日弁連・理事会とは何をするのでしょうか?(10)

日弁連・理事会とは、何をするのでしょうか?(10)

多重債務対策本部法テラスなどは、
理事会で、何を報告し、議論しているのか?



第10回日弁連・理事会報告
(2010年1月21日・22日,於弁護士会館1701号)


● 第1日目 2010年(平成22年)1月21日(木)午前10時15分〜

【1 常務理事会報告】(午前10時15分〜45分)

【2 会長挨拶】
 1月19日には最後の地区別懇談会が新潟で開かれた。新潟会の皆さんには大変お世話になりました。
 予算案が国会で審議される。補正予算で法テラスに25億円,本予算で扶助予算50億円の増額で総額310億円の予定。1月からの生活保護受給者の償還猶予・免除措置とあわせ,今後どのような支出が可能か現在検討中。厳しい予算査定の中で、法テラス予算のみ突出するだけに,法テラスに注目が集まるし,スタッフ弁護士の事件処理数の問題,組織構成員が弁護士主体の問題など事業仕分けにかけられる可能性も考慮して運営していく必要あり。国選報酬は,念願のコピー代実費が原則200枚以上について1枚あたり20円から40円まで増額される。一方,文科省の法科大学院予算も分析が必要。
 資料15−8は法務省提出予定法案だが,その順番が重要であり,4番の公訴時効延長・撤廃問題,5番の夫婦別姓選択法案あたりでどうなるか。
 日弁連の少年刑事財政基金等が危機的状況。その他援助基金も含め最大で総額8億5000万円からの不足が次年度以降生じる見込み。その他,法曹養成の目標3000人が未達になることは確実。今後の問題重要。他に最高裁判所の中川裁判官の後任に東弁の須藤正彦弁護士が着任(資料12−10−2)。

【3 報告事項1 会務報告の件】
荒 中(あらただし)副会長(仙台)(資料12の10)
司法支援や高齢者問題,スタッフワーキングなどを担当。会長が全て話しているが触れなかったことについて。法テラスの情報提供業務は認知度が高まり,センター/地方あわせて50万件から70万件に増加している。コールセンターも仙台に移転する。被疑者国選も順調で,予定より件数は下回っているが1日あたり192件平均となっている。なお,国選のコピー代増額について,1枚目から実費40円まで出してもらえる例外事件は,一部否認が含まれる事件,公判前整理事件,記録が2000枚を超える事件などであり,十分伝えて欲しい。民事扶助も生活保護受給者の実質給付制に移行した上,さらに準生活保護者の問題を交渉中。ほか,高齢者対策本部でモデル事業検討中など。

【4 法的サービス企画推進センター本部会議】
小林優公副会長(群馬),出井直樹事務局長,飯田隆副本部長,藤原靖夫研修・業務支援室嘱託
1 新62期弁護士登録状況(本部資料47)
2回試験合格者1992名中,任官99名,任検67名,弁護士1732名が確定(なお,弁護士中,組織内弁護士39名,即独弁護士45名と推計)。現状での弁護士未登録者数は94名。
2 現62期弁護士登録状況
2回試験合格者354名中,任官7名,任検11名,弁護士321名(弁護士中組織内弁護士11名,即独弁護士10名と推計)。現状での弁護士未登録者数は15名。
3 組織内弁護士の促進(本部資料48)
組織内弁護士の増え方が2008年は105名だったのに対し、2009年は65名の状態。経済的不況が反映した可能性がある。なお,資料には現役企業内弁護士に対するアンケート結果と分析が掲載されている。報酬としては全年代で1000万円〜1500万円が一番多く,新人は500万〜1000万,15年以上のベテランは3000万〜4000万が多い。
 鈴木克昌理事(群馬)から,63期修習生の就職支援の進め方のプランはという質問(およそ2200名が見込まれ各単位会でのサポートが重要,求人の状況は昨年以上に厳しい見込み,4月に全国担当者会議・5月に意見交換会予定),山下哲夫理事(広島)から,就職を支援する方法の一つとして,即独弁護士に対するサポートチームを結成したとの報告,半田 稔理事(山形)から,雇用のためのマニュアルを作成して欲しいとの要望(改訂作業を進めている),小出重義理事(埼玉)から,即独・早期独立に力を入れても限界がある,基本的に適正な需給バランスにすることが重要との意見,森 雅美 理事(鹿児島)から,企業内弁護士の公益活動・刑事弁護への参加確保のために採用企業から念書をもらうという方法をとったが,他ではどうやっているのか,との質問(検討中。実際のところ,大半は従事している)など。
  
★一言コメント:〆鯒登録の新・現62期の就職状況は,未登録が100名程度となり,数百名の未登録者が出るのではないかとの悲観的予測は幸いにはずれました。就職状況は東京三会と大阪の割合が若干減少し,地方への登録が増加傾向です。なお,即独が生じた会は20会とのこと。
          企業内弁護士は,年間100名程度の採用があり,昨年9月現在全国で約350名の勢力ですが,経済情勢の悪化からやや伸びが鈍っています。数の増加から小規模会でも職務専念義務と会の公益活動のあり方が議論されています。企業内弁護士に対するアンケート結果では国選登録数25%,委員会所属率61%との結果が報告されています。

【5 日弁連中小企業法律支援センター本部会議】
小林優公副会長(群馬),飯田隆副本部長, 吉岡毅事務局長,出井直樹事務局委員,藤原靖夫研修・業務支援室嘱託
1 当センターのコールセンターのトライアル(神奈川・愛知)(資料1)
2月1日から2月12日まで,神奈川県及び愛知県にてコールセンターの試行を行なう。
2 3月18日の記念式典(資料2)
3月18日には,記念式典を行い,中小企業庁長官はじめ,国会議員らからも集まってもらい,中小企業支援の取り組みの出発を確認したい。
 各理事の意見が多数出た。
 半田 稔 理事(山形)からは,コールセンターを受け入れる予定はないとの報告(全国一斉の取り組みなので何とか調整して欲しい),森泉邦夫理事(長野)からは,担当弁護士からの連絡は地元の弁護士からは反対を受けている,弁護士の連絡に会社側が驚いてしまうとの意見多数であった,その点の対応策についての質問(対応を十分に検討し問題が起きないようにしたい),これに関連して,高崎 暢 理事(札幌)からの,弁護士が電話し中小企業に出かけて相談するという方式を変えるのかという質問(必ずしも相談場所を中小企業でやる必要は無い),藤井茂久理事(奈良)からの〜換饕碓眠颪亮け入れ状況(ほぼ全国受け入れ),¬砧疏蠱夢間中における相談で扶助要件を満たす場合の対応についての質問(個人事業主で扶助要件があれば可能),月山純典理事(和歌山)からの,広報が大事であるからフィードバックして欲しいとの意見,小出重義理事(埼玉)から,弁護士から電話するのは単位会にその判断を任せたらどうかとの意見,黛千恵子理事(福井)からの,福井も諸手をあげて賛成というわけではないが,不況時代に弁護士へのアクセスの方法としてのコールセンターだろうから,弁護士会全体で取り組んだらどうかとの意見など。

★一言コメント:「中小企業の当番弁護士制度」,岐阜では着々と準備を進めていますが,需要が不透明なこと,弁護士からコールバックすることに対する抵抗から,いくつかの会では消極論も根強いようです。業務対策的発想だけでなく中小企業の権利擁護の観点から前向きに考えるべきでしょう。

【6 審議事項9 受刑者移送条約に関する人権救済申立事件勧告書案の件】
藤本 明副会長(札幌)・行田博文副会長(高知)(資料41の4)
 説明協力者=小川淳人権擁護委員会第3部会部会長(愛知県),田鎖麻衣子同受刑者移送条約に関する人権救済申立事件委員長(第二東京)
前橋刑務所が2005年11月1日から2007年11月20日まで大韓民国国籍の受刑者に対し,受刑者移送条約の内容を告知する義務を怠ったため,告知権の侵害として,人権救済申立事案について勧告を行うもの。承認。
 鈴木克昌理事(群馬)から|碓眠颪侶于瓩呂いん(日弁連への直接申立で単位会は経由していない),他国籍者についてはどうか(韓国籍の者についてのみ)との質問,小出重義理事(埼玉)から,国賠訴訟を考えていないのか(考えていない)との質問,吉峯康博理事(東弁)から,受刑者移送条約の内容や対象者の情報についてはどこで確認できるのか(外務省のホームページなど)などの質問あり。
    
★一言コメント:受刑者の社会復帰を促進するため,裁量的本籍国移送を定めた条約の締約国に2005年に韓国が加わったにもかかわらず,前橋刑務所が該当者に移送に関する告知をしなかった問題です(法務省の締約国国民の受刑者に告知すべしとの通達にも違反)。申立人は在日でしたが,そうでない韓国籍受刑者にも通知しておらず,日弁連の刑務所に対する調査があったにもかかわらず全ての韓国籍受刑者に告知が2年遅れたという大きな怠慢に対する勧告書です。移送は国の裁量ですが,実情は申立した者の78%が移送されているとのこと。

−昼食−

【7 経理委員会】(17階1705会議室)
【8 小規模弁護士会協議会】(16会来賓室)

【9 報告事項5 第24回司法シンポジウムの主題,日時及び開催地の件】
塚本 侃 副会長(熊本)(資料17の1の4の2)

【10 要請事項1 第24回司法シンポジウムへの協力の件】
塚本 侃 副会長(熊本)(資料17の1の5)
説明協力者=岩井重一第24回司法シンポジウム運営委員長(東京),明賀英樹同事務局長(大阪)
1 メインテーマ 「司法による市民の権利確立を目指して〜担い手としての法曹の強化〜」
サブテーマ   嵳用しやすく頼りがいのある民事司法制度を目指して」
        ◆ 峇盈叔い擦虜枸鵡埓・公金の無駄遣い根絶,行政分野の実効的救済を目指して」
         「新しい法曹養成制度の現状と課題」
2 アンケート 司法シンポに向けた取り組みについて,各会から回答を寄せて欲しい。

【11 審議事項6 文書提出命令及び当事者照会制度改正に関する民事訴訟法改正要綱中間試案の件】
畑 守人 副会長(大阪)(資料26の3)
説明協力者=今井和男民 事裁判手続に関する委員会委員長(東京),出井直樹 同副委員長(第二東京)
表記制度の改正意見。〔荏複横横鮎鬚砲いて,自己利用文書除外の削除,刑事事件関係文書除外の削除,個人の私生活上の重大な秘密記載文書除外の削除,弁護士と依頼者の協議文書除外の削除,利益文書,法律関係文書の削除の各提案,¬荏複横横仮鬚砲ける文書特定のための「著しく」削除,応じない場合の概括的特定のままの提出命令,H詭保持命令の新設,ぬ荏複隠僑馨鬚療事者照会制度に(現馥団蠅両伐饂項,∧現饉未靴料付要求制度,裁判所の回答督促,て賃イ鳳じない場合の命令・過料制度など。
 村井豊明理事(京都)から,今後シンポや学習会に使用していいのかという質問(了解),吉峯康博理事(東弁)から,アメリカとの制度の関連性は(明示的には論じていないが,アメリカのディスカバリーは争点整理で行なわれ進んでいる)との質問や,もっとアメリカを参考に使いやすい制度を導入すべき(証言録取=デポジションなども今後検討する予定)との意見。
   
★一言コメント:昨年8月に単位会照会があり,一部意見が分かれ未確定部分があるようですが,この段階で学者・法務省等と意見交換をするものです。ご存知のように,過払い事件以外には地裁の事件数は増えておらず,その大きな原因に文提・当事者照会の使い勝手が悪いことが指摘されていますが,これに立法提言をしようとするものです。

【12 報告事項 司法試験「年3000人合格目標」見直し報道に関しての件】
椛嶋裕之事務次長(東京)(資料12の10の3) 
新聞記事等で「3000人見直し」報道がなされたが,関係機関に確認したところ,1月12日の法務大臣定例記者会見でのやり取りでも「見直しは決めていない,考えていない」と回答しており,誤報である。法務省,文科省で論点を整理し,あらためて方針については別の場で検討予定。
 小出重義理事(埼玉)から,検討委員会に委員を送るのであれば適任者を推薦したいとの要望。

【13 審議事項4 子どもの権利条約に基づく第3回日本政府報告及び武力紛争における子ども・子ども売買各選択議定書第1回日本政府報告に関する日本弁護士連合会報告書(追加情報)案の件】
足立勇人副会長(茨城)(資料21の4の2)
子どもの権利条約のカウンターレポートは,昨年7月に承認をいただいて,国連の審査委員会に提出した。その後,半年経過すると,勧告等のファローアップを行なうことになるので,このレポートを提出する。なかでも,入管における子どもの収容の増加,不法上陸者への特別在留許可なし・送還などが問題。
 吉峯康博理事(東弁)から,少年冤罪防止プレゼンテーションも是非して欲しいとの意見。
    
★一言コメント:最高裁での結論が出る前に退去強制が行われていること等に警鐘を鳴らすものです。

【14 意見交換2 外国法事務弁護士が社員となる法人における懲戒制度等のあり方の件】
川崎達也副会長(二弁)(資料51の3〜3の2(再配付))
外弁法人の最後の取りまとめに入っており,細かい議論が続いている。純粋外弁法人と混合法人の指導監督のあり方を議論して欲しい。各会からの意見として意見なしはやめて欲しい。単位会が懲戒権を持つとする意見は,二弁,山梨,千葉,広島など。日弁連のみとするのが兵庫など。
 我妻 崇 理事(仙台)から,純粋外弁法人は日弁連とし混合法人は双方がもつとする意見で,双方がもつ状態を少なくする方が良いとの意見,山下哲夫理事(広島)から,懲戒手続は日本語でやり取りするのかとの質問(川崎達也副会長(二弁)からそうなるとの回答があったが,我妻 崇 理事(仙台)からメールの調査など英語能力必要との指摘),金子武嗣理事(大阪)から,懲戒手続中に帰ってしまう可能性がある,過去の懲戒事例を示してもらいたいとの要望(17例あり。途中帰国もある。概要は後に資料で示したい)など。

【15 報告事項11 平成22年秋の叙勲候補者の推薦に関する件】
伊東 卓 事務次長(二弁)(資料68の2)
推薦基準の説明。22年11月3日で70歳以上,日弁連役員などの功績,22年6月末で法曹在職通算30年以上などの要件が必要。
 高崎 暢 理事(札幌)から,制度そのものの議論は別として,その分野でふさわしい人が選ばれているのか,基準としては何が問題なのか(基本的には数が多いのが問題)という質問,武井共夫理事(横浜)から,日弁連の推薦なら司法制度や弁護士制度に貢献した人であるべきとの意見,小出重義理事(埼玉)から叙勲は辞退すべきとの意見,月山純典理事(和歌山)から,叙勲の順位などについて他に漏れるおそれは無いかとの質問(ない)など。

【16 審議事項10 「消費者基本計画」についての意見書案の件】
藤本 明 副会長(札幌)(資料44の10,資料44の10の1の2)
説明協力者=坂 勇一郎 消費者問題対策委員会副委員長(第二東京)
消費者基本計画について,過去に提出した意見に加え,新規にいくつかの意見を追加。新規意見としては,‐暖饉堋と消費者委員会が中心となって基本計画をつくる,⊂暖饉垓軌蕕寮賁臧署を設置し文科省と連携すべき,食品安全について特定保険用食品の審査を厳格にし,事故被害救済制度やリコール制度を設ける,そ斬襍築の完成保証会社の法規制を設け,代金と施工程度が均衡する法整備を,リフォーム業者を建設業許可の対象に,ザ睛札機璽咼垢砲弔い憧誘電話拒否登録制度を設け,投資者保護基金の対象に損害賠償債権を含める,β申添通海砲弔い動稻ー益の自主返還を働きかけることや機関保証を充実し第三者保証の廃止を含めた規制強化をすべき,電子商取引についてインターネット上の消費者保護の仕組みや法制度の整備など。
 山下哲夫理事(広島)から,違法収益の自主返還の項目が出てきた経緯についての質問(突然ではなく,過払い金請求の流れのなかで違うアプローチを模索),村井豊明理事(京都)から,金融商品取引の判例をふまえて緊急に整備することを申し入れて欲しいとの要望など。

【17 審議事項1 平成22年度代議員会の開催及び議案に関する件】
丸島俊介事務総長
 (1)日時 平成22年3月12日(金)午後1時
 (2)場所 弁護士会館2階講堂「クレオ」
 (3)会議の目的たる事項
  1)平成22年度代議員会議長及び副議長選任の件
  2)平成22年度日本弁護士連合会副会長,理事及び監事選任の件
  3)平成22年度・同23年度選挙管理委員会委員選任の件

【18 審議事項2 現・新理事等合同協議会の開催に関する件】
丸島俊介事務総長
 (1)日時 平成22年3月19日(金)
      午後1時〜午後5時(終了後懇親会)
 (2)場所 弁護士会館2階講堂「クレオ」
上記審議事項1及び2についていずれも承認。

【19 審議事項7 税理士法改正に関する意見書案の件】
畑 守人 副会長(大阪)(資料28の2)
 説明協力者=能瀬敏文 日弁連税制委員会副委員長(大阪)
税理士法51条の通知制度「弁護士は所属弁護士会を経て国税局長に通知することにより税理士業務を行うことができる」により,弁護士法3条2項「弁護士は当然税理士の事務を行うことができる」による弁護士業務が税務範囲で狭められる結果となっており,この条文の削除を要求し,整合性をもたせる条文として同法52条を「税理士若しくは税理士法人でない者は,この法律または他の法律に別段の定めがない限り,税理士業務を行なってはならない」と改正することを求める意見書。承認。
   
★一言コメント:政治的情勢としては,弁護士が当然税理士業務を行えるとの弁護士法の規定を修正すべしとの意見が税理士会から出されていることにも留意せねばなりません。他方,当然の資格を主張するためには税法に関する義務研修も検討課題となりましょう。すでに公認会計士は義務化しているとのこと。

【20 審議事項8 「日弁連ひまわり基金」支出に関する規則中一部改正の件】
細井土夫副会長(愛知)(資料33の5の3)
日弁連ひまわり基金の条文の改正案。承認。

【21 報告事項4 「凶悪・重大犯罪の公訴時効の在り方等について(意見募集)」に対する意見書の件】
細井土夫副会長(愛知)(資料19の2の3)
公訴時効の見直しの必要性,妥当性が無いことの意見書を1月17日までの期限だったので提出。
 鈴木克昌理事(群馬)から,群馬としてもパブコメを出している,DNAの特定は問題で批判すべきとの意見など(公訴時効の停止制度も検討されている状況について補足)。 
   
★一言コメント:法制審では,一部犯罪につき廃止の可能性が高いようです(その後,1月28日に人を死亡させた罪につき法定刑に死刑が含まれる犯罪は廃止等との骨子が示されました)。かつ,実体法でなく手続法だからとの理由で,時効完成前の事件についても遡及適用の可能性が示されています(骨子では遡及あり)。前回改正の重大事案の時効期間の延長の検証も全くなされないままに,「被害者の声」を錦の御旗にして進められる今回の議論は,いかにも性急です。しかし,法制審では推進派で固められた学者の声が大きく,慎重派は日弁連推薦の委員のみといった状況。委員の選任が法務省に握られて固定化していることが根本にあり,今回の理事会では併せて刑事法制審議会委員等の選任を幅広く行うことを求める意見書が承認されましたが,一本の意見書では官僚の支配の構造は簡単には代わりそうもありません。

【22 報告事項7 討議資料「刑事訴訟実務の基礎」の到達目標案(最終案)の件】
武井康年副会長(広島)・塚本 侃 副会長(熊本)(資料34の2の4)
法科大学院における到達目標としての「刑事訴訟実務の基礎」を最終案として公表。
 鈴木克昌理事(群馬)から,裁判員裁判の場合は事件の把握と訴え方が重要との意見,山根祥利理事(東弁)から,大学院の授業のあり方も変わってくるので今の点も含めて議論してもらいたいとの要望。

【23 報告事項8 住宅紛争審査会における評価住宅及び保険付き住宅並びに住宅リフォームに係る相談業務に関する体制整備の件】
川崎達也副会長(二弁)(資料38の2の4)
財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センターから,住宅の品質確保の促進等に関する法律の評価住宅及び特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律の保険住宅,さらには住宅リフォームなどについて,専門家相談を実施する準備を始め,これを全国の弁護士会に委託する方式で実施する見込みとなった。仙台,福島,兵庫,福岡,静岡の各会で法律相談のパイロット事業を実施している。
 和田光弘理事(新潟)から,これまでの住宅紛争審査会のあっせん業務においても実績が無いまま補助金が交付されており,今後の見込みはどの程度なのか(国土交通省の試算で2500件ほどの見込み),パイロット事業での相談件数の実績はどうなっているのか(翌日の回答で5件程度)との質問。
    
★一言コメント:国交省は4月からのスタートと全国で2750件(うちリフォーム750件)程度の相談数を見込んでいます。相談料は一件につき3万円が予算化されています。相談業務拡充に伴い単位会の規則も改正が必要となります。

【24 報告事項9 大韓弁護士協会から戦争被害者の救済に関する協力要請の件】
藤本 明 副会長(札幌)・行田博文副会長(高知)(資料42の12)
戦争被害に関する大韓弁護士協会から日弁連への協力要請。日弁連として過去の意見等をふまえて対処する。

● 第2日目 2010年(平成22年)1月22日(金)午前10時00分〜

【1 多重債務対策本部
藤本 明 副会長(札幌) 新里宏二事務局長
1 改正貸金業法完全施行に向けた情勢 
金融庁貸金業制度に関するプロジェクトチームの動き,多重債務問題対策議員連盟の動き,弁護士会の会長声明採択の動き,地方自治体の意見書採択状況,「改正貸金業法の早期間全施行を求める緊急集会」報告と今後の取り組みの概況報告。
2 「債務整理事件処理に関する指針」についての実態調査 
191件の情報提供を受けている。対象事務所は21事務所。そのうち,17件は面談の無いままの事務処理となっている。協力弁護士,アルバイト弁護士の勧誘による脱法的行為も見られている。債務整理指針の格上げも検討。
 山下哲夫理事(広島)から,実績報告が少なくがっかりしている,過払い金の和解50%を常に行なう弁護士は問題だと思うし,懲戒対象にしても良いはずとの意見(指導すべき案件。そのケースは情報としてあげてほしい),原 章夫 理事(長崎)から,長崎の空港で東京の弁護士がサラ金の依頼者に面談している報告が来ている,空港ロビーの面談自体が問題だし,各地でも行なわれている可能性があるとの報告,我妻 崇 理事(仙台)から,指針での処分は問題と言ってきたがきちんとして会規で定めて処分したらどうか,との意見,鈴木克昌理事(群馬)から,協力弁護士のパンフが勤務弁護士のところへ来ている,東京の弁護士のチラシが各家庭にポスティングされているとの報告,小出重義理事(埼玉)から,まともな弁護士に対して被害が及ぶ,弁護士法31条での監督も必要との意見,永井哲男理事(釧路)から,弁護士会によるきちんとした指導をすべきだし,委員会レベルで指導情報を共有して発信すべきとの意見,玉城辰彦理事(沖縄)からは,地元弁護士会で法律相談の広告を行なっているとの報告など。
東京の事務所の指導に関連して,山岸憲司副会長(東弁)からは,東弁としても事実に対して検討をしているとの報告,水口洋介理事(二弁)からは,きちんとアンテナを張って会立件も考えていきたいとの意見,川崎達也副会長(二弁)から,二弁としても全国からの情報提供について対応し,会に呼び出し事情聴取のうえ是正勧告を行っているとの報告など。
   
一言コメント:業界が抵抗する総量規制等改正貸金業法の見直しPTのヒアリングが1月中に終わり,結論が3月にも出されそうです。完全施行を実施し,二度と構造的な多重債務者を出さないためには,借りられない層の対策が重要です。この間中小企業に対する金融機関対策や,社協の福祉資金の運用にいくつか改善がなされました。社協の貸付については,昨年7月の厚労省次官通達により生活福祉資金が雇用対策,生活保護等と並ぶセーフティネット施策の一つとして位置づけられ,保証人要件が緩和され(なしの場合には利率若干増),緊急小口資金が各県に常置の制度に拡充され,一時生活再建費の新設により,法テラスの枠を超える再建資金として弁護士費用や予納金に対応できる途ができたこと等の改善がなされました。また,職探しに運転免許はほぼ必須といえましょうが,原稿の生活保護の運用では「技能修得費」は就職が内定し,かつ内定先で免許が必須でない限り支給されません。これでは職探しすらできない状況を打破するために,岐阜では生活福祉資金の「技能修得費」によって運転免許習得費用(自動車学校)の貸付を申請し、生活保護受給中に借入が認められたという注目すべき成果が報告されています。さて問題の過払いあさりに対する対応ですが,昨年出された多重債務指針(ガイドライン)実効的に改正する必要があるでしょう。この問題は,まだ100万人近くは残っている多重債務者に,まっとうな整理窓口をしっかり提供するかを抜きに考えるわけにはゆきません。残念ながら,弁護士へのアクセスの容易さという点では,弁護士会は過払回収に特化した事務所に大きく水をあけられています。片や一時間に何回も流されるテレビCMを見て電話をかければ,費用は完全後払いで回収金が振り込まれるのを待つだけ。他方は,なんとか電話帳の片隅の案内を見つけだして,平日を半日つぶして相談をして,その上着手金の心配をする必要がある。ここだけ見れば完全に勝負あった!です。弁護士会の広報をさらに充実し,行政窓口との連携を質量ともに強化しなければなりません。岐阜は比較的この連携が進んでいますが,相談数は横ばいです。行政の持つ住民との接点をもっと生かす工夫が必要です。また,テレビCMについては中弁連管内で連携して安上がりに各会がCMを打てないか検討をしようというアイディアがあります。他の弁連で使用したコンテンツを借りれば制作費はほとんどかからず比較的安上がりとなります。難しい問題があるのは承知ですが,過払いあさりに対する各種苦情が弁護士会の活動の各分野での障害となりつつあり,弁護士の過剰なCMに対する規正も考える必要があるでしょう。


【2 審議事項5 子ども手当等の子どもに関する経済的給付についての意見書案の件】
足立勇人副会長(茨城)(資料21の10)
 説明協力者=掛川亜季 子どもの権利委員会子どもの福祉小委員会委員長(東京)
政府が検討中の子ども手当が,子ども自身のために使われることを明記し,実質的に子どもが利益を受けられるよう慎重な制度設計が必要,さらには児童養護施設や里親家庭などでも子どもが利益を受けられるようにするとともに,配偶者暴力の被害により世帯主以外が監護する子ども達にも給付漏れがないようにすべき,との意見書。承認。

【3 審議事項12 多数の人物・家屋等を映し出すインターネット上の地図検索システムに関する意見書案の件】
塚本 侃 副会長(熊本)(資料56の4)
多数の人物・家屋等を映し出すインターネット上の地図検索システム(グーグル社のストリートビュー・ロケーションビュー社のロケーションビュー・NTTレゾナントのウォークスルーなど)について,プライバシー影響評価手続を行うまでは現行地域の拡大を控え,個人情報保護法においてもプライバシー侵害のおそれのある行為については第三者機関により審査できる仕組みにすべきとの意見書。修文を一任のうえ承認。
和田光弘理事(新潟)から,新潟でも昨年の会長声明に続き,同様の意見書を出したところで,意見の趣旨としては当該自治体の同意をとるよう求める点で違いはある,この意見書では従前のストリートビューをそのまま容認しかねない点があり,意見の趣旨に「現行の実施にも問題がある」を加えて欲しいとの要望(修文を一任してもらい,その点を加えたい),我妻 崇 理事(仙台)からは,人権大会のとりまとめではインターネット上の表現の自由に対する対応としては抑制的にすべきで,その判断は裁判所に委ねるとしたと思われるが整合性の点はどうかとの質問(第三者評価という点で,データコミッショナーが無い国は日本と米国で,この意見書はそういう制度の整備を求めるもの。第三者機関の事前の行政指導も考慮している。)など。

【4 審議事項13 情報保全の在り方に関する有識者会議の透明化についての要望書案の件】
塚本 侃 副会長(熊本)(資料56の6)
情報保全のあり方に関する有識者会議の運営方法について,詳細を国民が把握できるよう議事録作成,公開を検討するよう要望するもの。承認。

【5 報告事項10 外務省の「密約問題」調査に関する意見書の件】
塚本 侃 副会長(熊本)(資料56の5)
説明協力者=三宅弘 情報問題対策委員会委員長(二弁),武藤糾明 同副委員長(福岡県)
外務省の「密約」問題有識者委員会の調査報告書に,これに関する行政文書の管理状況や廃棄の理由,情報公開の体制整備,30年経過の外交文書公開制度などを要望した意見書執行。

【6 審議事項10 自由権規約委員会総括所見に対する日本政府コメントに関する意見案の件】
行田博文副会長(高知)・細井土夫副会長(愛知)(資料52の1の5)
説明協力者=海渡雄一 刑事拘禁制度改革実現本部事務局長兼国際人権(自由権)規約問題ワーキンググループ副座長(二弁) 
2009年12月に国連規約人権委員会に提出された政府コメント(委員会の勧告に対する1年以内のフォローアップレポート)に対して日弁連の意見を取りまとめた意見書。政権交代を契機に検討を続けていたもの。人権救済機関の設立,死刑制度の改善,代用監獄と刑事弁護の改革,取調べと捜査のあり方,独居拘禁の問題など。
 小出重義理事(埼玉)から,取調べの時間規制について身柄不拘束の原則を前提に制限することを強調すべき,また人権規約の勉強会は,最高裁も含め法務省を巻き込み,法曹三者で実行すべきとの意見,吉峯康博理事(東弁)から,‖緲儡胴廃止の点で少年の除外問題について言及が無い,足利事件の例からしても取調べ時間を一日5時間に規制すべきで内部規則では不十分,もっと強く書いて欲しいとの要望,我妻 崇 理事(仙台)から代用監獄廃止と留置施設の運用状況の整合性についての意見など。
   
★一言コメント:国連自由権規約委員会の所見に対して,従来政府は一貫してゼロ回答でしたが,政権交代後の今回は,人権救済機関や個人通報制度の設置を重要な課題としている評価できる点が見られます。他方,死刑と代用監獄廃止は進展が見られません。取り調べの可視化は検討中であって評価するとなっています。なお,中井国家公安委員長の元で可視化問題勉強会が始められますが,日弁連は勉強中の存在を制度化の先送りの理由にしない点を留保して参加することになりました。

【7 審議事項3 法制審議会刑事法関連部会の委員・幹事の選任等の在り方に関する意見書案の件】
細井土夫副会長(愛知)(資料19の14)
説明協力者=神 洋明 刑事法制委員会委員長(一弁)
刑事法学者の委員・幹事選任について固定された学者枠だけでなく,精通した学者その他有識者等の人材確保を行ない,議事録公開などの要望を求める意見書。修文一任の上承認。
 三木正俊理事(札幌)から,審議会全体のあり方という総論の問題であって,大きな議論から出発すべきで政権への影響もある,広い視野からの言い方が適切ではないか,との意見,吉峯康博理事(東弁)からのマスコミへの流布についての要望など。

【8 吉成 務 理事(徳島)特別発言】
四国は人口400万人で四国産地の北側に人口の80%が集中。本庁4に支部が11の地域。弁護士人口も280人から400人にまで増加。支部地域でも40人から70人に増加している。問題となっているのは支部の裁判所としてのあり方。裁判所としての機能を果たしていない。支部長自体が55期生という若さで司法行政すら行い,支部赴任後の瑞々しさを失い,3ヶ月も経つと和解勧告を威圧的に行なう傾向がある。若手の弁護士も扶助・国選をやらないのは贅沢とされる状況で,生活保護受給者の仕事を担う若手も増えている。また,香川で人権大会を来年行う予定だが,こういう小さい単位会で行なう場合,例年のマニュアルが整備されていることが望ましい。

【9 外国法事務弁護士の懲戒事例の報告】
川崎達也副会長(二弁)(資料51の3の3)
外弁懲戒事例が過去17件あって,人で言うと8名が対象となった。そのうち,会費不払いで退会命令1,偽装婚姻関与で業務停止2月が1,会費不払い除名1,事件処理遅れ除名1,預かり品返還義務違反で戒告1,その他調査中1との報告。
 鈴木敏弘理事(静岡)から調査のあり方についての報告,山根祥利理事(東弁)からの本国へのフィードバックに関する意見など

【10 取調べ可視化についての状況報告】
川崎達也副会長(二弁)
日弁連として政権に取調べ可視化を働きかけている。足利事件の取調べ録音テープの問題も含め,市民集会を行う予定。中井国家公安委員長の私的な勉強会も1年という時限つき。この機を逃さず,可視化を実現したい。
鈴木克昌理事(群馬)から,足利事件,布川事件が問題になっている今の時期こそチャンスで一気に進めてもらいたいとの強い要望。

【11 法科大学院に対する警告についての報告】(資料12の10の4)
文科省から14法科大学院に対する警告がなされた件について報告。資料は新聞記事。

【12 国選弁護対応態勢確立推進本部全体会議】
武井康年副会長(広島)・山岸憲司副会長(東弁)・荒 中 副会長(仙台)
 佐藤太勝 副本部長,山口健一 事務局長,栗山 学 報酬部会部会長
本部から,々饒弁護活動に関する実情調査協力の要請(担当設置),国選弁護人・当番弁護士の登録数等の報告要請(資料1),H鏥深埀臀事件の支部別件数・当番弁護士の支部別出動件数の調査の要請(資料2),ぃ横娃隠闇スタッフ弁護士配置に関する要望(資料3),ィ儀遑横影以降の各地の対応態勢について(資料4・5),今後の本部体制について(資料6)などの報告。
 池永 満 理事(福岡)から,法テラス・スタッフの配置に関連して,福岡の田川支部についてはこれまでの方針を転換してスタッフ配置を要望しているのに,法テラス側で4号事務所の設置の意図かどうかを執拗に確認してくる状況が続いている,扶助国選専門の常駐スタッフ要望との趣旨を正確に理解してもらえているのか疑問であり,弁護士会との協議をきちんとして欲しいとの強い意見が繰り返され,本部側からも,この問題に関連して現状の難しさ(有償業務を行なう4号事務所は要件が合えば出せるものの,それ以外の扶助・国選専門の法テラスを支部に出すことが困難で常駐スタッフの配置に答えられない)を説明。個別の問題を含むため,別途協議。
 室田則之理事(函館)から,函館中央署において接見室の増設が実現したことについて報告。そのほか,本部体制の存続について2月に検討して欲しいとの要請,半田 稔 理事から,国選事件の謄写費用の実費が一枚13円の場合の処理についての質問(実費限度・要検討)あり。
    
★一言コメント:被疑者国選の数は年間9万件が予測されていましたが,7万件程度とやや少なめのようです。費用負担のあり得る(訴訟費用負担)国選が敬遠されているのでしょうか? なお,接見疎明資料提出の問題が被告人国選の公判時間のチェックにも及びそうです。財務省との交渉では「裏付けもなしに,どうして税金が支出できるんですか」と,とりつくシマもない雰囲気とのこと。弁護人の報告書とは別に書記官のメモが法テラスへ送られ,アヤシイと思う案件は,法テラスがチェックするという財務省案が出されているとのこと。ウソツキ探しのような制度はやめてほしいものです。

【13 報告事項6 法律援助事業に係る財政問題の件】
荒 中 副会長(仙台)・武井康年副会長(広島)(資料25の5)
 説明協力者=彦坂浩一 日本司法支援センター対応室室長

【14 日本司法支援センター(法テラス)推進本部全体会議】
荒 中 副会長(仙台),山田庸男 本部長代行,石田武臣 副本部長,武藤 元 事務局長,村越 進 民事法律扶助制度改革推進本部本部長,亀井時子 同副本部長・法律援助事業対応チーム座長,彦坂浩一 日本司法支援センター対応室室長,田岡直博 同嘱託
資料25の5に関して,荒 中 副会長から少年・刑事財政基金の現状がこれまでの蓄えを使い尽くし,今後不足する厳しい状況がくること,また法律援助事業(その他7事業)についても厳しい財政状況であることの報告がなされ,さらに財政措置をとらない場合ととる場合などシミュレーションの説明。
そのほか,本部から,)[П臀事業の書式変更や実情,∨[扶助の生活保護受給者償還猶予・償還免除の原則実施,情報提供業務の答申書案,に.謄薀垢涼羇目標,ネ住仕の情勢報告あり。
 各地の理事から,少年・刑事財政基金の今後について多数の意見が出された。
 会費値上げの前に実情を正確に把握すべきとの意見(我妻 崇 理事・仙台),現状の手当(被疑者援助7万円,少年付添い10万円)の切り下げには反対とする意見(吉峯康博理事・東弁),高岡信男理事・東弁,鈴木敏弘理事・静岡,正木靖子理事・兵庫)とりわけ,少年付添人の切り下げには反対とする意見(和田光弘理事・新潟,永井哲男理事・釧路,黛 千恵子 理事・福井,小出重義理事・埼玉),財政責任を果たすために現状の援助金の切り下げもやむなしとする意見(池永 満 理事・福岡),赤字でも一般会計繰り入れでがんばるとの意見(山下哲夫理事・広島)などに分かれた。次回以降の理事会で最終的に方針を決める予定。
 他の報告に関連して,生活保護の書式に関連しての質問(鷲見和人理事・岐阜),情報提供業務の答申の記載についての質問(小出重義理事・埼玉,半田 稔 理事・山形),スタッフ弁護士の配置についての意見多数(高崎 暢 理事・札幌—基本計画重要,半田 稔 理事・山形−配置自体に反対,我妻 崇 理事・仙台−特別な弁護士への反対,池永 満 理事・福岡−切磋琢磨の方針,黛千恵子理事・福井−ゼロワンは上から目線,小出重義理事・埼玉—入会金免除反対,櫻井光政理事・二弁−カンパ要請)など。
    
一言コメント:法テラス予算が大幅に増額されます。予算案の規模は総額310億円,国選費用が前年並みで約155億円,民事扶助が前年より約51億円増えて155億円です。増加見込みを受けて,生活保護受給者に対する償還の免除が1月から始まりました。免除を受けるには申請を行わねばなりません。係属中の事件については代理人にのみ通知がなされますので,本人からの免除の申請をするように忘れずご連絡ください。償還制を原則としてきた扶助制度に一部「給付制」が設けられるという画期的な成果です。次の目標は生活保護レベルの収入しかない準保護世帯に免除の幅を広げることです。他方,日弁連の財源で行われている委託事業は「大赤字」となってピンチです。委託事業は特別会費で運営される「被疑者・少年援助」と,扶助協会からの引継財産と贖罪寄付で運営される「その他7事業」(犯罪被害者,外国人,高齢者,ホームレス等)ですが,被疑者国選開始での大幅減少を見込んだ被疑者援助が予想外に減らず,少年付添も国選化を目指して数が増え,合計で予定数を40%程度上廻る見込みとなり,その他7事業も生活保護の同行支援援助等を中心に予定の倍近い伸びとなって、被疑者・少年では年間3億の赤字が,その他事業では年間2億以上の赤字が予想されます。どちらの事業も日弁連が先鞭をつけ,ゆくゆくは法テラスの本体事業化を目論むものですから,金がないからといって廃止するわけには行きません。また,担当弁護士に決して十分な手当が出ているとは言えない現状で,報酬を引き下げることはどうでしょうか。となると特別会費の値上げ,その他7事業分は特別会費新設ということになりかねません。ちなみに,財政均衡のためには合計月額2500円程度の増額シミュレーション案が出されています。来年度の法テラスへの委託事業の金額を決める関係で早急な意思決定が必要とされています。

【15 意見交換1 裁判員制度に関する件】
山岸憲司副会長(東弁)・武井康年副会長(広島)・荒 中 副会長(仙台)(資料18の1の24)
説明協力者=小野正典 裁判員本部本部長代行(二弁),幣原 廣 同事務局長(二弁)
情勢報告。裁判所からのローデータの保管についての規則・決議の要請。
 小出重義理事(埼玉),玉城辰彦理事(沖縄)から裁判員候補者の出席率についての意見,森 雅美 理事(鹿児島)から起訴後の公判前整理の長期化傾向についての報告など。

 最後に,議題外で,村井豊明理事(京都)から労働者派遣法の改正問題,京都での「在日特権を許さない会」の活動について各地での調査の要請など発言あり。
以上


※この報告は、和田光弘(みつひろ)常務理事(新潟・33期)の正確な作業(11枚),鈴木大祐(だいすけ)常務理事(東京・49期)の詳細なメモ及び鷲見和人(すみかずひと)常務理事(岐阜・36期)の報告(4枚)などに基づき、吉峯康博常務理事(東京・33期)の責任でまとめた『速報』である。

(2010年2月2日記)


 
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