日弁連・理事会とは何をするのでしょうか?(9)

日弁連・理事会とは、何をするのでしょうか?(9)



第9回日弁連・理事会報告
(2009年12月17日・18日,於弁護士会館1701号)


● 第1日目 2009年(平成21年)12月17日(火)午前10時15分〜

【1 常務理事会報告】(午前10時15分〜45分)
日弁連被告事件に関する報告の件(常務資料82) 
上妻室長より説明。
会長より,高山俊吉会員については,懲戒委員会に確認したところ効力停止の理由については答えられないとのこと。執行部が問いただすこともできないため、効力停止の理由については報告できないことを回答する(前回の宿題)。
  ★一言コメント:本日2010年1月8日の段階で高山俊吉弁護士は、日弁連会長選挙に立候補されていない

【2 会長挨拶】
この間,『弁政連』(日本弁護士政治連盟 梶谷 剛 理事長)主催の朝食会で、各政党との懇談会(11月自民党,12月民主党,12月公明党など)を精力的にこなしている。中井大臣とも取調べ可視化について議論した。珍しいところではルース・駐日大使が面会にこられ,日本の弁護士の地位やこれまで関わってきたビジネスの話などをされていった。また,大規模弁護士事務所との意見交換なども行なっている。一つの事務所に一つの場所という制限について,大規模化した場合隣のビルまで使用する必要があり,緩和の要請が出ている。また,そのような事務所でも公益活動の幅を広げる工夫をしている。

【3 報告事項1 会務報告の件】
藤本 明 副会長(札幌)(資料12の9)
資料記載の会務報告の他に,再審部会が取り組んできた布川事件最高裁決定に関して会長声明を準備した。他にも代用監獄廃止,取調べ可視化,検察官手持ち証拠の全面開示などに取り組んでいる。改正貸金業法完全施行に関して,金融庁内にプロジェクトチームが設置され,ヒヤリングに対応している。また,内閣府大塚副大臣からも自殺対策について協力要請を受けた。

【4 法的サービス企画推進センター本部会議】
小林優公副会長(群馬) 出井直樹事務局長,飯田隆副本部長,藤原靖夫研修・業務支援室嘱託
1 現62期登録状況 修習終了者は254名が2回試験に合格し,新61期の再チャレンジ組100名も含めて354名が合格し,うち316名が弁護士に登録し,20名程度が未登録か(本部資料44−1)。
2 新62期の登録状況 新62期は,1992名合格者(75名不合格)のうち1693名が弁護士登録して,推定では23名程度が未登録か(本部資料45−1、同45−2に弁護士会別の新規登録弁護士数の資料あり。東京・大阪での就職割合が全体のほぼ60%をしめる傾向。)。(飯田副本部長の補足では,未登録者は主に東京・大阪などの都市部を希望し,傾向としては消極性が目立つとのこと。東京以外の求人情報なら60件ほどあるので「青山あり」の気概を持って欲しい。)
3 組織内弁護士の促進 11月9日の仙台シンポの概要(資料46−2),自治体公務員登用シンポの報告(同46−2)など。今後,2月に高松,4月に大阪を予定。なお,現在の自治体における法曹登用状況の報告(同46−3)がなされたが,現状では弁護士会の会費が高く,公務員になる段階で脱会をする例もある。公務員は訴訟には指定代理人制度で対応可能。

【5 日弁連中小企業法律支援センター本部会議】
小林優公副会長(群馬) 飯田隆副本部長,高橋理一郎副本部長,吉岡毅事務局長,幸村俊哉事務局次長,出井直樹事務局委員,藤原靖夫研修・業務支援室嘱託
1 当センター人事 正副本部長・事務局体制(資料1)
2 コールセンター設置に伴う弁護士会での準備(要請)(資料2)
1月14日までに電話回線の設置と受付担当地域について報告をしてもらいたい。当面は原則として単位会の本部で一括受信をして各支部に連絡する形式をとってもらいたい。弁護士会における作業工程表は13頁にある。なお,電話への対応は当センターのコールセンターとして対応することとなっているので,準備を整えてもらいたい。
3 日本商工会議所での当センターに関する報告(高橋副本部長) 日弁連作成のDVDやパンフに関心を持たれた。
4 事業再生に関する研究会(資料3) 現状の再生法では金融機関との交渉が難航するケースが多い。今後,弁護士の研修に力を入れていきたい。
5 ワンストップ・サービスデーの開催(資料4)弁護士の無料相談窓口を設置する協力要請。
6 「自殺対策100日プラン」の協力要請(資料5)過重債務にしぼった相談窓口設置。
2(コールセンター)に関連して,板澤幸雄理事(一弁)から,東京三会の体制についての質問(三会で決定してもらう予定。共通のセンターか,各会別か,調整が必要との回答。),成瀬公博理事(熊本)から相手が中小企業かどうかどうやって確認するのか,定義があるのかの質問(中小企業庁の定義は厳密だが対応は柔軟でいい。),森雅美理事(鹿児島)から対応体制を整備するために電話回線を増やすとシステム上100万円以上の出費となるので代表電話での対応でできないかとの質問(代表電話はこまる,ダイヤルインなど特定の電話にして欲しい。),伊勢昌弘理事(秋田)から,秋田としては全員協議会でも消極的意見が多かったが対応の仕方として弁護士が電話したり出向いたりしなければならないのかとの質問(事務局からの電話もいいし,弁護士の事務所での対応も考えられるが,考え方としては弁護士が即連絡し相談日と場所を即決するということで中小企業側のアクセス・ハードルを下げることをめざしている。),小出重義理事(埼玉)から理念は分かるが地方は零細企業が多く実際には需要がないのではないかとの質問(愛のムチと受け止める。ただ,弁護士利用経験のない中小企業50%になるし,相談したことがない割合60%ある。中小企業のクライアントを増やせる見込みをもっている。)など多数あり。
4の事業再生に関して,池永満理事(福岡)から,民事再生が困難な理由は弁護士の問題よりも事業継続後の融資が困難と言う問題が大きいのではないかとの指摘あり。(承知している。許可後の返済が重いのであり,政策的に検討が必要。)

【6 審議事項8 年金分割のための情報通知書に対する意見書案の件】
行田博文副会長(高知)(資料48の3)
年金分割のための情報通知書に,請求者の住所や発行元社会保険事務所に関する情報が載っているため,DV事案などで女性の居場所の探知につながる。これを載せない体裁に改めるよう意見を述べるもの。承認。

【7 審議事項10 職務上の氏名に関する会則等の改正規定及び新規制定規程の施行期日を定める件】
行田博文副会長(高知)(資料55の4の4)
平成20年12月5日臨時総会で議決された職務上の氏名に関する会則等の改正規定及び新規制定規程の施行期日を,いずれも平成22年12月1日とするという提案。各会の規程整備に余裕を持たせるための決定。承認。なお,各会は具体的施行期日(遅くとも22年12月1日)を設定した上で議案として提案する必要がある。

【8 岡部光平理事(横浜)発言】
 横浜で弁護士フェスタを開催し,法律相談センターの宣伝のためにマスコットキャラクターを決め,ポケットティッシュに採用。余りが出たので理事会に配布する。

—昼食−

【9 経理委員会】(16階来賓室)

【10 小規模弁護士会協議会】(5階502CD会議室)

【11 多重債務対策本部】
藤本 明 副会長(札幌) 新里宏二事務局長
1 改正貸金業法完全施行に向けた情勢 金融庁貸金業制度に関するプロジェクトチームによるヒアリングがはじまり,業界対日弁連の図式で報道がなされている。主に,日経新聞が見直しの論調を報道している。日弁連のヒアリングは,一般市民の傍聴もあり,うまくいったが,12月の最後のヒアリングは予断を許さない。今後,各会会長声明の他に各自治体の意見書採択にも力を入れて欲しい。
2 「債務整理事件処理に関する指針」についての実態調査 実態調査が進んでいない。CMを出している弁護士による債務整理被害が問題となっている。

【12 審議事項7 多重債務対策本部設置要綱中一部改正の件】
藤本 明 副会長(札幌)(資料46の5)
多重債務対策本部の存続期間を21年12月31日から22年6月30日まで延期する。承認。

【13 理事特別発言】(資料19の1の4)
森雅美理事(鹿児島県)
12月6日,鹿児島県志布志市で「取調べの全面録画を求める市民集会in志布志〜冤罪被害者が語る密室取調べの実態〜」を日弁連,九弁連との共催で開催した。志布志の町で800人を集め大成功。当日は。足利事件の菅家さんをはじめ,甲山事件,氷見事件,布川事件の冤罪被害者本人に来てもらって,具体的に語ってもらい,マスコミにも取りあげられた。

【14 報告事項13 債権法改正の件】
畑 守人 副会長(大阪)(資料26の1の3)岡正晶司法制度調査会委員(一弁),深山雅也同委員(二弁)
法制審議会民法(債権法)部会の委員の構成が決まった。39名中,研究者19名,行政関係10名,民間5名,弁護士4名という状態。座長は鎌田薫氏。十分な時間を取ること等を確認。改正の必要性について実務家の意見が反映されていない感じがしており,今後必要性も含めて議論する。

【15 審議事項12 被検査先が弁護士に相談することを事前報告・許可制とする金融庁及び証券取引等監視委員会の検査指針の撤廃を求める意見書案の件】
田中 等 副会長(一弁)(資料23) 片山達国際室室長
金融検査,証券検査に関して,被検査先が弁護士に相談することを事前報告・許可制とする検査指針は,国民の権利を守る弁護士制度の根幹を揺るがし,法の支配を実現する観点から容認できないとして,検査運用実務の撤廃を求める意見書案。承認。
村井豊明理事(京都)から,本意見については弁護士法3条も根拠とすべきであるとの意見あり。

【16 審議事項6 新保険法の施行に関する意見書案の件】
藤本 明 副会長(札幌)(資料44の9)坂勇一郎消費者問題対策委員会副委員長(二弁)
新保険法が2010年4月1日から施行される。現在,保険会社で保険約款の見直し作業が進められているが,これに関し,一般消費者を保険契約者とする保険契約について,(欷蔚發了拱Гせ期(支払い拒絶,支払い漏れなど),故意性の立証責任(「悪魔の立証」の強制),責任開始前発症不担保条項(契約前に疾病に罹患していることを保険契約者が知らずに契約した場合の保険会社の免責),ぬ戯店霄左条項(消費者契約法10条違反の高裁判例)など,保険契約者保護として十分でない規定が設けられ,運用されてきている。
そこで,本意見書では,保険約款の認可権限を有する金融庁に対し,保険契約者保護徹底する観点から,らい粒凸簑蠹世砲弔い峠淑な約款審査を求めるとともに,約款作成過程・認可手続に消費者の意見を聴取することを推奨するもの。また,金融審議会(保険WG)が保険募集・支払い全般について議論していることから,中間論点整理のうち(欷洩鶸召竜律の問題,∧欷永臀犬竜律の問題,H鑛欷閏圓瞭碓佞量簑蝓きな欷蔚盪拱Гい量簑蝓きナ欷盈狙冦金及び解約返戻金の支払いの問題の5点について保険契約者の保護をすすめるよう求めるもの。
三木正俊理事(札幌)から,故意の立証責任に関連して9頁記載の火災保険,車両保険について最高裁が故意の立証責任は保険会社にあるとして決着がついたと説明しているのはミスリードにならないかとの質問あり(ならない。決着がついたものと理解している。)。金子武嗣理事(大阪)から金融審議会(保険WG)に日弁連から委員を出すように要望して欲しいとの意見。

【17 要請事項1 外国法事務弁護士が社員となる法人における懲戒制度等のあり方の件】
川崎達也副会長(二弁)(資料51の3,資料51の3の2)
外国法事務弁護士が社員となる法人における懲戒制度等のあり方について,平成22年1月29日までに各会の意見を提出されたい。
外国法事務弁護士(外弁)のみで法人を作る場合(A法人)と外弁と日本弁護士で法人を作る場合(B法人)が認められる方向付けがされている中で,外弁及び外弁が所属する法人の懲戒制度のあり方について各会の意見を要請するもの。現状では,外弁は各単位会での懲戒権がなく日弁連の外弁懲戒委員会が懲戒する仕組みとなっているため,日本弁護士同様,単位会での懲戒を認めるべきか,現状の外弁に対する懲戒方法で良いのか,それとも法人の種類で場合分けをするのかなどの問題。
懲戒制度の比較については,資料51−3−2(ポンチ絵)で一覧できる。
矢吹公敏理事(東弁)から,単位会での懲戒権は規定整備等を考えると負担が重く,現行の外弁のように日弁連に集約した方が経験の共有ができるとの意見(問題点として99人の日本弁護士と1人の外弁という混合法人でも単位会での懲戒がない。また,懲戒の件数は86年以後17件のみ。),山下哲夫理事(広島)から,日本で弁護士活動をやる以上は日本弁護士と同様の懲戒制度にすべきであるとの意見,高崎 暢 理事(札幌)から,重要問題である以上もう少しキチンと余裕の期間を保証すべきとの指摘(3月通常国会への上程を考えるとこれでもぎりぎりの期間),月山純典理事(和歌山)から,二つの懲戒制度ができた理由についての質問(推測だが,外弁導入当時の妥協の産物か,日弁連が介入すると言う懸念からか)など。
★一言コメント:各単位会の抱えている状況で大きく認識が異なる問題であり,大都市,政令都市などでは外弁の懲戒権を単位会が持つという構想は原則的に必要だと思われるが,地方の小規模単位会ではこれまで通り日弁連集中でも良いのではないか。懲戒のダブルスタンダードは言えないと思う。

【18 報告事項9 インターナショナル・パートナーシップの件】
川崎達也副会長(二弁)(資料51の2,資料51の2の2)
金子武嗣理事(大阪)によるインターナショナル・パートナーシップに関する質問書に対し、回答を文書で行なったというもの。前記A法人(外弁法人),B法人(混合法人)が認められる方向のなかで,インターナショナル・パートナーシップが認められない根拠は何かと言うことが主たる質問であり,これについては,外国弁護士は,日本での外弁の資格を取らない限り,日本法で非弁護士となり,インターナショナル・パートナーシップの結成は非弁提携の問題が生じることと,報酬に関しても非弁である外国弁護士に報酬を分配し弁護士職務基本規程の12条(報酬分配の制限)や同13条(依頼者紹介の対価)の違反となる可能性があるということ。

【19 要請事項2 12月の「ワンストップ・サービス・デイ」への対応の件】
足立勇人副会長(茨城)(資料42の2の15)

【20 要請事項3 12月に各都道府県で実施される自殺予防相談への対応の件】
足立勇人副会長(茨城)(資料42の2の16,同16の2)
政府から二つのルートで年末の緊急法律相談に対応して欲しいとの要請がきており,日弁連としても各単位会に対応して欲しいとの依頼を行なうもの。
一つのルートは,厚労省の貧困・困窮者支援チームからの要請で11月30日に試行した上でハローワーク等で行なうもの,他の一つは,内閣府自殺対策推進室から全国の都道府県を通じて自殺予防の取り組み強化ということで行なうもの。
人の手当をするのが大変という半田稔理事(山形)の意見と,すでに保健所が積極的に動いて費用も出されていると言う鷲見和人理事(岐阜)の報告あり。なお,弁護士が窓口になった方がいいのではないかという会長の指摘に対し,足立勇人副会長(茨城)からもそのように要請しているとの回答。

【21 審議事項1 第24回司法シンポジウム運営委員会設置要綱中一部改正の件】
塚本 侃 副会長(熊本)(資料17の1の3)

【22 報告事項8 第24回司法シンポジウムの主題,日時及び開催地の件】
塚本 侃 副会長(熊本)(資料17の1の4)
審議事項としては,シンポジウム運営委員会の設置要綱を改正し,学識経験者の協力を求めることができるものとし,事務局を設置すると言うもの。
報告事項としては,司法シンポのテーマと日時(10年9月11日)/場所(東京・弁護士会館)が決まったとのこと。メインテーマは「司法による市民の権利確立を目指して〜担い手としての当事者法曹の強化〜」,サブテーマは 嵳用しやすく頼りがいのある民事司法制度を目指して」,◆嶌枸鵡埓の打破と役割」(仮称),「新しい法曹養成制度の現状と課題」となった。
テーマの用語についていくつか質問が繰り返される。小出重義理事(埼玉)より「当事者法曹」の意味についての質問,佐野良房理事(千葉)から「当事者法曹」の再考をという意見,吉峯康博理事(東弁)より,「法律家の役割」と「市民の権利」のどちらに軸足があるのか分かりにくい,ECでは市民に『よりよい行政サービスを受ける権利』がある,シンポジウムのメインテーマは「行政訴訟」なのではないかという意見,我妻 崇 理事(仙台)から裁判員制度をふまえた行政訴訟の検討になるのかとうい質問,半田稔理事(山形)からメインテーマは必要かとの疑問など。(今後のシンポ運営委員会で十分検討したいとの回答。)

【23 報告事項7 日本弁護士連合会基本政策集の件】
丸島俊介事務総長(資料16の4)
日弁連がこれまで掲げてきた様々な人権課題に関する基本政策を一つの冊子にまとめたもの。
村井豊明理事(京都)から議員に説明する材料として便利なので引用意見書などもリストアップして欲しいとの要望(現在準備中),玉城辰彦理事(沖縄)からまとめるための体系的な視点は何かとの質問(第1の記載は人生の流れを軸に,第2の記載は行政関係を,第3は刑事関係,第4は司法基盤という程度),小出重義理事(埼玉)から法曹人口に関する記述(26頁)の「過去数年の実績程度にとどめる」の意味は昨年の緊急決議と違いはないのかとの質問(変わらない。表現は工夫する),我妻 崇 理事(仙台)から代用監獄の記述が足りないとの指摘など。

【24 審議事項11 懲戒委員会委員及び同予備委員の委嘱に関する件】
田中 等 副会長(一弁)(資料55の5の2)
懲戒委員,予備委員の途中交代について。承認。

【25 審議事項4 日弁連委託援助業務の委託予定期間の延長の件】
荒 中 副会長(仙台)(資料25の2の1の2)

【26 審議事項5 平成21年度日弁連委託援助業務事業計画の変更の件】
荒 中 副会長(仙台)(資料25の2の2)
日弁連委託援助業務の委託予定期間を2014年3末まで延長すること。
平成21年度については,委託経費を上乗せして総計15億円を支払う。いずれも承認。
小出重義理事(埼玉)が反対。

【27 報告事項12 コールセンターテレフォン法律アドバイザー制度の継続の件】
荒 中 副会長(仙台)(資料25の4)
法テラスのコールセンターにおける法律アドバイザー制度を,2011年3月末まで延長する。

【28 丸島俊介事務総長からの報告】
取調べ可視化についての省内勉強会が発足したことの報告。刑事局を中心に法務大臣の私的な勉強会で1年程度が目処。
鈴木克昌理事(群馬)から代替手法の体系的整理を早くして欲しいとの要望,山下哲夫理事(広島)からも早急に全国的にやる必要があるとの意見あり。


● 第2日目 2009年(平成21年)12月18日(火)午前10時00分〜

【1 報告事項10 法制審議会刑事法(公訴時効関係)部会の審議状況に関する法務大臣宛要請の件】
細井土夫副会長(愛知)(資料19の2の2)神洋明公訴時効に関する検討ワーキンググループ委員(一弁)
凶悪・重大犯罪の公訴時効見直しの具体的あり方について審議している法制審議会刑事法(公訴時効関係)部会が,今後7回程度の審議で同時効の廃止の結論が採択される状況にあり,日弁連として,以下の措置をとるよう要望するもの。具体的には。横娃隠闇2月4日までの審議日程にとらわれず拙速にならぬこと,∋身櫃砲弔い胴く意見聴取すること,時効廃止国の実態を調査し審議に反映させること,せ効廃止後の捜査体制のあり方について意見交換すること,ト鏥深圈θ鏐霓佑遼標羝⊃害の危険性について再審に取り組んでいる弁護士の意見を聴取することなどを要望。
金子武嗣理事(大阪)から,時効が廃止された場合冤罪を晴らすことが極めて困難になることを現場の声として伝えるべきとの意見,鈴木克昌理事(群馬)から,公訴時効の必要性が分かりにくいのが問題,冤罪防止の観点をより強調すべきで各単位会の意見集約のために資料を提供して欲しいとの要望,小出重義理事(埼玉)から,御用学者のなかでの議論は難しい,民主党に働きかけたらどうかとの意見など。

【2 理事特別発言
中国地方弁護士会連合会 山元浩理事(山口県)
発言の機会を与えてもらって光栄。弁護人複数選任の問題,若手の負担の問題,支部の問題などを発言したい。当会では死体遺棄事案で虚偽自白防止のために5人の弁護人を選任した事例がある。虚偽自白防止のための連日接見が必要とのことで地裁も許可した。殺人の立件はなく,懲役3年で確定。また,若手弁護士の負担の事例として,自殺念慮の若手弁護士が包丁を持ったまま長野県で逮捕されると言う事例が発生し,実情を調査した。事件処理の悩みに加えて過重な負担があったようだ。今後考えるべき問題。また,支部の問題も重大。労働審判などをやる必要がある。

【3 報告事項11 岩見沢拘置支所の月形刑務所敷地内への移転に関する申入れの件】
細井土夫副会長(愛知)(資料19の10の5)
北海道・月形刑務所岩見沢拘置支所の月形刑務所敷地内への移転が計画されており,札幌弁護士会断固反対の意見を述べている。被疑者・被告人の弁護人との接見機会の保障は憲法上の権利であり,上記移転は公共交通機関の便悪さによって冬期間の接見は困難を来す。
連合会としても遺憾。岩見沢拘置支所の老朽化の対応については札幌弁護士会の意見を十分に聴取してもらいたい。
高崎 暢 理事(札幌)から月形刑務所敷地内移転がどれだけ大変な実情か,補足的に説明する発言あり。

【4 審議事項3 全面的国選付添人制度に関する当面の立法提言案の件】
足立勇人副会長(茨城)(資料21の9の2) 角山正全面的国選付添人制度実現本部本部長代行(仙台),須納瀬学同事務局長(東弁)
現行の国選付添人制度を改善し,観護措置決定により身体拘束された全ての少年について職権または保護者・少年の請求で弁護士付添人が付けられる制度にするよう,少年法22条の3の改正を求めるもの。現在の裁量的国選付添人制度を一歩進め,対象事件を拡大するとともに,請求による付添人制度を盛り込むことを求めている。必要的選任制度は,将来導入することを検討すべきとする。承認。
各地の理事から「請求による付添人制度にとどまる」ことへの疑問が提起される。三木正俊理事(札幌)は被疑者国選と同様に拡大すべきとの意見,吉峯康博理事(東弁)からは,基本的には賛成するが,本来「子どもの権利条約」(40条,37条)を遵守していない日本政府が憲法98条2項違反なのであるからこれを明記するとともに,「全面的付添人」の言葉のイメージからはほど遠い内容になっていないかとの意見,鈴木克昌理事(群馬)からは,努力目標としてでも「被疑者国選と同様にすることを目標とする」旨を書き入れられないかとの意見,我妻 崇 理事(仙台)からも「全面的」は実態にそぐわないとの意見,池永満理事(福岡)からも,今回の要求は限定的であってもその理由のなかには本来のあり方を唱うべきだし,福岡での全件付添人は最初からやれる自信があったわけではなく,やると決めて広がっという経験がある,との指摘など。
また,一方で,山元 浩 理事(山口)から,現状の要求でも現場の感覚としては実現できるか厳しいとの指摘もあった。
他に東 隆司 理事(岡山)から資力要件の削除の要望,鈴木克昌理事(群馬)から告知方法についての詳細な規程を求める意見などが出された。
(全面的国選付添人制度実現本部としては,理念と現実の妥協を前提にさらなる改善を目指す上でのステップとしてとらえており,将来は「全面的」の用語にふさわしい制度にしていきたいが、法案上程の関係で本意見書を出させてもらいたいということと,必要的選任とするには各地の現状では必ずしも十分でないと認識している,との回答。)
なお,吉峯康博理事(東弁)からは,子どもの権利条約の37条(c)(児童と成人との分離)を留保している日本政府が極めて問題が大きく,付添人制度に関連し,同条約40条2項(b)の鬚実体的効力を持っているにも関わらず,これを守らず,必要的選任にしないのは,憲法98条2項(「日本国が締結した条約・・・は、これを誠実に遵守することを必要とする」)違反であることは明らかであるから,これを厳しく追及すべきであるし,この点を日弁連の文書に載せないことは有り得ないのではないかとの指摘が強くなされた。また,裁判官は憲法98条2項について,実務上意識していない方が多いのではないかとの指摘もなされた。
★一言コメント:
 ちなみに,日本政府の37条(c)留保の国連への言い訳は,少年法で20歳までの少年を保護しているから子どもの権利条約の18歳よりも手厚く保護していると言う屁理屈をこねて留保しているだけで,少年の勾留実態に頬被りをした,官僚答弁となっている。
 日弁連は,子どもの権利条約37条(c)の留保を撤回すべきであると一貫して主張しているが,『運動』はほとんどなされておらず問題である思う。
『全面的』という表現は,極めて分かりにくい表現なので使用しない方がよいのではないか。
し法98条2項についての裁判官の意識は大問題である。これを克服するためには,日弁連が2009年12月11日付『日弁連基本政策集』の中で主張しているとおり,「刑事訴訟及び民事訴訟における上告理由に,日本で発効している人権条約違反を加える」ことを実現させなければならない。そうでなければ裁判官意識は変わらないのではないか。

【5 意見交換1 裁判員制度に関する件】
山岸憲司副会長(東弁),武井康年副会長(広島),荒 中 副会長(仙台) 小野正典裁判員本部本部長代行(二弁)(資料18の1の23)
11月30日時点で、裁判員裁判は1000件で、判決は100件を超えた。『三者協議会』の中に、運用協議会を設けており、既に4回裁判員裁判に限って議論している。裁判員裁判の各地からのアンケートの集約が重要となってきている。未だ提出に協力してもらえていない事件もあり,各単位会でも働きかけを強めて欲しい。
また,裁判所が裁判員から集約しているアンケートのいわゆる「ローデータ」(生の情報)も,各単位会に提供し始めており,主として検証目的のために提供されている情報であり,各単位会での管理体制について別紙のルールを基本に定めて欲しい。既に,山口,福岡に提供されているとのことであり,実情も報告してもらいたい。
なお,理由なし不選任のデータについて公表しないとの合意があるかのように伝えられた地裁があると聞いているが,そうではなくて最高裁が理由なし不選任の情報を出すことについては良くないと言う意見を出しているだけで,対応本部としては検討課題としている。「外された」候補者からすればその理由が何かは分からないから,その情報を共有しても問題がないのではないかとも考えている。
また,量刑データベースの入力誤りが裁判を通じて判明しており(東京・覚せい剤事案での覚せい剤の重量についての入力ミスか),裁判所でも点検・確認中である。
池永満理事(福岡)から,福岡では法曹三者裁判員裁判検討協議会設置し,ローデータも把握している,弁護士への意見が厳しいし,福岡が独自で行なっている「市民モニター」でも同様に弁護士への意見が厳しいので反省材料になっている,制度改善や研修に生かすべきだろうとの報告がなされる。
小出重義理事(埼玉)から,各地で努力し今後データの取り方を工夫する必要があるとの意見,鈴木克昌理事(群馬)から,新聞の一面広告として裁判員裁判を出した経験についての報告などがなされた。

【6 国選弁護対応態勢確立推進本部全体会議】
山岸憲司副会長(東弁),武井康年副会長(広島),荒 中 副会長(仙台) 佐藤太勝副本部長,山口健一事務局長,栗山学報酬部会部会長
国選弁護報酬改善のためのアンケート回収について
各地で担当者を決めて法テラス側と協力して,できるだけ全件回収となるよう工夫してもらいたい。担当者を決めていない場合には早急に。
また,スタッフ弁護士の配置の要望についても検討中も含めて21日までに出して欲しい。支部状況も含めて把握したい。
なお,現在,公判段階における国選報酬請求に関する裏付けをどうするか議論している。ヽ栃杆鄂佑書記官に確認サインをもらう方法,∈枷十蠅弁護士会に交付し法テラスへ提出する方法,裁判所から法テラスへ直接報告する方法などを検討中。
被疑者国選弁護に関しては,岡部光平理事(横浜)から,ゼロ接見の数は判明しているのかとの質問(パターンはいろいろで分析できていないが,想像以上に多い。),和田光弘理事(新潟)から,新潟でも各支部地域での被疑者国選への対応が厳しさを増しており現状の把握が必要との意見(国選シンポの準備等で状況把握に勤めている。)が出される。また被告人国選に関しては,鈴木克昌理事(群馬)から公判時間の実態把握の方法が問題との指摘,和田光弘理事(新潟)から公判段階の国選報酬の裏付けについては弁護士や弁護士会の関与なしでの方法は会員のなかに反対意見があることをふまえて欲しいとの意見(各地の意見をふまえる),我妻 崇 理事(仙台)から,公判時間で弁護の内容を規定できないのではないかとの意見(制度設計の問題で議論はしてきたが,現行方式によって積み上げしてき経緯がある。)など。

【7 日本司法支援センター(法テラス)推進本部全体会議】
荒 中 副会長(仙台)山田庸男本部長代行,小林元治副本部長,武藤元事務局長,亀井時子法律援助事業対応チーム座長・民事法律扶助制度改革推進本部副本部長,渕上玲子民事法律扶助制度改革推進本部事務局長,彦坂浩一日本司法支援センター対応室室長
・審議事項5 平成21年度日弁連委託援助業務事業計画の変更の件
荒 中 副会長(仙台)(資料25の2の2)
・審議事項2 少年・刑事財政基金からの特別支出の件
武井康年副会長(広島)(資料19の13)
・審議事項9 予備費取り崩しの件
田中 等 副会長(一弁)(資料54の2の2)
・審議事項4 日弁連委託援助業務の委託予定期間の延長の件
荒 中 副会長(仙台)(資料25の2の1の2)
・審議事項13 民事法律扶助の代理援助申立時手続の審査における提出書類の簡素化に関する意見案の件
荒 中 副会長(仙台)(資料25の3の2)
1 情勢報告 平成21年度第二次補正予算及び平成22年度予算の状況報告。
).謄薀垢陵用状況の延びがあり、25億円をどうするかが、法テラス、法務省、弁護士会の課題だったが、民主側でつけてもらった。
∪験菠欷郤給者の償還金免除も平成22年1月から実施予定。
次年度の予算について70億円積み増しを要請していたが、法務省側の概算要求の中で51億円の積み増し要求をしている。
2 日弁連委託援助業務(法律援助事業)の審議 いずれも承認。
・審議事項5 平成21年度日弁連委託援助業務事業計画の変更の件
荒 中 副会長(仙台)(資料25の2の2)
・審議事項2 少年・刑事財政基金からの特別支出の件
武井康年副会長(広島)(資料19の13)
・審議事項9 予備費取り崩しの件
田中 等 副会長(一弁)(資料54の2の2)
・審議事項4 日弁連委託援助業務の委託予定期間の延長の件
荒 中 副会長(仙台)(資料25の2の1の2)
3 民事法律扶助業務 生活保護受給者の原則償還免除・猶予の報告】
・審議事項13 民事法律扶助の代理援助申立時手続の審査における提出書類の簡素化に関する意見案
承認。
4 情報提供業務 コールセンターテレフォン法律アドバイザーの継続
被疑者援助について,鈴木克昌理事(群馬)から,使い勝手がもう一つだが,死体遺棄など被疑者国選対象外の事件への対応からすると不可欠の制度であり続けて欲しいとの意見,三木正俊理事(札幌)は被疑者国選はさらに広げる必要があるとの意見が出される。
小出重義理事(埼玉)は,援助事業を法テラスに委託することに反対,弁護士会がやることでもっと効率的にできるし財政も安上がりとの意見。
佐野良房理事(千葉)から,千葉では本庁当番弁護士廃止してしまい,著名事件などは委員会派遣としている,今回の当番弁護士補助金はありがたいが今後も続くのかという質問(続く見込み)あり。
特別支出及び予備費取り崩しに関連して何人かの理事から数字の確認及び予算の組み立てについて質問があった(高岡信男理事(東弁),半田稔理事(山形),鈴木大祐理事(東弁),平嶋育造理事(山梨),我妻 崇 理事(仙台),三木正俊理事(札幌))。
生活保護の償還免除に関連し,鷲見和人理事(岐阜)から準生活保護者への対応はとの質問(現状では困難)あり。
最後に,荒川誠司理事(茨城)から,サポーターズ募集のパンフのなかに「日本のonly」という記載は不適切ではないかとの指摘,小出重義理事(埼玉)から法テラスが第二弁護士会になることへの危惧,田島二三夫理事(栃木)から,法テラスの電話帳広告のあり方について節度を保ってもらいたいとの意見,再度,小出重義理事(埼玉)から法テラスの扶助要件の無い相談者の受任についての懸念の表明(法テラスとしてはアンケートを実施し,取扱いの実情を検討する予定。心配している状況ではない。)などあり。
また,法テラススタッフ弁護士各単位会入会金免除についても,小出重義理事(埼玉)の負担要求と櫻井光政理事(二弁)の免除相当の意見などあり。
以上

※この報告は、和田光弘(みつひろ)常務理事(新潟・33期)の正確な作業及び鈴木大祐(だいすけ)常務理事(東京・49期)の詳細なメモ(24枚)などに基づき、吉峯康博常務理事(東京)の責任でまとめた『速報』である。
(2010年1月8日記)


 
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