に関するパラ31、「体罰」に関するパラ35、障害に関するパラ43および「若者の自殺」に関するパラ47に掲げられた勧告を含む)に対応し、かつこの総括所見に掲げられた懸念事項に包括的に対応するため、あらゆる努力を行なうよう促す。

留保
9.委員会は、締約国が第37条(c)に対する留保を維持していることを遺憾に思う。
10. 委員会は、締約国が、条約の全面的適用の障害となっている条約第37条(c)に対する留保の撤回を検討するよう勧告する。

立法
11.委員会は、子どもの権利の分野において、子どもの生活条件および発達の向上に資するいくつかの法律の公布および改正が行なわれたことに留意する。しかしながら委員会は、子ども・若者育成支援推進法が条約の適用範囲を完全に網羅しておらず、または子どもの権利を保障するものではないこと、および、包括的な子どもの権利法が制定されていないことを依然として懸念する。委員会はまた、少年司法分野におけるものも含め、国内法の一部の側面が条約の原則および規定にいまなお一致していないことにも留意する。
12. 委員会は、締約国が、子どもの権利に関する包括的法律の採択を検討し、かつ、国内法を条約の原則および規定と完全に調和させるための措置をとるよう、強く勧告する。

調整
13.委員会は、子ども・若者育成支援推進本部、教育再生会議および種々の政府審議会など、子どもの権利に関する政策の実施に携わる多くの国家機関が存在することに留意する。しかしながら委員会は、これらの機関間でならびに国、広域行政圏および地方のレベル間で効果的調整を確保するための機構が存在しないことを懸念する。
14. 委員会は、締約国が、子どもの権利を実施する目的で締約国が国、広域行政圏および地方のレベルで行なっているあらゆる活動を効果的に調整するための明確な権限ならびに十分な人的資源および財源を与えられた適切な国家機構を設置するとともに、子どもの権利の実施に携わっている市民社会組織との継続的交流および協力を確立するよう勧告する。

国家行動計画
15.委員会は、子ども・若者育成支援推進法(2010年4月)などの多くの具体的措置がとられてきたことを歓迎するとともに、すべての子どもの成長を支援し、かつ子どもを全面的に尊重するために政府の体制一元化を図ることを目的とした「子ども・子育てビジョン」および「子ども・若者ビジョン」の策定に関心をもって留意する。しかしながら委員会は、条約のすべての分野を網羅し、かつ、とくに子どもたちの間に存在する不平等および格差に対応する、子どものための、権利を基盤とした包括的な国家行動計画が存在しないことを依然として懸念する。
16. 委員会は、締約国が、地方の公的機関、市民社会および子どもを含む関係パートナーと協議および協力しながら、子どものための国家行動計画を採択しかつ実施するよう勧告する。このような行動計画は、中長期的達成目標を掲げ、条約のすべての分野を網羅し、十分な人的資源および財源を提供し、かつ、必要に応じて成果の管理および措置の修正を行なう監視機構を備えたものでなければならない。委員会はとくに、このような行動計画において、所得および生活水準の不平等、ならびに、ジェンダー、障害、民族的出身、および、子どもが発達し、学習し、かつ責任ある生活に向けた準備を進める機会を形成するその他の要因による格差に対応するよう勧告する。委員会は、締約国が、国連子ども特別総会の成果文書「子どもにふさわしい世界」(2002年)およびその中間レビュー(2007年)を考慮するよう勧告する。

独立した監視
17.委員会は、条約の実施を国レベルで監視する独立の機構が存在しないことに懸念を表明する。これとの関連で、委員会は、5つの自治体で子どもオンブズパーソンが任命されているという締約国の情報に留意する。しかしながら委員会は、これらのオンブズパーソンの権限、独立性および職務、効果的活動を確保するために利用可能な財源その他の資源、ならびに、(遺憾ながら2002年以来棚上げされている人権擁護法案に基づいて設置予定の)人権委員会との関係のあり方の構想に関する情報が存在しないことを遺憾に思う。
18. 委員会は、締約国が以下の措置をとるよう勧告する。
(a)早期に人権擁護法案を通過させ、かつ国内機関の地位に関するパリ原則(国連総会決議48/134)にしたがった国家人権委員会を設置できるようにするとともに、同委員会に対し、条約の実施を監視し、苦情を受け付けてそのフォローアップを行ない、かつ子どもの権利の組織的侵害を調査する権限を与えること。
(b)次回の報告書において、国家人権委員会および子どもオンブズパーソンに与えられた権限、職務および資源についての情報を提供すること。
(c)独立した国内人権機関の役割に関する委員会の一般的意見2号(2002年)を考慮すること。

資源配分
19.委員会は、締約国の社会支出がOECD平均よりも低いこと、最近の経済危機以前から貧困がすでに増加しており、いまや人口の約15%に達していること、および、子どものウェルビーイングおよび発達のための補助金および諸手当がこれまで一貫したやり方で整備されてこなかったことに、深い懸念を表明する。委員会は、新しい〔子ども〕手当制度および高校無償化法を歓迎するものの、国および自治体の予算における子どものための予算配分額が明確でなく、子どもの生活への影響という観点から投資を追跡しかつ評価できなくなっていることを依然として懸念する。
20. 委員会は、締約国が以下の措置をとるよう、強く勧告する。
(a)子どもの権利を実現する締約国の義務を満たせる配分が行なわれるようにするため、中央および自治体レベルの予算を子どもの権利の観点から徹底的に検討すること。
(b)子どもの権利に関わる優先的課題を反映した戦略的予算科目を定めること。
(c)子どものための優先的予算科目を資源水準の変化から保護すること。
(d)指標システムに基づいて政策の成果をフォローアップする追跡システムを確立すること。
(e)市民社会および子どもがあらゆるレベルで協議の対象とされることを確保すること。

データ収集
21.委員会は、子どもおよびその活動に関する相当量のデータが定期的に収集されかつ公表されていることを理解する。しかしながら委員会は、条約が対象としている一部の分野に関してデータが存在しないこと(貧困下で暮らしている子ども、障害のある子どもおよび日本国籍を有していない子どもの就学率ならびに学校における暴力およびいじめに関するものを含む)に懸念を表明する。
22. 委員会は、締約国が、子どもの権利侵害を受けるおそれがある子どもについてのデータ収集の努力を強化するよう勧告する。締約国はまた、条約の実施において達成された進展を効果的に監視しかつ評価することおよび子どもの権利の分野における政策の効果を評価することを目的とした指標も開発するべきである。



 

広報、研修および意識啓発
23.委員会は、子どもとともにおよび子どものために活動している専門家ならびに一般公衆の間で条約に関する意識を促進するために締約国が行なってきた努力には留意するものの、これらの努力が十分ではないこと、または条約の原則および規定を普及するための計画が実行に移されていないことを依然として懸念する。とりわけ、子どもおよびその親に対して情報をより効果的に普及することが緊急に必要である。委員会はまた、子どものためにおよび子どもとともに活動している専門家の研修が不十分であることも懸念する。
24. 委員会は、締約国に対し、子どもおよび親の間で条約に関する情報の普及を拡大するよう奨励する。委員会は、締約国に対し、子どものためにおよび子どもとともに活動しているすべての者(教職員、裁判官、弁護士、法執行官、メディア従事者、公務員およびあらゆるレベルの政府職員を含む)を対象とした、子どもの権利を含む人権に関する体系的かつ継続的な研修プログラムを発展させるよう促す。

市民社会との協力
25.市民社会組織と多くの会合が持たれてきたことに関する締約国の情報には留意しながらも、委員会は、子どもの権利のための政策およびプログラムの開発、実施および評価のあらゆる段階で重要である継続的協力の慣行がいまなお確立されていないことを懸念する。委員会はまた、市民社会組織が、委員会の前回の総括所見のフォローアップに関与しておらず、または締約国の第3回定期報告書の作成中に意見を述べる十分な機会を与えられなかったことも懸念する。
26. 委員会は、締約国に対し、市民社会との協力を強化するとともに、条約の実施のあらゆる段階(定期報告書の作成を含む)を通じて市民社会組織のより組織的な関与を図るよう奨励する。

子どもの権利と企業セクター
27.委員会は、民間セクターが子どもおよびその家族の生活に甚大な影響を及ぼしていることに留意し、かつ、子どものウェルビーイングおよび発達に関わる企業セクターの社会的および環境的責任について締約国が規制を行なっているのであれば、当該規制に関する情報が存在しないことを遺憾に思う。
28. 委員会は、締約国に対し、企業の活動から生じるいかなる悪影響からも地域コミュニティ、とくに子どもを保護する目的で、企業セクターが企業の社会的および環境的責任に関する国内外の基準を遵守することを確保するための規制を確立しかつ実施するため、効果的措置をとるよう奨励する。

国際協力
29.委員会は、いまなお相当額にのぼる政府開発援助(ODA)に留意するとともに、2003年の戦略的改定によって貧困削減、持続可能性、安全保障および平和維持措置が優先されるようになったことを歓迎するが、締約国が一貫してODA予算額を削減しており、国内総生産(GDP)の0.7%をODAに支出するという国際合意よりもはるかに低い、対GDP比0.2%という水準であることを懸念する。委員会はとくに、開発途上国における気候変動対策といった特定の目的のために追加的資源の配分を行なうこと、および、アフリカ諸国向けの援助が顕著に増額されること以外には一般的改革は計画されていないと締約国が表明したことを懸念する。
30. 委員会は、締約国が、とくに子どもが受益者であるプログラムおよび措置に対して提供される資源を増加させる目的で、ODAに関する国際的達成目標へのコミットメントを再検討するよう勧告する。委員会はさらに、締約国が、当該供与相手国に関する子どもの権利委員会の総括所見および勧告を考慮するよう提案する。

2.子どもの定義(条約第1条)

31.委員会は、最低婚姻年齢の男女差(男子18歳・女子16歳)を解消するよう求めた前回の総括所見の勧告(CRC/C/15/Add.231、パラ22)にも関わらず、格差が残っていることについて懸念を表明する。
32. 委員会は、締約国がその立場を再検討し、婚姻年齢を引き上げて両性ともに18歳にするよう勧告する。

3.一般原則(条約第2条、第3条、第6条および第12条)

差別の禁止
33.委員会は、若干の立法措置がとられたにも関わらず、無遺言相続を規律する法律上、婚外子がいまなお婚内子と同一の権利を享受していないことを懸念する。委員会はまた、民族的マイノリティに属する子ども、日本国籍を有していない子ども、移住労働者の子ども、難民である子どもおよび障害のある子どもに対する社会的差別が根強く残っていることも懸念する。委員会は、男女平等の促進に言及していた教育基本法第5条が削除されたことに対する女性差別撤廃委員会の懸念(CEDAW/C/JPN/CO/6)を繰り返す。
34. 委員会は、締約国が以下の措置をとるよう勧告する。
(a)包括的な反差別法を制定し、かつ、どのような事由であれ子どもを差別するあらゆる立法を廃止すること。
(b)とくに女子、民族的マイノリティに属する子ども、日本人ではない子どもおよび障害のある子どもに対して実際に行なわれている差別を削減しかつ防止するため、意識啓発キャンペーンおよび人権教育を含む必要な措置をとること。
35.委員会は、刑法で女性および女子しか強姦罪および関連の犯罪の被害者として想定されておらず、かつ、そのためこれらの規定に基づく保護が男子には及ばないことに、懸念とともに留意する。
36. 委員会は、男子か女子かを問わず強姦の被害者全員が同一の保護を与えられることを確保するため、締約国が刑法改正を検討するよう勧告する。

子どもの最善の利益
37.子どもの最善の利益は児童福祉法に基づいて考慮されているという締約国の情報は認知しながらも、委員会は、1974〔1947〕年に採択された同法に、子どもの最善の利益の優越性が十分に反映されていないことに懸念とともに留意する。委員会はとくに、そのような優越性が、難民および資格外移住者である子どもを含むすべての子どもの最善の利益を統合する義務的プロセスを通じ、すべての立法に正式にかつ体系的に統合されているわけではないことを懸念する。
38. 委員会は、締約国が、あらゆる法規定において、ならびに、子どもに影響を与える司法上および行政上の決定およびプロジェクト、プログラムならびにサービスにおいて、子どもの最善の利益の原則が実施されかつ遵守されることを確保するための努力を継続しかつ強化するよう勧告する。
39.委員会は、子どものケアまたは保護に責任を負う相当数の機関が、とくに職員の数および適格性ならびに監督およびサービスの質に関して適切な基準に合致していないという報告があることに、懸念とともに留意する。
40. 委員会は、締約国が以下の措置をとるよう勧告する。
(a)そのような期間が提供するサービスの質および量を対象とし、かつ公共部門および民間部門の両方に適用されるサービス基準を発展させかつ定義するための効果的措置をとること。
(b)公共部門および民間部門の両方において、そのような基準を一貫して遵守させること。

生命、生存および発達に対する権利
41.「自殺に関する総合対策の緊急かつ効果的な推進を求める決議」などを通じ、子ども、とくに思春期の青少年の間で発生している自殺の問題に対応しようとする締約国の努力には留意しながらも、委員会は、子どもおよび思春期の青少年が自殺していること、および、自殺および自殺未遂に関連したリスク要因に関する調査研究が行なわれていないことを依然として懸念する。委員会はまた、子どもの施設で起きている事故が、そのような施設で安全に関する最低基準が遵守されていないことと関連している可能性があるという情報にも懸念する。
42. 委員会は、締約国が、子どもの自殺リスク要因について調査研究を行ない、防止措置を実施し、学校にソーシャルワーカーおよび心理相談サービスを配置し、かつ、困難な状況にある子どもに児童相談所システムがさらなるストレスを課さないことを確保するよう勧告する。委員会はまた、締約国が、官民問わず、子どものための施設を備えた機関が適切な最低安全基準を遵守することを確保するようにも勧告する。

子どもの意見の尊重
43.司法上および行政上の手続、学校、子ども施設ならびに家庭において子どもの意見は考慮されているという締約国の情報には留意しながらも、委員会は、正式な規則では年齢制限が高く定められていること、児童相談所を含む児童福祉サービスが子どもの意見をほとんど重視していないこと、学校において子どもの意見が重視される分野が限定されていること、および、政策策定プロセスにおいて子どもおよびその意見に言及されることがめったにないことを依然として懸念する。委員会は、権利を有する人間として子どもを尊重しない伝統的見解のために子どもの意見の重みが深刻に制限されていることを依然として懸念する。
44. 条約第12条および意見を聴かれる子どもの権利に関する委員会の一般的意見12号(2009年)に照らし、委員会は、締約国が、あらゆる場面(学校その他の子ども施設、家庭、地域コミュニティ、裁判所および行政機関ならびに政策策定プロセスを含む)において、自己に影響を及ぼすあらゆる事柄に関して全面的に意見を表明する子どもの権利を促進するための措置を強化するよう勧告する。

4.市民的権利および自由(条約第7条、第8条、第13〜17条、第19条および第37条(a))

出生登録
45.委員会は、締約国の多くの規則が、一定の状況下にある親、とくに子どもの出生を登録することのできない資格外滞在移住者のもとに生まれた子どもの出生登録の可能性を制約する効果を有しているという、前回の総括所見(CRC/C/15/Add.231)に掲げられた懸念をあらためて繰り返す。これらの規則が存在する結果、多くの子どもが登録されず、このような子どもが法律上無国籍となる状況が生み出されている。
46. 委員会は、締約国が以下の措置をとるよう勧告する。
(a)すべての子どもの登録を確保し、かつ子どもを法律上の無国籍状態から保護するため、条約第7条の規定にしたがい、国籍および市民権に関わる法律および規則を改正すること。
(b)無国籍者の地位に関する条約(1954年)および無国籍の削減に関する条約(1961年)の批准を検討すること。

体罰
47.学校における体罰が明示的に禁じられていることには留意しつつ、委員会は、その禁止規定が効果的に実施されていないという報告があることに懸念を表明する。委員会は、すべての体罰を禁ずることを差し控えた1981年の東京高等裁判所判決に、懸念とともに留意する。委員会はさらに、家庭および代替的養護現場における体罰が法律で明示的に禁じられていないこと、および、とくに民法および児童虐待防止法が適切なしつけの行使を認めており、体罰の許容可能性について不明確であることを懸念する。
48. 委員会は、締約国が以下の措置をとるよう強く勧告する。
(a)家庭および代替的養護現場を含むあらゆる場面で、子どもを対象とした体罰およびあらゆる形態の品位を傷つける取り扱いを法律により明示的に禁止すること。
(b)あらゆる場面における体罰の禁止を効果的に実施すること。
(c)体罰等に代わる非暴力的な形態のしつけおよび規律について、家族、教職員ならびに子どもとともにおよび子どものために活動しているその他の専門家を教育するため、キャンペーンを含む伝達プログラムを実施すること。

子どもに対する暴力に関する国連研究のフォローアップ
49. 子どもに対する暴力に関する国連事務総長研究(A/61/299)について、委員会は、締約国が以下の措置をとるよう勧告する。
(a)東アジア・太平洋地域協議(2005年6月14〜16日、バンコク)の成果および勧告を考慮しながら、子どもに対する暴力に関する国連研究の勧告を実施するためにあらゆる必要な措置をとること。
(b)以下の勧告に特段の注意を払いながら、子どもに対するあらゆる形態の暴力の撤廃に関わる同研究の勧告の実施を優先させること。
(i)子どもに対するあらゆる形態の暴力を禁止すること
(ii)子どもとともにおよび子どものために活動しているすべての者の能力を増進させること。
(iii)回復および社会的再統合のためのサービスを提供すること。
(iv)アクセスしやすく、子どもにやさしい通報制度およびサービスを創設すること。
(v)説明責任を確保し、かつ責任が問われない状態に終止符を打つこと。
(vi)国レベルの体系的なデータ収集および調査研究を発展させ、かつ実施すること。
(c)すべての子どもがあらゆる形態の身体的、性的および心理的暴力から保護されることを確保し、かつ、このような暴力および虐待を防止しかつこれに対応するための具体的な(かつ適切な場合には期限を定めた)行動に弾みをつける目的で、市民社会と連携しながら、かつとくに子どもの参加を得ながら、これらの勧告を行動のためのツールとして活用すること。
(d)次回の報告書において、締約国による同研究の勧告の実施に関わる情報を提供すること。
(e)子どもに対する暴力に関する国連事務総長特別代表と協力し、かつ同代表を支援すること。



5.家庭環境および代替的養護(条約第5条、第18条(第1〜2項)、第9〜11条、第19〜21条、第25条、第27条(第4項)および第39条)

家庭環境
50.日本社会で家族の価値が普及の重要性を獲得していることは承知しつつ、委員会は、親子関係の悪化にともなって子どもの情緒的および心理的ウェルビーイングに否定的影響が生じており、子どもの施設措置という結果さえ生じていることを示す報告があることを懸念する。委員会は、これらの問題が、高齢者と乳幼児のケアとの間で生じる緊張、ならびに、貧困がとくにひとり親世帯に及ぼす影響に加え、学校における競争、仕事と家庭生活の両立不可能性等の要因から生じている可能性があることに留意する。
51. 委員会は、締約国が家族を支援しかつ強化するための措置を導入するよう勧告する。そのための手段としては、子育ての責任を履行する家族の能力を確保する目的で男女双方を対象として仕事と家庭生活との適切なバランスを促進すること、親子関係を強化すること、および、子どもの権利に関する意識啓発を図ることなどがあげられる。委員会はさらに、社会サービス機関が、子どもの施設措置を防止するためにも、不利な立場に置かれた子どもおよび家族に優先的に対応し、かつ適切な金銭的、社会的および心理的支援を提供するよう勧告する。

親のケアを受けていない子ども
52.委員会は、親のケアを受けていない子どもを対象とする、家族を基盤とした代替的養護に関する政策が存在しないこと、家族から引き離されて養護の対象とされる子どもの人数が増えていること、小集団の家庭型養護を提供しようとする努力にも関わらず多くの施設の水準が不十分であること、および、代替的養護施設において子どもの虐待が広く行なわれているという報告があることに、懸念とともに留意する。これとの関連で、委員会は、遺憾ながら広く実施はされていないものの、苦情申立て手続が設けられたことに留意する。委員会は、里親が義務的研修を受け、かつ増額された手当を受給していることを歓迎するが、一部類型の里親が金銭的支援を受けていないことを懸念する。
53. 委員会は、第18条に照らし、締約国が以下の措置をとるよう勧告する。
(a)子どもの養護を、里親家庭、または居住型養護における小集団編成のような家庭的環境のもとで提供すること。
(b)里親養護を含む代替的養護現場の質を定期的に監視し、かつ、あらゆる養護現場による適切な最低基準の遵守を確保するための措置をとること。
(c)代替的養護現場における児童虐待を調査し、かつその責任者を訴追するとともに、虐待の被害者が苦情申立て手続、カウンセリング、医療的ケアその他の適切な回復援助にアクセスできることを確保すること。
(d)金銭的支援がすべての里親に提供されるようにすること。
(e)「子どもの代替的養護に関する国連指針」(2009年11月20日に採択された国連総会決議A/RES/64/142)を考慮すること。

養子縁組
54.委員会は、養親またはその配偶者の直系卑属である子どもの養子縁組が司法機関による監督または家庭裁判所の許可を受けずに行なえることに、懸念とともに留意する。委員会はさらに、国外で養子とされた子どもの登録機関が存在しないことを含め、国際養子縁組が十分に監督されていないことを懸念する。
55. 委員会は、締約国が以下の措置をとるよう勧告する。
(a)すべての養子縁組が司法機関による許可の対象とされ、かつ子どもの最善の利益にしたがって行なわれること、および、養子とされたすべての子どもの登録機関が維持されることを確保するための措置をとり、かつこれを効果的に実施すること。
(b)国際養子縁組についての子の保護および協力に関するハーグ第33号条約(1993年)の批准を検討すること。

児童虐待およびネグレクト
56.委員会は、虐待防止のための機構を定めかつ執行する、児童虐待防止法および児童福祉法の改正等の措置を歓迎する。しかしながら委員会は、民法上の「親権」概念によって「包括的支配」を行なう権利が与えられていることおよび親が過大な期待を持つことにより、子どもが家庭で暴力を受けるおそれが生じていることを依然として懸念する。委員会は、児童虐待の発生件数が増え続けていることに、懸念とともに留意する。
57. 委員会は、締約国が、以下のものを含む措置をとることにより、児童虐待の問題に対応する現在の努力を強化するよう勧告する。
(a)虐待およびネグレクトの否定的影響に関する公衆教育プログラム、ならびに家族発達プログラムを含む防止プログラムを実施し、かつ、積極的な、非暴力的形態のしつけを促進すること。
(b)家庭および学校で虐待の被害を受けた子どもに十分な保護を提供すること。

6.基礎保健および福祉(条約第6条、第18条(第3項)、第23条、第24条、第26条および第27条(第1〜3項))

障害のある子ども
58.委員会は、締約国が、障害のある子どもを支援し、学校における交流学習を含む社会参加を促進し、かつその自立を発達させることを目的として、法律の採択ならびにサービスおよび施設の設置を進めてきたことに留意する。委員会は、根深い差別がいまなお存在すること、および、障害のある子どものための措置が注意深く監視されていないことを、依然として懸念する。委員会はまた、必要な設備および便益を用意するための政治的意思および財源が欠けていることにより、障害のある子どもによる教育へのアクセスが引き続き制約されていることにも留意する。
59. 委員会は、締約国が以下の措置をとるよう勧告する。
(a)障害のあるすべての子どもを全面的に保護するために法律の改正および採択を行なうとともに、進展を注意深く記録し、かつ実施における欠点を明らかにする監視システムを確立すること。
(b)障害のある子どもの生活の質を高め、その基本的ニーズを満たし、かつそのインクルージョンおよび参加を確保することに焦点を当てた、コミュニティを基盤とするサービスを提供すること。
(c)存在している差別的態度と闘い、かつ障害のある子どもの権利および特別なニーズについて公衆の感受性を高めること、障害のある子どもの社会へのインクルージョンを奨励すること、ならびに、意見を聴かれる子どもおよびその親の権利の尊重を促進することを目的とした、意識啓発キャンペーンを実施すること。
(d)障害のある子どものためのプログラムおよびサービスに対して十分な人的資源および財源を提供するため、あらゆる努力を行なうこと。
(e)障害のある子どものインクルーシブ教育のために必要な便益を学校に備えるとともに、障害の子どもが希望する学校を選択し、またはその最善の利益にしたがって普通学校と特別支援学校との間で移行できることを確保すること。
(f)障害のある子どものためにおよびそのような子どもとともに活動している非政府組織(NGO)に対し、援助を提供すること。
(g)教職員、ソーシャルワーカーならびに保健・医療・治療・養護従事者など、障害のある子どもとともに活動している専門的職員を対象とした研修を行なうこと。
(h)これとの関連で、障害のある人の機会均等化に関する国連基準規則(国連総会決議48/96)および障害のある子どもの権利に関する委員会の一般的意見9号(2006年)を考慮すること。
(i)障害のある人の権利に関する条約(署名済み)およびその選択議定書(2006年)を批准すること。

メンタルヘルス
60.委員会は、著しい数の子どもが情緒的ウェルビーイングの水準の低さを報告していること、および、親および教職員との関係の貧しさがその決定要因となっている可能性があることを示すデータに留意する。委員会はまた、発達障害者支援センターにおける注意欠陥・多動性障害(ADHD)の相談数が増えていることにも留意する。委員会は、ADHDの治療に関する調査研究および医療専門家の研修が開始されたことを歓迎するが、この現象が主として薬物によって治療されるべき生理的障害と見なされていること、および、社会的決定要因が正当に考慮されていないことを懸念する。
61. 委員会は、締約国が、子どもおよび思春期の青少年の情緒的および心理的ウェルビーイングの問題に、あらゆる環境における効果的支援を確保する学際的アプローチを通じて対応するための効果的措置をとるよう勧告する。委員会はまた、締約国が、ADHDの診断数の推移を監視するとともに、この分野における調査研究が製薬産業とは独立に実施されることを確保するようにも勧告する。

保健サービス
62.委員会は、行動面に関わる学校の期待を満たさない子どもが児童相談所に送致されることに、懸念とともに注目する。委員会は、専門的処遇の水準(意見を聴かれる子どもの権利の実施および子どもの最善の利益の考慮を含む)に関する情報が存在しないことを懸念するとともに、成果の体系的評価が利用されていないことを遺憾に思う。
63. 委員会は、締約国が、児童相談所システムおよびその作業方法に関する独立の調査(リハビリテーションの成果に関する評価も含む)を委託し、かつ、このレビューの結果に関する情報を次回の定期報告書に含めるよう勧告する。

HIV/AIDS
64.委員会は、HIV/AIDSその他の性感染症の感染率が上昇していること、および、これらの健康問題に関する思春期の青少年向けの教育が限定されていることに懸念を表明する。
65. 委員会は、締約国が、学校カリキュラムにリプロダクティブ・ヘルス〔性と生殖に関わる健康〕教育が含まれることを確保し、かつ思春期の青少年に対して自己のリプロダクティブ・ライツ〔性と生殖に関わる権利〕に関する情報(10代の妊娠およびHIV/AIDSを含む性感染症の予防に関するものを含む)を全面的に提供するとともに、思春期の健康および発達に関する委員会の一般的意見4号(2003年)を考慮に入れながら、HIV/AIDSその他の性感染症の予防のためのすべてのプログラムに思春期の青少年が容易にアクセスできることを確保するよう勧告する。

十分な生活水準に対する権利
66.対話の際、委員会は、すべての子どもを対象とする改善された子ども手当制度が2010年4月から施行された旨の情報を提供されたが、この新たな措置が、貧困下で暮らしている人口の割合(15%)を、生活保護法およびひとり親家庭(とくに女性が世帯主である世帯)を援助するためのその他の措置のような現在適用されている措置よりも効果的に低下させることにつながるかどうか評価するためのデータは、利用可能とされていない。委員会は、財政政策および経済政策(労働規制緩和および民営化戦略等)が、賃金削減、女性と男性の賃金格差ならびに子どものケアおよび教育のための支出の増加により、親およびとくにシングルマザーに影響を与えている可能性があることを懸念する。
67. 委員会は、締約国が子どもの貧困を根絶するために適切な資源を配分するよう勧告する。そのための手段には、貧困の複雑な決定要因、発達に対する子どもの権利およびすべての家族(ひとり親家族を含む)に対して確保されるべき生活水準を考慮に入れながら、貧困削減戦略を策定することも含まれる。委員会はまた、締約国に対し、親は子育ての責任を負っているために労働の規制緩和および流動化のような経済戦略に対処する能力が制約されていることを考慮に入れるとともに、金銭的その他の支援の提供によって、子どものウェルビーイングおよび発達にとって必要な家族生活を保障することができているかどうか、注意深く監視するよう促す。

子どもの扶養料の回復
68.子どもの扶養料の回復を図ることを目的とした民事執行法の制定(2004年)には留意しつつ、委員会は、別居または離婚した親(出国した者を含む)の多く(ほとんどは父親)が扶養義務を果たしていないこと、および、未払いの扶養料を回復するための現行手続が十分ではないことを懸念する。
69. 委員会は、締約国が以下の措置をとるよう勧告する。
(a)婚姻しているか否かに関わらず、両方の親がその子どもの扶養に公平に貢献すること、および、いずれかの親が義務を履行しない場合に扶養義務が効果的に回復されることを確保する、現行の法律および措置の実施を強化すること。
(b)新たな機構(すなわち、債務不履行の親の扶養義務を履行し、かつ、その後、適切な場合には民事上または刑事上の法律を通じて未払金を回収する国家基金)を設立し、扶養料の支払いがこの機構を通じて回復されることを確保すること。
(c)親責任および子の保護措置についての管轄権、準拠法、承認、執行および協力に関するハーグ第34号条約(1996年)を批准すること。

7.教育、余暇および文化的活動(条約第28条、第29条および第31条)

教育(職業訓練および職業指導を含む)
70.委員会は、日本の学校制度によって学業面で例外的なほど優秀な成果が達成されてきたことを認めるが、学校および大学への入学を求めて競争する子どもの人数が減少しているにも関わらず過度の競争に関する苦情の声があがり続けていることに、懸念とともに留意する。委員会はまた、このような高度に競争的な学校環境が就学年齢層の子どものいじめ、精神障害、不登校、中途退学および自殺を助長している可能性があることも、懸念する。
71. 委員会は、学業面での優秀な成果と子ども中心の能力促進とを結合させ、かつ、極端に競争的な環境によって引き起こされる悪影響を回避する目的で、締約国が学校制度および大学教育制度を再検討するよう勧告する。これとの関連で、締約国は、教育の目的に関する委員会の一般的意見1号(2001年)を考慮するよう奨励される。委員会はまた、締約国が、子ども同士のいじめと闘う努力を強化し、かつそのような措置の策定に子どもたちの意見を取り入れるよう勧告する。
72.委員会は、中国系、北朝鮮系その他の出身の子どもを対象とした学校に対する補助金が不十分であることを懸念する。委員会はまた、このような学校の卒業生が日本の大学の入学試験を受けられない場合があることも懸念する。
73. 委員会は、締約国に対し、外国人学校への補助金を増額し、かつ大学入試へのアクセスにおいて差別が行なわれないことを確保するよう奨励する。締約国は、ユネスコ・教育差別禁止条約の批准を検討するよう奨励される。
74.委員会は、日本の歴史教科書においては歴史的出来事に対する日本側の解釈しか記述されていないため、地域の異なる国々出身の子どもの相互理解が増進されていないという情報があることを懸念する。
75. 委員会は、締約国が、検定教科書においてアジア・太平洋地域の歴史的出来事に関するバランスのとれた見方が提示されることを確保するよう勧告する。

遊び、余暇および文化的活動
76. 委員会は、締約国が休息、余暇および文化的活動に対する子どもの権利を想起するよう求めるとともに、公共の場所、学校、子ども施設および家庭における子どもの遊び時間その他の自主的活動を促進しかつ容易にする取り組みを支援するよう勧告する。

8.特別な保護措置(条約第22条、第38条、第39条、第40条、第37条(b)および(d)、第30条ならびに第32〜36条)

保護者のいない難民の子ども
77.委員会は、犯罪活動の疑いが存在しない場合でさえ庇護希望者の子どもを収容する慣行が広く行なわれていること、および、保護者のいない庇護希望者の子どもをケアする機構が確立されていないことに懸念を表明する。
78. 委員会は、締約国が以下の措置をとるよう勧告する。
(a)庇護希望者の子どもの収容を防止し、このような子どもの入管収容施設からの即時釈放を確保し、かつ、このような子どもに宿泊所、適切なケアおよび教育へのアクセスを提供するため、正式な機構の確立等を通じて即時的措置をとること。
(b)公正かつ子どもに配慮した難民認定手続のもと、子どもの最善の利益が第一次的に考慮されることを確保しながら、保護者のいない子どもの庇護申請の処理を迅速に進めるとともに、後見人および法定代理人を任命し、かつ親その他の近親者の所在を追跡すること。
(c)国連難民高等弁務官(UNHCR)の「子どもの最善の利益の公式な決定に関するガイドライン」および「難民の保護およびケアに関するガイドライン」を考慮しながら、難民保護の分野における国際基準を尊重すること。

人身取引
79.委員会は、人身取引を刑法上の犯罪と定めた刑法改正(2005年7月施行)および2009年の「人身取引対策行動計画」を歓迎する。しかしながら委員会は、同行動計画のために用意された資源、調整および監視のための機関、ならびに、人身取引対策がとくに子どもに与える影響についての情報が存在しないことに留意する。
80. 委員会は、締約国が以下の措置をとるよう勧告する。
(a)とくに子どもの人身取引に対応するための措置の効果的監視を確保すること。
(b)人身取引の被害者に対し、身体的および心理的回復のための援助が提供されることを確保すること。
(c)行動計画の実施に関する情報を提供すること。
(d)国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約を補足する人、とくに女性および子どもの取引を防止し、抑止しおよび処罰するための議定書(2000年)を批准すること。

性的搾取
81.委員会は、締約国の第2回定期報告書の審査後にも留意された、買春によるものも含む子どもの性的搾取件数が増えていることに対する懸念をあらためて繰り返す。
82. 委員会は、子どもの性的搾取の事件を捜査しかつ加害者を起訴するとともに、性的搾取の被害者に対してカウンセリングその他の回復援助を提供する努力を締約国が強化するよう勧告する。

少年司法の運営
83.委員会は、2000年の少年法改正においてどちらかといえば懲罰的なアプローチが採用され、罪を犯した少年の権利および司法上の保障が制限されてきた旨の、締約国の第2回報告書(CRC/C/104/Add.2)の検討を受けて2004年2月に表明した前回の懸念(CRC/C/15/Add.231)をあらためて繰り返す。とりわけ、刑事責任年齢〔刑事手続適用年齢〕が16歳から14歳に引き下げられたことにより、教育的措置がとられる可能性が低くなり、14〜16歳の多くの子どもが矯正施設への収容の対象とされている。また、重罪を犯した16歳以上の子どもは刑事裁判所に送致される可能性があり、審判前の勾留期間は4週間から8週間に延長され、かつ、非職業裁判官制度である裁判員制度は、罪を犯した子どもを専門の少年裁判所が処遇することの障害となっている。
84.委員会はさらに、成人刑事裁判所に送致される少年の人数が顕著に増加していることを懸念するとともに、法に抵触した子どもに認められている手続的保障(弁護士にアクセスする権利を含む)が制度的に実施されているため、とくに自白の強要および不法な捜査実務が行なわれていることを遺憾に思う。委員会はまた、少年矯正施設における被収容者への暴力が高い水準で行なわれていること、および、少年が審判前に成人と勾留される可能性があることも懸念する。
85. 委員会は、締約国に対し、少年司法における子どもの権利に関する委員会の一般的意見10号(2007年)を考慮に入れながら、少年司法制度を条約、とくに第37条、第40条および第39条、ならびに、少年司法の運営に関する国連最低基準規則(北京規則)、少年非行の防止のための国連指針(リャド・ガイドライン)、自由を奪われた少年の保護に関する国連規則(ハバナ規則)および刑事司法制度における子どもに関する行動についてのウィーン指針を含む少年司法分野のその他の国連基準と全面的に一致させる目的で、少年司法制度の運用を再検討するよう促す。とりわけ委員会は、締約国がとくに以下の措置をとるよう勧告する。
(a)子どもが刑事司法制度と接触することにつながる社会的条件を解消するために家族およびコミュニティの役割を支援することのような防止措置をとるとともに、その後のスティグマを回避するためにあらゆる可能な措置をとること。
(b)刑事責任〔刑事手続の適用〕に関する最低年齢との関連で法律を見直し、従前の16歳に引き上げることを検討すること。
(c)刑事責任年齢に達していない子どもが刑法犯として扱われまたは矯正施設に送られないこと、および、法に抵触した子どもが常に少年司法制度において対応され、専門裁判所以外の裁判所で成人として審理されないことを確保するとともに、このような趣旨で裁判員制度を見直すことを検討すること。
(d)現行の法律扶助制度の拡大等により、すべての子どもが手続のあらゆる段階で法的その他の援助を提供されることを確保すること。
(e)可能な場合には常に、保護観察、調停、地域奉仕命令または自由剥奪刑の執行停止のような、自由の剥奪に代わる措置を実施すること。
(f)(審判前および審判後の)自由の剥奪が最後の手段として、かつ可能なかぎり短い期間で適用されること、および、自由の剥奪がその中止の観点から定期的に再審査されることを確保すること。
(g)自由を奪われた子どもが、審判前勾留の時期も含め、成人とともに収容されず、かつ教育にアクセスできることを確保すること。
(i)〔(h)〕少年司法制度に関わるすべての専門家が関連の国際基準に関する研修を受けることを確保すること。

マイノリティまたは先住民族の集団に属する子ども
86.アイヌ民族の状況を改善するために締約国がとった措置には留意しながらも、委員会は、アイヌ、コリアン、部落その他のマイノリティの子どもが引き続き社会的および経済的周縁化を経験していることを懸念する。
87. 委員会は、締約国に対し、民族的マイノリティに属する子どもへの差別を生活のあらゆる分野で解消し、かつ、条約に基づいて提供されるすべてのサービスおよび援助に対し、このような子どもが平等にアクセスできることを確保するため、あらゆる必要な立法上その他の措置をとるよう促す。

9.フォローアップおよび普及

フォローアップ
88.委員会は、とくに、これらの勧告を高等〔最高〕裁判所、内閣および国会の構成員ならびに適用可能な場合には地方政府に送付して適切な検討およびさらなる行動を求めることにより、これらの勧告が全面的に実施されることを確保するためにあらゆる適切な措置をとるよう勧告する。

総括所見の普及
89.委員会はさらに、条約、その実施および監視に関する意識を促進する目的で、第3回定期報告書、締約国が提出した文書回答およびこの総括所見を、公衆一般、市民社会組織、メディア、若者グループ、専門家グループおよび子どもたちが、インターネット等も通じ、日本の言語で広く入手できるようにすることを勧告する。

次回報告書
90.委員会は、締約国に対し、第4回・第5回統合報告書を2016年5月21日までに提出するように求める。報告書は120ページを超えるべきではなく(CRC/C/118参照)、かつこの総括所見の実施に関する情報が記載されるべきである。
91.委員会はまた、締約国に対し、2006年6月の第5回人権条約機関委員会間会合で承認された統一報告ガイドライン(HRI/MC/2006/3)に掲げられた共通コア・ドキュメントについての要件にしたがい、最新のコア・ドキュメントを提出するよう求める。



【子どもの権利員会:総括所見:日本(子どもの売買、子ども買春および子どもポルノグラフィーに関する選択議定書)】

CRC/C/OPSC/JPN/CO/1
配布:一般
2010年6月11日
原文:英語(Wordファイル)
先行未編集版
【日本語仮訳:子どもの権利条約NGOレポート連絡会議】】(注:リンクは訳者による補足である。また、原文では勧告部分が太字になっているが、ここではパラグラフ番号のみを太字とした。)

子どもの権利委員会
第54会期
2010年5月25日〜6月11日

子どもの売買、子ども買春および子どもポルノグラフィーに関する子どもの権利条約の選択議定書第12条第1項に基づいて締約国が提出した報告書の検討

総括所見:日本

1.委員会は、2010年5月28日に開かれた第1513回会合(CRC/C/SR.1513参照)において日本の第1回報告書(CRC/C/OPSC/JPN/1)を検討し、2010年6月11日に開かれた第1541回会合において以下の総括所見を採択した。

2.委員会は、締約国の第1回報告書および事前質問事項(CRC/C/OPSC/JPN/Q/1/Add.1)に対する文書回答の提出を歓迎するとともに、部門を横断した代表団との建設的対話に謝意を表する。
3. 委員会は、締約国に対し、この総括所見は、2010年6月11日に採択された、条約に基づく締約国の第3回定期報告書についての総括所見(CRC/C/ JPN/CO/3)および武力紛争への子どもの関与に関する子どもの権利条約の選択議定書に基づく第1回報告書についての総括所見(CRC/C/OPAC/JPN/CO/1)とあわせて読まれるべきであることを想起するよう求める。

I.一般的所見

積極的側面
4.委員会は、以下の点に評価の意とともに留意する。
(a)インターネット上の出会い系サイトを通じた子どもの性的搾取と闘うため、2003年6月に出会い系サイト規制法が制定されたこと。
(b)人身取引被害者が退去強制の対象とされないことを確保するため、2005年6月に出入国管理及び難民認定法が改正されたこと。
(c)「人身取引対策行動計画2009」が策定されたこと。
(d)国連児童基金が推進する「旅行および観光における性的搾取から子どもを保護するための行動規範」(2005年)に旅行・観光業界の代表が署名したこと。

II.データ

データ収集
5.選択議定書違反を構成する行為に関連した検挙件数についての締約国の情報は認知しながらも、委員会は、子どもの売買、子ども買春および子どもポルノグラフィーの発生状況を被害児の人数の観点から明らかにしたデータ(年齢、性別、民族的集団および所在ごとに細分化されたもの)が存在しないこと、および、選択議定書が対象としている特定の分野に関する調査研究が行なわれていないことを懸念する。
6. 委員会は、締約国が、議定書が対象とする犯罪に関する調査研究を実施し、かつこれらの犯罪を登録する中央データベースを設けるとともに、このようなデータが体系的に収集され、かつとくに被害者の年齢、性別、民族的集団および所在ごとに細分化されることを確保するよう勧告する。このようなデータは政策の実施状況を測定するために必要不可欠な手段だからである。また、罪種別に細分化された、訴追および有罪判決の件数に関するデータも収集されるべきである。

III.実施に関する一般的措置

立法
7.委員会は、この分野における現行法の多さにも関わらず、国内法と選択議定書の規定との調和が限定されたままであり、かつ子どもの売買が具体的罪名に含まれていないことを懸念する。
8. 委員会は、締約国が、国内法を選択議定書と調和させるプロセスを引き続き進め、かつ完了させるよう勧告する。
9. 委員会は、締約国に対し、議定書に掲げられた子どもの売買に関する規定を十分に実施するためには、立法において子どもの売買(この概念は人身取引に似てはいるものの同一ではない)に関わる義務が充足されていなければならないことを想起するよう求める。

国家行動計画
10.2001年に「児童の商業的性的搾取に対する国内行動計画」が採択されたことおよび「人身取引対策行動計画」(2009年)が存在することには留意しながらも、委員会は、2つの行動計画の関係、その効果、および、これらの行動計画において選択議定書のすべての分野が対象とされているか否かに関する情報が存在しないことに留意する。
11. (a)委員会は、締約国が以下の措置をとるよう勧告する。
(i)選択議定書のあらゆる規定を考慮しながら、これらの行動計画の実施の調和を図り、かつすべての子どもの包括的保護を確保する目的で、これらの行動計画を見直し、かつ必要な場合には改訂すること。
(ii)子どもおよび市民社会を含む関係当事者と協議しながらこれらの行動計画を実施すること。
(iii)これらの行動計画を広く普及し、かつその実施状況を監視すること。
(b)これとの関連で、締約国は、それぞれ1996年、2001年および2008年にストックホルム、横浜およびリオデジャネイロで開催された第1回、第2回および第3回子どもの〔商業的〕性的搾取に反対する世界会議で採択された、宣言および行動アジェンダならびにグローバル・コミットメントを考慮に入れるよう促される。

調整および評価
12.委員会は、選択議定書の実施および関連の活動の調整を担当する機構が存在しないことに懸念を表明する。
13. 委員会は、締約国が、選択議定書の効果的実施および国と地方の公的機関間の調整の強化を確保するための十分な財源および人的資源を備えた調整機関を設置するよう勧告する。

普及および研修
14.委員会は、選択議定書の規定に関する意識啓発活動が不十分であることに、懸念とともに留意する。
15. 委員会は、締約国が以下の措置をとるよう勧告する。
(a)選択議定書の規定が、とくに学校カリキュラムおよびキャンペーンを含む長期的な意識啓発プログラムを通じ、とくに子ども、その家族およびコミュニティを対象として広く普及されることを確保すること。
(b)議定書第9条第2項にしたがい、議定書に掲げられた犯罪の有害な影響および被害者が利用可能な救済手段についての意識を、研修および教育キャンペーンを通じ、子どもを含む公衆の間で促進すること。
(c)選択議定書に関連する諸問題についての意識啓発活動および研修活動を支援するため、市民社会組織およびメディアとの協力を発展させること。
16.委員会は、法執行機関および矯正機関を除き、選択議定書に関する専門家の研修が不十分であることを懸念する。
17. 委員会は、締約国が、選択議定書が対象とする犯罪の被害を受けた子どもとともに活動するあらゆる専門家集団を対象とした、選択議定書の規定に関する体系的なかつジェンダーに配慮した教育および研修を強化するよう勧告する。

資源配分
18.委員会は、締約国報告書に、とくに犯罪捜査、法的援助ならびに被害者のための身体的および心理的回復措置との関係で、選択議定書を実施するための資源の配分に関する情報が記載されていないことを懸念する。
19. 委員会は、締約国に対し、調整、防止、促進、保護、ケア、捜査および選択議定書が対象とする行為の抑止のため、関連の公的機関および市民社会組織に対する十分な予算配分を確保するよう奨励する。そのための手段には、議定書の規定に関わるプログラムの実施、とくに犯罪捜査、法的援助ならびに被害者の身体的および心理的回復ならびに社会的再統合に使途を指定した上で人的資源および財源を配分することも含まれる。

独立の監視
20.委員会は、国レベルで選択議定書の実施を監視する独立機構が存在しないことに懸念を表明する。これとの関連で、委員会は、5つの自治体で子どもオンブズパーソンが任命されているという締約国の情報に留意するものである。しかしながら委員会は、これらのオンブズパーソンの権限および職務、その独立性および効果的活動を確保するために利用可能な財源その他の資源、ならびに、2002年の人権擁護法案に基づいて設置予定の人権委員会との関係のあり方の構想に関する情報が存在しないことを遺憾に思う。
21. 委員会は、締約国が以下の措置をとるよう勧告する。
(a)早期に人権擁護法案を通過させ、かつ国内機関の地位に関するパリ原則(国連総会決議48/134)にしたがった国家人権委員会を設置できるようにするとともに、同委員会に対し、条約の実施を監視し、苦情を受け付けてそのフォローアップを行ない、かつ子どもの権利の組織的侵害を調査する権限を与えること。
(b)次回の報告書において、子どもオンブズパーソンに与えられた権限、職務および資源についての情報を提供すること。
(c)独立した国内人権機関の役割に関する委員会の一般的意見2号(2002年)を考慮すること。
22.5つの自治体で子どもオンブズパーソンが任命されているという締約国の情報に評価の意とともに留意しながらも、委員会は、選択議定書の実施を監視する国の機構が存在しないこと、および、それ以外の自治体ではオンブズパーソンが活動していないことを懸念する。
23. 委員会は、締約国が、選択議定書の実施を監視するための国レベルの機構が国内機関の地位に関するパリ原則(国連総会決議48/134)にしたがって設置されること、および、現在オンブズパーソン事務所が活動していない自治体においてオンブズパーソンが任命されることを確保するよう勧告する。

市民社会
24.委員会は、選択議定書の実施に関わるあらゆる分野で、締約国による市民社会との協力および連携の水準が低いことを遺憾に思う。
25. 委員会は、締約国に対し、選択議定書が対象とするあらゆる事柄について市民社会との連携を強化するよう奨励する。そのための手段には、選択議定書違反の被害を受けた子どもに十分なサービスを提供しようとしている非政府組織を支援すること、および、政策およびサービスの発展および監視における非政府組織の役割を促進することなどが含まれる。

IV.子どもの売買、子ども買春および子どもポルノグラフィーの防止(第9条第1項および第2項)

選択議定書に掲げられた犯罪を防止するためにとられた措置
26.委員会は、子どもポルノグラフィーおよび子ども買春と闘うために締約国が行なっている努力を歓迎する。しかしながら委員会は、これらの犯罪が蔓延していることに鑑み、防止措置が依然として不十分であることを懸念するものである。さらに委員会は、選択議定書に掲げられた犯罪をともなう組織犯罪と闘うためにとられた措置についての詳しい情報が存在しないことに留意する。
27. 委員会は、締約国が以下の措置をとるよう奨励する。
(a)近隣諸国との連携および2国間協定等も通じ、子どもの売買、子ども買春および子どもポルノグラフィーを防止するための努力を強化すること。
(b)これらの犯罪を、とくに国境を越えて遂行することを容易にしている技術的進歩を考慮に入れながら、組織犯罪と闘うための行動計画の採択を検討すること。
(c)国連・国際組織犯罪防止条約(2000年)の批准を検討すること。
28.子どもポルノグラフィーの所持が必然的に子どもの性的搾取の帰結であることに鑑み、委員会は、児童買春・児童ポルノ禁止法第7条第2項において児童ポルノを「特定少数の者に提供する目的で」所持することが犯罪化されているとはいえ、子どもポルノグラフィーの所持が依然として合法であることに懸念を表明する。
29. 委員会は、締約国に対し、選択議定書第3条第1項(c)にしたがって子どもポルノグラフィーの所持を犯罪に含めるために法律を改正するよう、強く促す。

V.子どもの売買、子ども買春および子どもポルノグラフィーならびに関連する事項の禁止(第3条、第4条第2項および第3項、第5条、第6条および第7条)

現行刑事法令
30.委員会は、選択議定書に掲げられた犯罪が、選択議定書第2条および第3条にしたがって締約国の刑事法で全面的に網羅されていないこと、および、とくに子どもの売買の定義が定められていないことを懸念する。
31. 委員会は、締約国が、刑法を改正して選択議定書第2条および第3条と全面的に一致するようにするとともに、刑法が実際に執行されること、および、不処罰を防止するために加害者が裁判にかけることを確保するよう勧告する。とくに、締約国は以下の行為を犯罪化するべきである。
(a)性的搾取、営利目的の子どもの臓器移植もしくは強制労働に子どもを従事させることを目的として、いかなる手段によるかは問わず、子どもを提供し、引き渡しまたは受け取ること、または、養子縁組に関する適用可能な国際法文書に違反し、仲介者として不適切な形で子どもの養子縁組への同意を引き出すことによる、子どもの売買。
(b)子ども買春の目的で子どもを提供し、入手し、周旋しまたは供給すること。
(c)子どもポルノグラフィーを製造し、流通させ、配布し、輸入し、輸出し、提供し、販売しまたは所持すること。
(d)これらのいずれかの行為の未遂および共謀またはこれらのいずれかの行為への参加。
(e)これらのいずれかの行為を広告する資料の製造および配布。
32.委員会は、出会い系サイト規制法の目的は子ども買春を容易にする出会い系サイトの利用を根絶するところにあるとはいえ、他のタイプのウェブサイトが法律で同様の規制対象とされていないことを懸念する。
33. 委員会は、締約国が、あらゆるインターネット・サイトを通じた子ども買春の勧誘を禁止する目的で、出会い系サイト規制法を改正するよう勧告する。
34.委員会は、選択議定書に掲げられた犯罪のさまざまな要素に対応するための措置を歓迎しながらも、子ども買春の被害者が犯罪者として扱われる可能性があることを懸念する。
35. 委員会は、締約国が、法律を適切な形で改正することにより、選択議定書違反の被害者であるすべての子どもが犯罪者ではなく被害者として扱われることを確保するよう勧告する。

公訴時効
36.委員会は、刑事訴訟法において、選択議定書が対象とする犯罪の一部が短い時効期間の対象とされていることに、懸念とともに留意する。これらの犯罪の性質および被害者が申告をためらうことに鑑み、委員会は、刑事訴訟法で定められた時効期間のために不処罰が生じる可能性があることを懸念する。
37. 委員会は、締約国に対し、選択議定書に基づき犯罪を構成する行為についてすべての加害者が責任を問われることを確保する目的で、この規定の削除を検討し、またはこれに代えて時効期間の延長を検討するよう促す。

VI.被害を受けた子どもの権利の保護(第8条ならびに第9条第3項および第4項)

選択議定書で禁じられた犯罪の被害を受けた子どもの権利および利益を保護するためにとられた措置
刑事司法制度上の保護措置
38.委員会は、事情聴取のための別室が用意されていることおよび聴聞を非公開で行なえることを含め、刑事司法手続において子どもの被害者および証人の権利および利益を保護するためにとられている措置を歓迎する。しかしながら委員会は、選択議定書に基づく犯罪の被害者であって刑事手続で証人となる者が、刑事手続および司法手続全体を通じて十分な支援および援助を受けているわけではないことを懸念する。委員会はとくに、子どもが証言を要求される回数を制限するための公式な取り決めが不十分であること、および、口頭での証言に代えて録画による証言を使用することが刑事手続において認められていないことに、懸念を表明する。
39. 委員会は、締約国が以下の措置をとるよう勧告する。
(a)繰り返し証言するよう求められることによって子どもがさらなるトラウマを受けることがないようにするため、この分野の専門家と協議しながら、証人となる被害者の子どもに支援および援助を提供するための手続を緊急に見直すとともに、その目的のため、当該手続において口頭での証言ではなく録画による証言を活用することを検討すること。
(b)選択議定書第8条第1項および「子どもの犯罪被害者および証人が関わる事案における司法についての国連指針」(国連経済社会理事会決議2005/20)にしたがい、18歳未満のすべての子どもを対象として、被害を受けた子どもの権利および利益を保護するための措置を、刑事訴訟法改正等も通じて強化すること。
(c)裁判官、検察官、警察官、および子どもの証人とともに活動するその他の専門家が、刑事手続および司法手続のあらゆる段階における、子どもにやさしい、被害者および証人とのやりとりに関する研修を受けることを確保すること。

回復および再統合
40.委員会は、カウンセリング・サービスの提供など締約国がこの点に関してとってきた措置にも関わらず、選択議定書に基づく犯罪の被害者を対象とした身体的および心理的回復ならびに社会的再統合のための措置が依然として不十分であることを懸念する。
41. 委員会は、選択議定書第9条第3項にしたがい、とくに被害を受けた子どもに分野横断型の援助を提供することにより、かつ、適切な場合には被害者の出身国との連携および2国間協定を通じて身体的および心理的回復ならびに社会的再統合のための措置を強化するため、締約国が、使途指定による資源配分が行なわれることを確保するよう勧告する。

VII.国際的援助および協力

国際協力
42.委員会は、選択議定書で禁じられた性的その他の形態の搾取から子どもを保護することを目的とした多国間および2国間の活動およびプログラムに対し、締約国が財政的支援(バリ・プロセスへの支援および国際移住機関への財政援助を含む)を行なってきたことを称賛する。しかしながら委員会は、捜査ならびに刑事手続および犯罪人引渡手続との関係で締約国と他の関係諸国との間で結ばれている法的共助(手続のために必要な証拠の入手に関する援助を含む)についての取り決めが十分ではないことを懸念する。
43. 委員会は、締約国が、選択議定書の規定に反して搾取された子どもの権利に、とくに防止措置ならびに被害者の身体的および心理的回復ならびに社会的再統合を促進することによって対応する活動への財政的支援を継続するよう、勧告する。委員会はまた、締約国が、法的共助に関して定められている条約その他の取り決めにしたがい、締約国と他の国々との調整を強化するようにも勧告する。

VIII.フォローアップおよび普及

フォローアップ
44.委員会は、とくにこれらの勧告を関連の政府省庁、国会議員その他の関連の公的機関に送付して適切な検討およびさらなる行動を求めることにより、これらの勧告が全面的に実施されることを確保するためにあらゆる適切な措置をとるよう勧告する。

総括所見の普及
45.委員会は、選択議定書、その実施および監視に関する意識を喚起する目的で、報告書および締約国が提出した文書回答ならびに採択された関連の勧告(総括所見)を、公衆、市民社会組織、メディア、若者グループおよび専門家グループが広く入手できるようにすることを勧告する。さらに委員会は、締約国が、とくに学校カリキュラムおよび人権教育を通じ、選択議定書を子どもたちに周知させるよう勧告する。

IX.次回報告書

46.第12条第2項にしたがい、委員会は、締約国に対し、選択議定書の実施に関するさらなる情報を、子どもの権利条約に基づく第4回・第5回統合報告書(提出期限は2016年5月21日)に記載するよう要請する。




【子どもの権利員会:総括所見:日本(武力紛争への子どもの関与に関する選択議定書)】

CRC/C/OPAC/JPN/CO/3
配布:一般
2010年6月11日
原文:英語(Wordファイル)
先行未編集版
【日本語仮訳:子どもの権利条約NGOレポート連絡会議】(注:リンクは訳者による補足である。また、原文では勧告部分が太字になっているが、ここではパラグラフ番号のみを太字とした。)

子どもの権利委員会
第54会期
2010年5月25日〜6月11日

武力紛争への子どもの関与に関する子どもの権利条約の選択議定書第8条に基づいて締約国が提出した報告書の検討

総括所見:日本

1.委員会は、2010年5月28日に開かれた第1513回会合(CRC/C/SR.1513参照)において日本の第1回報告書(CRC/C/OPAC/JPN/1)を検討し、2010年6月11日に開かれた第1541回会合において以下の総括所見を採択した。

2.委員会は、締約国の第1回報告書および事前質問事項(CRC/C/OPAC/JPN/Q/1/Add.1)に対する文書回答の提出を歓迎するとともに、部門を横断した代表団との建設的対話に謝意を表する。
3.委員会は、締約国に対し、この総括所見は、2010年6月11日に採択された、条約に基づく締約国の第3回定期報告書についての総括所見(CRC/C/ JPN/CO/3)および子どもの売買、子ども買春および子どもポルノグラフィーに関する子どもの権利条約の選択議定書に基づく第1回報告書についての総括所見(CRC/C/OPSC/JPN/CO/1)とあわせて読まれるべきであることを想起するよう求める。

I.積極的側面

4.委員会は、子どもの権利、とくに武力紛争に関与しまたはその影響を受けている子どもの権利の分野で活動している国際機関に対する、締約国の財政的貢献を歓迎する。
5.委員会は、締約国がそれぞれ以下の文書に加入しまたはこれを批准したことを称賛する。
(a)1949年8月12日のジュネーヴ諸条約の国際的な武力紛争の犠牲者の保護に関する追加議定書(議定書I)(2004年8月31日)。
(b)1949年8月12日のジュネーヴ諸条約の非国際的な武力紛争の犠牲者の保護に関する追加議定書(議定書II)(2004年8月31日)。
(c)国際刑事裁判所ローマ規程(2007年7月17日)。

II.実施に関する一般的措置

普及および研修
6.人権法および国際人道法の普及をともなう行事が軍隊のために開催されている旨の締約国の情報には留意しながらも、委員会は、締約国が、定期研修の一環としてまたは国際平和維持軍に参加するための準備において、自衛隊を対象として選択議定書の原則および規定に関する研修を行なっていないことに、懸念とともに留意する。委員会はまた、徴募されまたは敵対行為において使用された可能性のある子どもとともに活動する専門家のうち一部の職種に属する者が十分な研修を受けていないこと、および、選択議定書に関する公衆一般の意識が低いことも懸念する。
7. 委員会は、選択議定書第6条第2項に照らし、締約国が以下の措置をとるよう勧告する。
(a)議定書の原則および規定が一般公衆および国の職員に対して広く周知されることを確保すること。
(b)軍の関係者全員が選択議定書の原則および規定に関する研修を受けることを確保すること。
(c)徴募されまたは敵対行為において使用された可能性のある子どもとともに活動するすべての関連の専門家集団、とくに教職員、医療従事者、ソーシャルワーカー、警察官、弁護士、裁判官およびジャーナリストを対象として、議定書の規定に関する意識啓発、教育および研修のための体系的プログラムを発展させること。

データ
8.委員会は、締約国が、子どもの難民(保護者がいるか否かを問わない)の人数、および、締約国の領域内にいるこのような子どものうち徴募されまたは敵対行為において使用された者の人数に関するデータを収集していないことを遺憾に思う。委員会はまた、自衛隊生徒の応募者の社会経済的背景に関する情報が存在しないことにも留意する。
9. 委員会は、締約国に対し、根本的原因を明らかにしかつ防止措置を整える目的で、締約国の領域内にいる子どものうち徴募されまたは敵対行為において使用された者を特定しかつ登録するための中央データシステムを設置するよう促す。委員会はまた、締約国が、そのような慣行の被害を受けた子どもの難民および庇護希望者に関する、年齢、ジェンダーおよび出身国ごとに細分化されたデータが利用可能とされることを確保するようにも勧告する。委員会は、締約国に対し、条約に基づく次回の定期報告書において、自衛隊生徒として採用された者の社会経済的背景に関する情報を提供するよう求める。

III.防止

人権教育および平和教育
10.委員会は、平和教育との関連も含め、あらゆる段階のあらゆる学校のカリキュラムで締約国が提供している具体的な人権教育についての詳しい情報が存在しないことに、懸念とともに留意する。
11. 委員会は、締約国が、すべての児童生徒を対象とする人権教育およびとくに平和教育の提供を確保するとともに、これらのテーマを子どもの教育に含めることについて教職員を研修するよう勧告する。

IV.禁止および関連の事項

立法
12.委員会は、選択議定書に違反する行為を訴追する目的で児童福祉法、戸籍法および労働基準法のような法律を活用できる場合があるという締約国の情報に留意する。委員会はまた、締約国から提供された、このような行為は刑法上のさまざまな罪名で告発できる旨の情報にも留意する。しかしながら委員会は、軍隊もしくは武装集団への子どもの徴募または敵対行為における子どもの使用を明示的に犯罪化した法律が存在せず、かつ敵対行為への直接参加の定義も存在しないことを、依然として懸念する。
13. 子どもの徴募および敵対行為における子どもの使用を防止するための国際的措置をさらに強化するため、委員会は、締約国に対し、以下の措置をとるよう促す。
(a)刑法を改正し、選択議定書に違反して子どもを軍隊または武装集団に徴募すること、および敵対行為において子どもを使用することを明示的に犯罪化する規定を含めること。
(b)軍のすべての規則、マニュアルその他の軍令が選択議定書の規定にしたがうことを確保すること。

裁判権
14.委員会は、締約国の法律に、選択議定書違反の行為に関する締約国の域外裁判権の推定について定めた規定が存在しないことに留意する。
15. 委員会は、選択議定書上の犯罪を構成する行為についての域外裁判権を確立するため、締約国が国内法を再検討するよう勧告する。

V.保護、回復および再統合

身体的および心理的回復のための援助
16.委員会は、国外で徴募されまたは敵対行為において使用された可能性がある子ども(子どもの難民および庇護希望者を含む)を特定するためにとられた措置が不十分であること、および、そのような子どもの身体的および心理的回復ならびに社会的再統合のための措置も不十分であることを遺憾に思う。
17. 委員会は、締約国が、とくに以下の措置をとることにより、日本にやってきた子どもの庇護希望者および難民のうち国外で徴募されまたは敵対行為において使用された可能性がある者に保護を提供するよう勧告する。
(a)子どもの難民および庇護希望者のうち徴募され、または敵対行為において使用された可能性がある者を、可能なかぎり早期に特定すること。
(b)このような子どもの状況のアセスメントを慎重に行なうとともに、選択議定書第6条第3項にしたがい、その身体的および心理的回復ならびに社会的再統合のための、子どもに配慮した学際的援助を提供すること。
(c)移民担当機関内に特別訓練を受けた職員が配置されることを確保するとともに、子どもの帰還に関わる意思決定プロセスにおいて子どもの最善の利益およびノン・ルフールマンの原則が第一次的に考慮されることを確保すること。これとの関連で、委員会は、締約国が、出身国外にあって保護者のいない子どもおよび養育者から分離された子どもの取扱いに関する委員会の一般的意見6号(2005年)、とくにパラ54〜60に留意するよう勧告する。

VI.フォローアップおよび普及

18.委員会は、締約国が、とくにこれらの勧告を、防衛省をはじめとする関連の政府省庁、国会議員その他の関連の公的機関に送付して適切な検討およびさらなる行動を求めることにより、これらの勧告が全面的に実施されることを確保するためにあらゆる適切な措置をとるよう勧告する。
19.委員会は、選択議定書、その実施および監視に関する意識を促進する目的で、締約国が提出した第1回報告書および委員会が採択した総括所見を、公衆一般およびとくに子どもたちが広く入手できるようにすることを勧告する。

VII.次回報告書

20.第8条第2項にしたがい、委員会は、締約国に対し、選択議定書およびこの総括所見の実施に関するさらなる情報を、条約第44条にしたがい、子どもの権利条約に基づく第4回・第5回統合報告書(提出期限は2016年5月21日)に記載するよう要請する。


 
CMSならドリーマASP