日弁連・理事会とは、何をするのでしょうか?(6)

日弁連・理事会とは、何をするのでしょうか?(6)



第6回日弁連・理事会(2009年9月17日・9月18日,於弁護士会館1701号)報告


 議題が多く、資料も膨大であり、とても長い速報になりました。

● 第1日目 2009年(平成21年)9月17日(木)午前10時15分〜18時

【1 常務理事会】
 懲戒審査請求の件(担当 木津川迪洽(みちひろ)理事−一弁−。3件について決済。1は,接見中に被告人に証拠隠滅,2は非弁提携,3は預かった事件資料をなくして放置し流用。)などの報告事項などあり。

【2 会長挨拶】
(資料12の6の2〜6の3)
 資料により,平成21年度新司法試験の結果報告。
 選挙後,国会議員政策秘書募集の説明会を実施。約170名を超える。マスコミの関心も高い。むろん,現在の政治情勢は千葉景子法務大臣をはじめ日弁連の政策実行のチャンスではあるが,慎重に,着実に実現を図りたい。28日には各種委員長会議(臨時)を開き,正副会長会議で優先順位を決め,実現をはかりたい。選挙後には多くの議員と面会した。弁政連に感謝する。9月11日の日弁連60周年記念行事も盛況で,寺島実郎氏の講演「日本の立ち位置」も評判が良かった。

【3 報告事項1 会務報告の件】
小林優公(まさひと)副会長(群馬)(資料12の6)
 担当業務の説明。ホースイは果樹栽培かと思ったが,梨の「豊水」ではなく法的サービス企画推進センターのホースイであった。資料以外には9月16日に小岩井駅のショッピングセンターで中小企業向け法律相談会を行なった。NHKTBSにも取り上げられた。また,会長報告の政策秘書説明会を行った。国会法の規定で司法試験合格者は資格試験免除とされており,今後具体的な手続を進める。また,組織内弁護士推進全国キャラバンも進めている。地方自治体の例として,逗子市からの活動例が報告された。行政暴力や不動産管理なども期待されている。業務分野拡大の一環であるが,報酬が問題。

【4 山岸憲司副会長(東弁)から60周年記念行事に対する感謝の挨拶】

【5 法的サービス企画推進センター本部会議】
小林優公(まさひと)副会長(群馬),出井直樹事務局長,飯田隆副本部長,藤原靖夫研修・業務支援室嘱託
(議題資料,当日配布資料)
修習生就職支援
 現行62期修習生では,全体354名中,弁護士登録291名,任官7名,任検11名,弁護士未登録者45名の状況(昨年,609名中29名という数字と比較すると厳しいか。)。
 新62期は未定率19%,247名が未定。昨年の同時期13%と比較して,厳しい状況。
 細井土夫(つちお)副会長(愛知県)から愛知の状況報告。ここ3年100名の入会。修習生の進路きめ細かくフォロー,チューターや就職可能事務所のピックアップなど,現状であと6名が未定の状態。
 法科大学院関係者との懇談会についての報告。63期採用情報説明会の報告。ひまわりナビの参加者が伸び悩みの状況。即時即独開業予定者相談会28名参加。組織内弁護士推進の札幌集会の報告。中小企業支援センターの準備状況報告など。
 和田光弘理事(新潟県)から新潟県弁護士会の就職情報説明会の日弁連ホームページ掲載が断られたと聞いているがおかしいのではないかとの質問(→断ることはなく掲載されているはずとの回答),山下哲夫理事(広島)から修習生は2,3年後に独立するからということで就職を拡大しそれを進める施策を考えたらどうかとの意見(→潜在的求人情報として1年だけとか,一般的な給与とは異なる条件とかも含めて就職を進めるとの回答),小出重義理事(埼玉)から,各弁護士の求人情報掲載要請について単位会の会長照会が来ており,埼玉では苦情の多い弁護士の掲載を拒否するようにしたが,日弁連・単位会のそれぞれの基準はあるのかという質問(→日弁連では業務停止以上,各会は独自だが,具体的な基準をもっているのは東京三会と大阪か),春名一典理事(兵庫県)から,中小企業相談会では,法律相談と銘打つと件数が減少するのではないか,他士業との連携を行い「広い相談会」のなかの一分野としての法律相談という位置づけがいいのではないかとの意見(→十分参考にさせてもらいたい),寺垣琢生理事(鳥取県)から,中小企業相談のキャンペーン期間中無料相談に対して日弁連の費用負担はあるのかとの質問(→心苦しいがない),原 章夫(あきお)理事(長崎県)から相談電話の専用ダイヤルを設けない方針だがそれではだめなのかとの質問(→各会の実情にあわせてもらっていい)などが出される。
◎最後に,日本CSR普及協会第5回研修セミナーへの参加要請(法的サービス企画推進/資料30−1)。

【6 報告事項4 債権法改正の件】
畑 守人副会長(大阪)(資料26の1の2)
 説明協力者:岡正晶(おか まさあき)司法制度調査会委員(第一東京),深山雅也(みやままさや)同委員(第二東京)
 岡正晶委員から,論点として(1)労働契約を民法に入れるのか,(2)使用者の「責めに帰すべき事由」を「義務違反」とするか,(3)「通常生ずべき損害」を「予見すべきであった損害」とするか,(4)「隠れた瑕疵」概念をなくすか,(5)下請による注文者への直接請求を認めるか,(6)債権者代位権による事実上の優先弁済をなくすか,(7)保証人保護のための説明
義務及び資力対比を入れるかなどについて,深山雅也委員から「自由と正義」の論文(1)日弁連の取り組み,(2)なぜ改正か(国際的に通じるために,解釈で決まるルールではなく平易なルールを,条文の詳細化),(3)消費者契約法との関係,(4)契約責任の現代化,(5)金融法務への影響,(6)倒産実務への影響などについて,簡略に説明。

【7 審議事項2 最高裁第3回「裁判迅速化に係る検証に関する報告書」に対する意見書案の件】
畑 守人副会長(大阪)(資料17の2)
説明協力者:出井直樹(いでいなおき)裁判迅速化法問題対策委員会事務局次長(第二東京),藤井克已(ふじいかつみ)同事務局委員(福岡県)
 平成21年7月10日最高裁が公表した第3回「裁判の迅速化に係わる検証に関する報告書」に対し意見書を出すもので,その要点としては迅速化法は基盤整備法であるから,審理適正充実や制度改善も考慮すべしとし,民事事件の長期化要因(争点整理・証拠偏在・専門知見・執務体制)解消のために制度改正や物的人的態勢の拡充を求め,専門知見訴訟の管轄集中極端化について効率とは言え,国民の裁判を受ける権利の観点から批判し,刑事事件については今後被告人の防御権の観点からの検証が必要とし,家事事件について裁判所の態勢充実・証拠収集方法整備を指摘した。承認。
 和田光弘理事(新潟県)から,裁判官の配置拡充のために,裁判所が件数基準のみにこだわりすぎていないかとの質問(裁判所自体が裁判官の手持ち事件数を公表していないため,数的検証ができていない。仮処分や労働審判なども加味してどの程度の裁判官が必要が明らかにする必要がある。),山元 浩 理事(山口県)から,裁判官がどの程度繁忙なのか,件数だけではなく,支部や地方庁などの職務もあわせてその度合いを検討する必要があるとの意見(→もともとの予算が件数を基準に組み立てられているが,政権交代を機会に予算編成の考え方から検討してもらいたい),外に,原 章夫(あきお)理事(長崎県),小出重義理事(埼玉),永井哲男理事(釧路)などからも,裁判官が件数データをもっていないこと,そもそも手持ち件数が多すぎるから陳述書を多用し尋問をしぼること,件数基準ではなくもっと別の評価も視野に入れるべしなどあり。また,黛 千恵子理事(福井)から刑事事件の記述が少ない,公判前整理での証拠の絞り込みの問題点に触れるべきとの意見(→別な有識者会議の場などで取り上げる課題か),鈴木克昌(かつよし)理事(群馬)から家事事件で原則として預金を遺産分割から外すなどの不適切な扱いを問題にすべきとの意見(→家事法委員会などで取り上げる課題か)などが出される。

− 昼 食 −
☆ 経理委員会 ☆小規模弁護士会協議会 ☆弁護士会館問題理事会内対策協議会 等の各会議あり。

【8 宮崎会長から千葉法務大臣との面会についての報告】
(1)国内人権機関設立,(2)個人通報制度(選択議定書)批准,(3)取調べ過程の可視化について取り組む予定。協力をよろしくとのこと。
※ 資料の事前送付について理事から次の意見あり。
(1)正木理事(兵庫):資料を薄くできないか? これは読んで欲しいという大事なところをポイントをつかんでマークできないか。
→宮崎会長:送付は事前と頑張っている。意見書についてはペラ1枚くらいに論点などを各様にしたい。
(2)小出重義理事(埼玉):できるだけ事前に送って欲しい。執行部の選択が危ない。きちんと読んでくるべき。サマリーはだめ。
(3)吉峯康博理事(東京):システムとして何がスジかと考えると事前に送るべき。できれば金曜日。サマリーをつくって頂ければありがたいとは思う。

【9 要請事項7 政府・国会・政党等への要請活動の件】
丸島俊介事務総長(資料16の2)
集約の要請。

【10 審議事項12 人権のための行動宣言2009案の件】
藤本 明副会長(札幌)(資料42の7の4,同7の4の2)
 説明協力者:村山晃(あきら)新たな「人権のための行動宣言」検討委員会委員長(京都),石田法子(のりこ)同副委員長(大阪),市川正司(まさし)同副委員長(第一東京),小林七郎(しちろう)同事務局長 (東京),茂木鉄平同事務局次長(大阪),松本隆行同事務局次長(兵庫県),千木良 正(ちぎら ただし)人権救済調査室室長
 先回,頭出しをした。刑事関係に身柄不拘束の原則を盛り込み,死刑については別項目を設けた。戦争被害者や同和問題をめぐる人権についても意見が寄せられたが,提案の通りの内容となった。民暴を分離することを賛成多数で可決し,修文の上承認。
 各理事から以下の意見が出された。
(1) 犯罪被害者と民暴は性格が違うし運動も異なっており分離をすべし(武井共夫理事−横浜)。民暴は暴力団の非合法化をめざしており,市民社会の安全を確保するメッセージが必要(佐野義房理事−千葉県)。
(2) 刑事において身柄不拘束が入ったのはいいが短期間拘束を盛り込むべし,開示対象証拠には取得過程にある証拠も含むのか。裁判員裁判は法改正を含むべき。(小出重義理事−埼玉)
(3) 死刑廃止を主張すべき。存廃と廃止では大きく違う,基調が廃止ならきちんと廃止を言うべき。形だけの議論なら言わない方がいい(櫻井光政理事−二弁)。死刑廃止はABAの目標(吉峯康博理事−東京)。
(4) 少年事件における冤罪の問題に触れるべし(吉峯康博理事−東京)。
(5) 障がい者の問題で「障がい」をあえて使う意味を明らかに(吉峯康博理事−東京)。
 説明協力者からは要旨(1)民暴以外にも多くの分離・個別の課題の指摘があり収拾がつかない,(2)証拠リストは全ての証拠が対象,(3)勾留期間の短縮は検討する,(4)裁判員は法改正を含む,(5)死刑は国民に知ってもらうことが重要で,廃止には会内議論を尽くす必要がある,(6)「障がい」の使用は「害」が属性を表すとの誤解を避けるためであり,自治体も同様,などの答弁あり。
 さらに,民暴に対する分離意見(武井共夫理事−横浜,佐野義房理事−千葉県,藤本邦人理事−香川県),死刑廃止賛成論(小出重義理事−埼玉),死刑執行停止やむなし論(金子武嗣理事−大阪),犯罪被害者は刑事と絡ませない・弁護士増員問題への言及(小出重義理事−埼玉),戦争被害者の中でも被爆者問題は特別に言及すべし(高崎暢(とおる)理事−札幌)などの意見あり。
 宮崎会長から,項目建てについては様々に意見があるがこの程度でできないか,死刑もいきなり廃止は会内議論の関係で困難ではないか,とのとりまとめ。
 これに対し岡部光平理事(横浜)から民暴は分離をするとの動議提出,この点だけの採決を先行させる。(宮崎会長の採決結果の発表に誤りあり,正式には分離賛成が79名中47名(分離反対29名)に達し,結果として分離して修文を行なうことになる。)
★一言コメント 確かに犯罪被害者とは異なる側面があり,いわば犯罪被害者が事後救済であることに比して,民暴は市民の人格権(安全・安心生活遂行権)による事前予防になろう。その人格権による予防請求の射程として,暴力団の非合法化を含めてどこまでの請求が構想できるかは,検討の必要があると思う。

【11 審議事項13 第52回人権擁護大会宣言案の件】
有田佳秀副会長(和歌山)・藤本 明副会長(札幌)
(資料43の2の3(再配付),資料43の2の6〜2の9,資料43の2の10〜2の12) 
(1)「人権のための行動宣言2009」のもと人権擁護活動を一層推し進める宣言(案)
説明協力者:石田法子(のりこ)第52回人権擁護大会運営委員会委員長(大阪)(以下,各宣言案に同席),村山晃(あきら)新たな「人権のための行動宣言」検討委員会委員長(京都),小林七郎同事務局長(東京)
(2) 表現の自由を確立する宣言〜自由で民主的な社会の実現のために〜(案)
二瓶和敏(にへいかずとし)同大会シンポジウム第1分科会実行委員会委員長(東京),佃克彦(つくだ かつひこ)同実行委員会事務局長(東京),日隅一雄(ひずみかずお)同実行委員会委員(第二東京)
(3)地球温暖化の危険から将来世代を守る宣言(案)
浅岡美恵同大会シンポジウム第2分科会実行委員会委員長(京都)
(4)消費者被害のない安全で公正な社会を実現するための宣言(案)
坂 勇一郎(さか ゆういちろう)同大会シンポジウム第3分科会実行委員会委員長(第二東京),中村忠史(ただし)同大会シンポジウム第3分科会実行委員会事務局長(東京)
(5)取調べの可視化を求める宣言−刑事訴訟法施行60年と裁判員制度の実施をふまえて−(案)
幣原 廣(ひろし)同大会運営委員会委員(第二東京)
 各宣言案につき,個別に説明。先回の議論後の修正点など。
(2)表現の自由(43−2−10)について,インターネットの評価と弊害の明記,自衛隊による情報収集,個人通報制度への批准などを盛り込んだ。
(3)地球温暖化(43−2−11)については,3頁10行目に「生態系が破壊され」を挿入し,6頁見出し2項の「低い日本の国内削減目標と」を削除,同頁最終行から7頁2行目まで削除,11頁(3)上4行目「民生業務」を「業務・家庭」に変更,同頁(3)2段落目冒頭に「都市の」を付加するとの説明。
(4)消費者(43−2−9)については8頁の(4)見出しに「消費者委員会」を追加。
(5)取調べ可視化(43−2−12)については,3頁に「人質司法の打破」を,5頁にオバマ大統領の一部録画反対を,8頁に刑事司法の課題として起訴前保釈,代用監獄廃止を,それぞれ盛り込んだ。
一部(取調べ可視化の宣言案),修文の上,全て承認。
 小出重義理事(埼玉)から「身柄不拘束原則確立」の文言をとの意見があり,月山純典(つきやまじゅんすけ)理事(和歌山)からも具体的な修正文言を明らかにとの意見から,同宣言案1頁の最終行及び同8頁下から2行目に「身柄不拘束原則の徹底」という文言を挿入する修文を行なった。

【12 審議事項10 刑事施設における性同一性障がい者の取扱いに関する人権救済申立事件勧告書案の件】
藤本 明副会長(札幌)(資料41の2)
説明協力者:石田法子人権擁護委員会委員長(大阪),平原 興(ひらはら こう)同刑事施設における性同一性障害者の取扱いに関する人権救済申立事件・事件委員会委員長(埼玉)
性同一性障がい(gender identity disease or disorder:GDI)の申立人に対する刑務所での処遇のうち,収容を除き,髪型・着衣・入浴・身体検査などが,性自認に基づいた取扱いにされることを勧告する内容。承認。
 鈴木敏弘理事(静岡県)から,静岡刑務所での同様事例での申立の扱いについて質問がなされ,現在調査中との回答。
★一言コメント:「性同一障害」(「性自認の不一致」と訳すべき。二宮周平)については,二宮周平『家族と法−個人化と多様化の中で』岩波新書 2007年12〜16頁参照。

【13 取調べの可視化実現本部全体会議】
川崎達也副会長(二弁),幣原廣事務局次長
 取調べの可視化(取調べ全過程の録画)の実現を求める各地要請行動について,民主党議員用のチラシと野党用のチラシの配布と,臨時国会後の10月20日ころまでの各議員面談活動の要請あり。

【14 要請事項8 第16回弁護士業務改革シンポジウムの件】
小林優公(まさひと)副会長(群馬)(資料32の4)
説明協力者:小原 健(おはら たけし)第16回弁護士業務改革シンポジウム運営委員会委員長(第二東京)
 11月20日に松山で開かれる業務改革シンポへの参加要請。現在,参加者400名で
前年度の765名に比較して不足している。

【15 審議事項1 弁護士過疎・偏在対策のための特別会費徴収の件中一部改正の件】
細井土夫(つちお)副会長(愛知県)・山岸憲司副会長(東弁)】(資料5の5の3)

【16 審議事項7 弁護士偏在解消のための経済的支援に関する規則中一部改正(対象地区要件拡大)の件】
細井土夫(つちお)副会長(愛知県)・塚本侃(つよし)副会長(熊本県)(資料33の3の1の2)

【17 審議事項8 弁護士偏在解消のための経済的支援に関する規則中一部改正(特別独立開業支援新設)の件】
細井土夫(つちお)副会長(愛知県)・塚本侃(つよし)副会長(熊本県)(資料33の3の2)

【18 審議事項9 「日弁連ひまわり基金」支出に関する規則中一部改正の件】
細井土夫(つちお)副会長(愛知県)・塚本侃(つよし)副会長(熊本県)(資料33の5の2)
説明協力者:太田治夫(おおたはるお)日弁連公設事務所・法律相談センター委員長兼弁護士過疎・偏在対策のための基金と特別会費のあり方に関する検討ワーキンググループ副座長(東京),田岡直博同事務局長(第二東京),藤原靖夫同事務局次長(東京)
 前回理事会からの継続案件。前回理事会の過疎・偏在対策は,国の責任か,日弁連の責務かとの議論をふまえ,過去の総会決議に即して,日弁連が「国の責務」として過疎・偏在対策を求めた結果,不十分ながら司法支援センターが「補完的役割」を担う現状に至ったこと,今後の状況を考慮しつつ両者の「適切な役割分担」を行なう方針を明記した。承認。
 小出重義理事(埼玉)から,「過疎・偏在対策は国の責務」と明記したことを評価する意見がでる一方,高崎暢(とおる)理事(札幌)から,確かに過疎・偏在対策がすべて日弁連の責任とするのは言い過ぎであったが,国のやり方をあてにするのは間違っており,日弁連が主体的にその基本方針を立てる必要がある,過疎対策に対する日弁連の基本スタンスをはっきりさせ,グランドデザインの方向付けをはっきりさせるべき,過疎対策を法テラスにゆだねるのは危険であり,身銭をきってでもやろうとしている道弁連のすずらん法律事務所,東北弁連のやまびこ法律事務所,九弁連のあさかぜ法律事務所などをどう位置づけるのかもっときちんとして欲しい,そのためには特別会費の値下げもこの段階では納得し難いとの意見が出される。

【19 多重債務対策本部】
藤本 明副会長(札幌),宇都宮健児本部長代行,新里宏二事務局長
 改正貸金業法完全施行に向けた状況として,一部民主党議員に反対の動きがあり,過払金請求を立法的に禁止する提案などがでており,各弁護士会の会長声明や自治体の意見書採択等で対応する必要がある。またNPOバンクの例外的取扱いを求める動きもある。また、「債務整理事件処理に関する指針」についても反響が大きく,実態調査を進める予定。
 岡部光平理事(横浜)から,東京三会の債務整理基準を誤って理解し、かつこれを業者に強制する処理があるが,先般の指針をもっと広報する必要があるのではないかとの意見。

【20 審議事項16 外国弁護士制度研究会中間取りまとめに対する意見書案の件】
川崎達也副会長(二弁)(資料51の1の10〜1の11,資料51の1の12)
説明協力者:出井直樹外国弁護士制度研究会幹事(第二東京)
 これまでの理事会での議論もふまえ,A法人(外国法事務弁護士の社員による外国法のみを取り扱う法人)及びB法人(外国法事務弁護士と日本の弁護士とがともに社員となって外国法・日本法の双方を取り扱う法人)ともに組織変更,懲戒など議論の必要があるし,仮に導入するとしても既存の法体系との整合性をはかりつつ適切な法律が必要,さらには指導・監督の実効性確保のために調査権が必要との意見。76名中,賛成66名,反対6名,棄権4名で承認。
 各理事から,導入に対する慎重論の立場からの質問がなされ(高崎暢(とおる)理事−札幌,半田稔理事−山形,吉成 務理事−徳島),川崎達也副会長−二弁から資格を取らない外国法事務弁護士による活動は非弁であり,現段階では「フライイン・フライアウト」(短期間の来日による弁護士活動の問題)の是非が論じられているとの説明あり。外にも,不当関与の補足が困難(我妻崇理事−仙台),共同事業による進出を阻止できない(池永 満理事−福岡県),業務実態の展開を考えると慎重になる必要がある(山下哲夫理事−広島)などの意見が出され,意思表示の明確化を図るため,挙手による採決がなされた。

【21 審議事項18 会則中一部改正(第四十条・総会代理数変更)の件,審議事項18−2 会則中一部改正(第五十二条・代議員会代理数変更)の件,審議事項18−3 会則中一部改正(第四十三条・代議員の選任割合の変更)の件,審議事項18−4 外国特別会員基本規程中一部改正の件(資料5の6の4)】
田中等副会長(一弁)
 各議案を分離し,代議員の選任割合のみを平成22年12月31日から施行とし,他は平成22年1月1日からの施行とする。各会の意見が個別に異なっているため。承認。

【22 審議事項4刑事施設視察委員会のあり方に関する意見書案の件】
細井土夫(つちお)副会長(愛知県)(資料19の10の3)
 刑事施設委員会の改善点として(1)委員会構成で支所を考慮することや活動方法について被収容者による秘密提案ができる方法の確立や補助者を加えること,予算増額で委員会開催を増加させること,(2)視察委員会の意見に対し矯正管区長や法務大臣の応答義務を盛り込むこと,(3)委員会の意見と施設が講じた措置についてホームページで公表することなどを意見書として出す。承認。
 山元 浩 理事(山口県)から弁護士会推薦委員の扱いについての質問あり。

【23 ☆要請事項1 刑事被収容者処遇法「5年後見直し」に向けた検討の件】
細井土夫(つちお)副会長(愛知県)(資料19の10の4)
各会で,5年後見直しに向けた改革課題のとりまとめと勉強会の開催を行なった上,2010年初頭までに提案を連合会に出して欲しいとの要請。19−10−4−2の資料に論点一覧表あり。


● 第2日目 2009年(平成21年)9月18日(金)午前10時〜

【1 森泉邦夫理事(長野県)による特別発言】
 長野で9月25日に関弁連大会が開かれる。テーマは「ケータイ世代の子ども達−子どもとインターネットの関わりの適正化をめざして−」ということで,ケータイ電話普及に伴う,子どもによるインターネット利用のあり方を考える。ケータイ電話を規制する動きに対して,それでいいのかと言う問題提起を行なう予定。また伊那支部の建て替え問題があり,現状の場所が極めて不便だったにも関わらず,当初,現地建て替えの方針であったところ,理事らの協力を得て,近くの定時制高校へ移転する見込みがでてきた。今後とも対応を慎重に行なう。
★一言コメント:先日『関弁連』シンポジウム『ケータイ世代の子どもたち−子どもとインターネット関わりの適正化をめざして−』(長野市・ホテル国際21)に参加しましたが,報告書(329頁)は極めて良くできており、一例を挙げると「第5章 メディアリテラシー教育」(161〜172頁)など優れた著述に満ちています。また、「講演録」(1)〜(7)(195〜229頁),「聴き取り記録」(1)〜(5)(230〜244頁)など『資料』も充実しています。入手していない方は損です。弁護士2年目1981年に『関弁連』シンポジウム『少年と警察活動』に関与させてもらい大変良い経験になりました。なお、会場の「ホテル国際21」は、約150室ありますが、バリアフリーの部屋が一つもない『反バリアフリーホテル』です! 驚きました!!

【2 報告事項8 最高裁判所裁判官候補者推薦に関する件】
宮崎誠会長
 中川最高裁判事(一弁)の後任に対する推薦手続についての報告。合計6名(一弁、二弁、東弁、大阪の他に、福島、横浜からも候補者がいます)が各会から推薦され,6名とも推薦される予定。
最高裁推薦諮問委員会の面談での統一質問事項は、次のとおり。
1)司法改革を踏まえ最高裁の果たすべき役割
2)最高裁になった後にどのような裁判官となるのか。
3)思い出深い事件 
4)最高裁判例の印象に残った事件

【3 要請事項5 受信障害対策紛争処理事業(相談事業及びADR事業)の件】
川崎達也副会長(二弁)(資料38の3)
説明協力者:渡部晃(わたなべあきら)ADR(裁判外紛争解決機関)センター委員長(一弁)
2011年7月までの地上デジタル放送移行に伴う,受信障害対策紛争処理事業(相談事業及びADR事業)実施のため,各単位会から資料8頁記載人数の弁護士の推薦を9月30日までにお願いしたい。
 藤本邦人理事(香川県)から放送局の顧問の弁護士を推薦することが可能かという質問(→場合によっては放送局の承諾を前提に可能),富川泰志理事(旭川)から北北海道の調停の頻度についての質問がなされた。

【4 審議事項5 『子どもの人権を尊重する暴力のない少年院少年鑑別所』への改革を求める日弁連提言案の件】
足立勇人(ゆんど)副会長(茨城県)(資料21の6)
説明協力者:影山秀人 子どもの権利委員会委員長(横浜),相川 裕同副委員長(東京)
 広島少年院における職員暴行事件を契機に,少年院・少年鑑別所の処遇のあり方の見直しを求める意見書案。「視察委員会」新設,権利告知と不服申立制度の創設(「少年院・少年鑑別所審査会」新設),市民参加と情報公開の推進,立会いなしの弁護士面会の実現などを骨子とする。承認。
 高岡信男理事(東弁)から,自殺者の状況などから少年刑務所の問題も検討する必要があるとの意見(→検討したい),山下哲夫理事(広島)から,無立会面会の申し込みは規則をたてに不許可となっている,現在少年院に要請中・反応なしとの報告,金子武嗣理事(大阪)から,重要な問題であり執行をきちんとする必要がある,他の委員会とも連動する必要があるとの意見,吉峯康博理事(東京)も同様の意見,東隆司(たかし)理事(岡山)から,職員も黙認していた可能性もあり,日弁連から講師を送り職員教育をする必要があるとの意見,吉峯康博理事(東京)から,日本は25年前(19年前の間違いです!)の国際準則を決めるときから単独で少年の権利擁護に反対し国際的に孤立していた,根が深い問題との指摘あり。
★ 一言コメント:『自由を奪われた少年保護のための国連規則(被拘禁少年保護原則)』について
「このルール(88項ある)は,審判前の逮捕,勾留から少年院,教護院,少年刑務所など,あらゆる形態の少年施設に収容された少年の保護に関する最低基準規則であり、その内容は,まさに包括的で,かつ徹底的に少年及び少年の権利擁護の立場にたっており,画期的な国際文書である。大人でいえば被拘禁者最低基準規則(1955)に匹敵する重要な文書と思われる。・・政府内外の専門家−刑法学者,判事,弁護士,行政官及び少年施設の職員(このなかには,心理学者,教育者,医者,ソーシャル・ワーカー等がいる)−が草案作成過程に広範に参加した」「日本政府は、事前討議から本番の今回の会議に至るまで,このルールに対しネガティブな態度をとった。」「日本政府は,今回の会議のなかでも,このルールに関して1つだけ提案をした。その提案は『この規則の第3項に,この規則は国連が採用する最低(minimum)基準を確立することを意図するものであるとあるが,最低基準の最低(minimum)は,削除すべきである。この基準は努力目標であるべきで,最低基準とすることは非現実的である。』というものであった。議長は,『提案をサポートする国はいるか』と聞いたが,1ヶ国もサポートする国はなく,提案は即座に否決された。日本政府の立場が余りに鮮明に浮き出た場面だった。」(『自由と正義』1991年2月号129〜130頁


【5 審議事項6 児童虐待防止のための親権制度見直しに関する意見書案の件】
足立勇人(ゆんど)副会長(茨城県) (資料21の7,資料21の7の2)
説明協力者:平湯真人(ひらゆまさと)子どもの権利委員会児童虐待防止のための親権制度研究会バックアップチーム座長(東京),磯谷文明(いそがえふみあき)同バックアップチーム委員(東京)
 児童虐待を受けた子どもを効果的に保護するために親権制度の見直しを提言するもの。過去の日弁連の意見書をふまえ,現在の親権全面的制限制度を改革し,親権の一部,一時的制限を制度に盛り込み,それに見合った後見人,監護者指定,施設保護の制度を導入し,親の懲戒権規定を削除し,子どもの「暴力及び屈辱的方法によらない養育を受ける権利」を明文化する。承認。
 東隆司(たかし)理事(岡山)から,児童虐待などの背景には貧困などの問題があり,家庭裁判所にできることにも限界がある,その点の考慮はとの質問があり,平湯座長からは社会経済的背景は大きいから裁判所のできることは限定的にとらえているとの回答。

【6 審議事項11 生存権保障水準を底上げする「新たなセーフティネット」の制度構築を求める申入書案の件】
足立勇人(ゆんど)副会長(茨城県) (資料42の2の10)
 新たなセーフティネットとして,雇用保険制度の大幅拡充,生活保護制度の適用抑制の回避,最低生活費以下収入者への給付,貸付時の相談機能の強化,相談窓口の一本化,運用の改善などの申入を行なうもの。承認。
 和田光弘理事(新潟県)から,基本的には住居の確保が各給付の基礎になっている現状からして,その確保について強調すべし,との意見,これに関連して,小出重義理事(埼玉)から,埼玉弁護士会が独自にはじめたNPO法人との連携による住宅確保のための取り組みについて紹介あり。

【7 ☆要請事項9 全国一斉電話相談「子ども・女性・ひとり親世帯生活ホットライン」の件】
足立勇人(ゆんど)副会長(茨城県) (資料42の2の11)
説明協力者:森川 清 貧困と人権に関する委員会事務局次長(東京)
11月26日(木)を中心に,各単位会で「子ども・女性・ひとり親世帯 生活ホットライン」の取り組みの要請。10月26日(月)までに報告する。フリーダイヤル設置費用として5万円補助。

【8 審議事項14 「損害賠償等消費者団体訴訟制度」要綱案の件】
藤本 明副会長(札幌) (資料44の5)
説明協力者:野々山 宏(ののやま ひろし)消費者問題対策委員会委員(京都)
 適格消費者団体による消費者被害の集団的救済のための訴訟制度を立法化することを前提に,その要綱案を提案するもの。救済対象の請求権(不法行為損害賠償,不当利得返還請求,債務不履行損害賠償,製造物責任損害賠償,情報漏洩損害賠償),訴訟追行要件(同一・同種の原因,損害立証類型的,損害立証容易),個別消費者への判決効の拡大と手続除外の告知,損害立証・認定の特則,分配方法,その他(和解における裁判所の監督,適格消費者団体の報酬は裁判所が決定,手続上の督促整備)を提案する。下記の議論の上,「報酬」提案を削除するかどうか議論し,採決の結果(82名中52名削除に賛成),これを削除することで,承認。
 鷲見和人理事(岐阜県)から,過払い事件への適用についての質問(→帳簿などにより個別立証が不要であれば可能),大野敏之理事(島根県)から分配の告知を知らないまま手続を徒過した場合の質問(→公費で公告を行なうが手続しない場合は基金など剰余金がなければ不可)などあり。その後,村井豊明理事(京都)から,消費者団体が実費弁償以上に報酬を受けることは弁護士法72条との関係で問題ではないかとの意見が出され,説明協力者の見解(適格消費者団体であること,組織的活動により労力報酬は必要なこと,裁判所が決めることにより適正であること)が示されるものの,議論が紛糾した。岡部光平理事(横浜),半田稔理事(山形),小出重義理事(埼玉)などから意見があり,再度の整理をする。
 整理後,藤本 明副会長(札幌)から72条の例外規定として提案することを解説に盛り込むことで了解して欲しいとの提案があったが,再度,村井豊明理事(京都),木津川 迪洽(みちひろ)理事(一弁),川上博基理事(岩手),高岡信男理事(東弁),矢吹公敏理事(東弁)らが賛否双方の立場で議論し,宮崎会長が採決をとる。

【9 審議事項17 職務上の氏名に関する規則中一部改正の件,審議事項17−2 外国法事務弁護士の職務上の氏名に関する規則中一部改正の件(資料55の4〜4の2)】
田中等副会長(一弁)
 弁護士・外国法事務弁護士による職務上の氏名使用許可・不許可の通知に関する根拠条文が未整備であったため,整備をするもの。承認。

【10 要請事項3 新第63期司法修習生等に対する採用のための勧誘行為自粛に関する協力要請の件】
田中等副会長(一弁)(資料34の6)
 矢吹公敏理事(東弁)から大手事務所の採用が有利になるだけとの意見,武井共夫理事(横浜)理事から一ヶ月の自粛でどれだけ意味があるのか,小出重義理事(埼玉)から弁護士会が毅然としてやめろと言うべき,法テラスの例外もおかしい,玉城辰彦理事(沖縄)から沖縄では26名の修習生のほとんどが内定して実務にくる状況との報告,山根祥利(としかず)理事(東弁)から自粛の問題はかなり崩れており意味がない,との意見などが出される。

【11 消費者行政一元化推進本部】
藤本 明副会長(札幌),中村雅人本部長代行,吉岡和弘委員,石戸谷 豊(いしとや ゆたか)事務局長
 8月21日以後の情勢報告。会長声明などにより人事が変化した。政権交代により第2回委員会は取消。見直しがあるか。今後,プレシンポなどに協力して欲しい。

【12 要請事項4 再任期裁判官の情報提供活動の件】
山岸憲司副会長(東弁) (資料36の3)
説明協力者:木村清志(きむらきよし)裁判官制度改革・地域司法計画推進本部本部長代行(徳島)
 2010年度上半期再任裁判官に対する情報提供の要請。10月末までに高裁あてに行なう必要がある。具体的な情報提供に協力を。
 我妻崇理事(仙台)理事から前任地の名簿も作成して欲しいとの要望。努力したいとの回答。
 木村説明協力者から,最高裁判事推薦の意見書案として,これまで推薦してきた大単位会の「推薦枠」見直しの議論がなされていることについて報告。

【13 意見交換1 裁判員制度に関する件】
山岸憲司副会長(東弁)・武井康年副会長(広島) (資料18の1の19)
説明協力者:幣原 廣 裁判員本部事務局長(第二東京)
 各単位会で傍聴席確保の申入を。また,事例検討会についても報告して欲しい。経験交流会に経験者一名の参加交通費提供の補足説明,メルマガ参加への要請,裁判員法違憲の申立の情報提供,性被害者のプライバシー保護の運用についての報告,千葉事件のニュース報道での協議申入の報告など。
 室田則之理事(函館)から弁護人情報の提供についての質問(→最高裁は認めていない)。
 正木靖子理事(兵庫県)から控訴審のあり方についての質問,鈴木克昌(かつよし)理事(群馬)からの補充裁判官の関与の程度と無理由不選任の行使状況についての質問,月山純典(つきやまじゅんすけ)理事(和歌山)からの情報提供,小出重義理事(埼玉)からの控訴審問題は法の不備との意見などが交わされる。

【14 審議事項3 裁判員制度実施本部設置要綱廃止の件、審議事項3−2 裁判員制度実施本部の廃止に伴う設置要綱整備の件(資料18の6〜6の2)】
椛嶋事務次長
承認。

【15 国選弁護対応態勢確立推進本部全体会議】
武井康年副会長(広島)・山岸憲司副会長(東弁)・荒 中(あら ただし)副会長(仙台)
佐藤太勝(ひろかつ)副本部長,山口健一事務局長,栗山 学 報酬部会部会長

【16 ☆要請事項2 国選弁護活動に関する実情調査の件】
山岸憲司副会長(東弁) (資料19の12)
 国選弁護報酬の実情調査を行い,日弁連の「報酬改善の基本方針」に到達できるための材料集めを行なう。対象事件は今年11月から来年1月までの事件で,締め切りは2月26日。また,謄写費用の補償問題も残っている。
 国選弁護報酬の過大請求防止策については,刑事施設用の資料ができた。留置施設とほぼ同様の書式である。そのほか,新型インフルエンザ等の緊急事態時の国選弁護の通知業務など。

【17 報告事項7 個人情報の保護に関する法律についての経済産業分野を対象とするガイドラインの改正案に対する意見書の件】
塚本侃(つよし)副会長(熊本県) (資料58の1の2)
前回理事会の指摘を受け訂正。

【18 報告事項11 奈良弁護士会被告事件の控訴審判決の件】
田中等副会長(一弁) (資料55の6)
 弁護士会の弁護士への指導監督権の高裁判決。所属弁護士の受任事件処理については原則として懲戒手続によるが,それ以外は懲戒を待っていては回復し難い損害が生ずるなどの特別な場合のみ。

【19 報告事項9 最高裁判所司法修習委員会の件】
田中等副会長(一弁)
 貸与制の詳細条件のうち,(1)期限の利益喪失の例外(不合格,妊娠,障がいなど),(2)貸与金の据え置き期間5年,(3)父母の保証人は保証人二人に変更などの改善あり。

【20 審議事項19 全国弁護士会災害復興の支援に関する規程中一部改正の件】
藤本 明副会長(札幌) (資料5の7)
原 章夫(あきお)理事(長崎県)が長崎弁護士会の意見を確認したいとのことで次回審議。

【21 審議事項23 消費者問題対策委員会設置要綱中一部改正の件】
藤本 明副会長(札幌) (資料44の7)
食品安全審査プロジェクトチームを発足させるために10名を増加し,定員130名にする。承認。

【22 報告事項 審議事項12における「人権のための行動宣言2009」における民事暴力部分の修正版の件】
有田佳秀副会長(和歌山)(資料42の7の5)
承認。

【23 報告事項10 討議資料「刑事訴訟実務の基礎」の到達目標案(第2次案)の件】椛嶋事務次長
 法科大学院で学ぶべき捜査実務,公判実務について,意見を取りまとめ,法曹三者が関与し,事件実務を参考に押さえておくべき基本論点と実務対応を授業イメージとともに提案するもの。

【24 ☆要請事項6 職務上の氏名に関する規程施行に伴う弁護士会の会則・会規・規則等の整備の件】
行田博文副会長(高知) (資料55の4の3)
「職務上の氏名に関する規定(会規第89号)」施行に伴い,各単位会で会則・会規・規則の整備を要請するもの。8種類以上の会規及び規則についての改正モデル案が添付されている。
 鈴木克昌(かつよし)理事(群馬)から読み替え規定による単純な方法はできないのかという質問あり。根拠規定を明確にするという意味では改正がいいのではないかという回答。

【25 審議事項15 社会資本整備審議会住宅宅地分科会民間賃貸住宅部会「中間とりまとめ」に対する意見書案の件】
藤本 明副会長(札幌) (資料44の6)
 国交省の諮問機関である上記分科会に対し、日弁連からの意見を提出するもの。紛争未然防止の観点から賃貸住宅標準契約書に盛り込むべき内容(原状回復ガイドライン明記,不合理契約慣行の排除など),紛争円満解決のための機関と費用,滞納・明渡しをめぐる紛争(保証会社の追い出し行為の規制)について指摘する。承認。

【26 日本司法支援センター(法テラス)推進本部全体会議】
荒 中(あら ただし)副会長(仙台),山田庸男本部長代行,小林元治(もとじ)副本部長,武藤 元事務局長,亀井時子法律援助事業対応チーム座長・民事法律扶助制度改革推進本部副本部長,彦坂浩一日本司法支援センター対応室室長
 法律援助事業(被疑者援助,付添い援助を除く)の事業費が赤字となっている現状をふまえ,日弁連は平成22年度予算について一般会計から2億円を繰り入れるとともに,次年度以降,特別会費の設定も含め検討していくことが必要。また,民事法律扶助も法務省の予算が底をつく可能性がでてきており,当面,利用制限を行なわないよう財政措置を講ずる要望とともに,次年度予算を獲得するよう要望を出す。
 小出重義理事(埼玉)から,前回理事会と同様,民事法律扶助の案件で資力要件を満たすとして紹介を受けた弁護士が,法律扶助の資力要件にあたらないことが判明した後で,たらい回しを防ぐために「直受け」をやるのは問題だとの意見表明あり。宮崎会長への確認(ワンポイントサービスとしてあり得る)や山田庸男本部長代行による説明(法テラス業務ではなく一般民事の事件紹介として受ける)に対し,原則をわきまえるべきだとの強い意見あり。
 永井哲男理事(釧路)から,予算の申出をするのはいいが,予算不足の影でスタッフ弁護士へのしわ寄せが懸念されている状況あり,人員配置も検討すべきとの意見や村井豊明理事(京都)から,予算は直接財務省への要望として出したらどうかとの意見(法務省からの予算要求がないと始まらない)など出される。
 また,小林元治副本部長から,身柄釈放後の国選弁護人の地位と活動への費用のあり方について,現在検討中であり,結論が出ていないが,示談などについては,民事法律扶助で対応するという考え方も検討されているとの報告がなされる。
 さらに,法テラスの情報提供のあり方について,亀井時子座長から,(1)コールセンターに一本化するのか,(2)法律相談までやるのか,という2点が問題になっており,現段階では正式の提案賭されていないものの,否定的な意見が多いとの見解が示される。
 吉成 務理事(徳島)理事から,法テラスのコマーシャルが地方局に流れ,法テラスが何でもできるとの印象を持たれていないかとの質問や,小出重義理事(埼玉)から,法律扶助や資力要件のことが宣伝されていないという指摘がなされる。回答としては情報提供のコマーシャルだが,調査するとのこと。

【27 三木正俊理事(札幌)特別発言】
 本日午後札幌弁護士会副会長が覚せい剤取締法違反で逮捕された。慚愧に堪えない。皆さんに申し訳ない。責任ある対応をとりたい。
以上

※この報告は、和田光弘(みつひろ)常務理事(新潟・33期)の正確な作業及び鈴木大祐(だいすけ)常務理事(東京・49期)の詳細なメモ(38枚)などに基づき、吉峯康博常務理事(東京)の責任でまとめた『速報』である。


(2009年10月1日記)


 
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