御殿場少年事件『それでも僕らはやってない〜親と子の闘い3000日』冤罪は菅家利和さんのように大人にも子どもにも多発している!!

御殿場少年事件

『それでも僕らはやってない〜親と子の闘い3000日』
冤罪は 菅家利和さんのように、大人にも、子どもにも多発している!!



 先般、2009年4月13日に、最高裁判所第一小法廷(櫻井龍子裁判長、甲斐中辰夫、宮川光治、涌井紀夫、金築誠志)で有罪が確定した御殿場少年事件について、テレビ朝日系列「報道発 ドキュメンタリ宣言」(月曜午後7時)で、6月1日に「それでも僕らはやってない〜親と子の闘い3000日〜」が放映されました。
 この放送に対する反響は大きく、6月29日(月)に続報が放送されます。

 御殿場少年事件弁護人の鈴木勝利弁護士(東京弁護士会)の論考「機能しなかった刑事裁判の原則−御殿場少年事件裁判問題点−」(週刊法律新聞 論壇 2009年6月12日)は、大変コンパクトで具体的で、極めて分かり易い論考です。
 是非お読み頂きたいと思います。
  ↓ ↓
鈴木勝利「機能しなかった刑事裁判の原則−御殿場少年事件裁判の問題点−」(週刊法律新聞 論壇 2009年6月12日)


御殿場事件「それでも僕らはやってない」テレ朝番組 
反響続々、続報放送へ

2009.6.13 産経新聞

 足利事件の報道で冤罪(えんざい)問題が世間の耳目を集める中、1本のドキュメンタリー番組が話題を呼んでいる。強姦(ごうかん)未遂容疑で逮捕されたものの無罪を訴え続けている少年の家族の姿を描いたもので、番組ホームページには2万件以上ものアクセスが殺到した。大きな反響に、番組では急遽(きゅうきょ)、続報を放送することを決めた。(松本明子)

 この番組は、テレビ朝日系「報道発 ドキュメンタリ宣言」(月曜午後7時)で1日に放送された「それでも僕らはやってない〜親と子の闘い3000日〜」。平成13年9月に静岡県御殿場市で起こった10人の少年らによる強姦未遂事件、いわゆる御殿場事件を取り上げ、物証も目撃証言もないとされるこの事件で逮捕された10人のうち、当時17歳の2人の男子高校生に密着した内容だった。

 無罪を信じる家族たちの執念の調査で、被害者少女の矛盾した証言などを突き止めるが、2人は1審、控訴審とも有罪。事件から8年が経過した今年、最高裁が上告を棄却し、懲役1年6月の実刑判決を受けていた2人は5月に収監された。


 この少年たちと家族の闘いの記録を放送した直後から、番組ホームページには大量の書き込みが寄せられた。「裁判員制度が導入されたことで、このような冤罪事件がなくなることを願いますが、やはり日本の裁判、司法を根本から見直す必要があると感じました。冤罪はもっとたくさん存在していると思います」(30代女性)、「もし放送がすべて事実だとしたら、この裁判はおかしいということです。情報を扱うメディアとしてはぜひ最後まで追及してほしい」(40代男性)などの共感の一方で、「何を根拠に無罪だと皆さん言っているんですか。テレビは時には洗脳されてしまう場合もある」(30代女性)といった意見もあった。

 御殿場事件は同局の「ザ・スクープ」で6年前に取り上げたのが最初。「ドキュメンタリ宣言」でナビゲーターを務める長野智子キャスターが、当初から取材を続けてきた。反響を受けて、29日の番組で続報を放送する。同局広報部では、「反響の大きさに驚いています。29日の放送では、収監前の本人たちの気持ちや獄中からの手紙など、前回放送しきれなかった取材部分も含めて紹介します」と話している。


御殿場少年事件有罪確定へ 弁護人、再審請求「可能性探る」=静岡
2009/04/16  東京読売新聞 朝刊  35ページ

 御殿場市で2001年9月、少女(当時15歳)を乱暴しようとしたとして、婦女暴行未遂の罪に問われた当時16〜17歳だった元少年5人(23〜24歳)の上告審で、最高裁が5人の上告を棄却する決定をした。事件から7年半。少年審判と刑事裁判の間を揺れた5人の有罪が確定する。

 この事件では少年10人が逮捕され、捜査段階で全員が犯行を認めた。静岡家裁沼津支部の少年審判で5人が否認に転じ、うち4人が検察官送致(逆送)後に起訴。もう1人は刑事裁判の無罪に当たる「不処分」となったものの、検察側が抗告し、東京高裁、最高裁で不処分が取り消され、その後起訴された。

 4人の1審公判では、検察側が、被害者がウソをついていたとして犯行日を9月16日から同9日に変更する訴因変更を行うなど、上告審まで一貫して被害者の証言と元少年の供述の信用性が主な争点となっていた。

 最高裁の棄却決定について、4人の弁護人の沼沢龍起弁護士は「犯行日が変更されたり、被害者の供述の信用性が認められたり、最初から厳しい裁判だった」としたうえで、「『上告理由に当たらない』と書いてあるだけで、(最高裁は)棄却理由に一切触れておらず、冷たい決定」と語った。

 再審請求については、「被害者の証言を信用するか、しないかの問題なので、再審に必要な新証拠を探すのは難しいが、可能性は探りたい」とした。

 沼沢弁護士などによると、棄却決定の通知は14日午前、元少年らのもとに届いた。同日夜、4人と家族が沼津市内の沼沢弁護士の事務所に集まった際、4人は落ち着いた様子で、収監に向けた心構えなどを話し合い、「これでおしまいではない」と声をかけあっていたという。

 この事件では、少年審判で中等少年院送致の保護処分となった元少年1人も、無実を訴えて保護処分取り消しを家裁沼津支部に申し立てて受理され、刑事裁判の再審にあたる審判が08年2月に始まり、08年12月に結審している。

 ◆元少年5人の経緯◆

2001年(H15年)
9月 少女が御殿場署に被害届
11月〜02年1月 当時15〜17歳の10人が婦女暴行未遂容疑で御殿場署に逮捕
2002年(H16年)
 4月14日 逆送された4人のうち3人を起訴
 5月23日 残る1人を起訴
 5月30日 地裁沼津支部で4人の初公判
2004年(H17年)
 3月22日 試験観察処分後に取り消された元少年1人に家裁沼津支部が無罪相当の「不処分
決定
12月20日 東京高裁が不処分決定を取り消し、家裁支部に差し戻す決定
2005年(H18年)
 3月30日 最高裁が元少年1人の再抗告棄却、家裁支部で審理へ
 6月8日 同支部が元少年1人を逆送
 9月15日 地検沼津支部が起訴
10月27日 地裁支部が4人に懲役2年判決
2007年(H19年)
 5月29日 地裁支部が元少年1人に懲役2年6月・執行猶予4年判決
 8月22日 東京高裁が1審破棄、4人に懲役1年6月判決
2008年(H20年)
 9月4日 東京高裁が元少年1人の控訴棄却
2009年(H21年)
 4月13日 最高裁が5人の上告棄却
 


 御殿場少年事件については、日弁連子どもの権利委員会でも、上記最高裁判決が出る前の2009年3月24日に、田中 薫 弁護士(静岡県弁護士会)を講師としてお呼びし、勉強会が行われ、私も出席しました。

田中 薫 弁護士、正木祐史 静岡大学人文学部法学科准教授
「付添人レポート 御殿場少年事件 少年の権利をどう保障していくか−検察官による抗告受理申立事案を契機として」
『季刊刑事弁護No42 2005年』116〜122頁

平成17年3月30日最高裁第一小法廷決定、平成16年12月20日東京高裁決定(これは、とても『悪い』決定です!!)及び平成16年3月22日静岡家裁沼津支部決定は、下記からご覧いただけます。
(刑集59巻2号79〜257頁)



 先日、足利事件の菅家利和さんが釈放された記事を私のブログに書きましたが(菅家利和(すがや としかず)さん(足利事件)の17年半ぶりの釈放を祝う!!警察官・検察官・裁判官の個人責任は?、冤罪は、大人にも、子どもにも、多発しているのです!!

 日本政府は、少年えん罪事件の存在を認めないためか、国連子どもの権利委員会に対する第1回から第3回の政府報告書で、少年えん罪事件に全く触れていないし、違法な捜査の存在する実態に目をつぶり、何の報告もしていません。
 しかし、日本政府統計(司法統計)によっても、数十年間に亘って、毎年毎年、年間百件以上から数百件まで、少年えん罪(『非行事実なし』による不処分と『非行事実なし』による審判不開始)は発生しているのです。実際には、『統計』には『暗数』があるのです。
 最近大人では、上記のとおり菅家利和さんが釈放された足利事件、真犯人が発見されたことにより服役後えん罪が晴れた富山強姦えん罪事件氷見事件 2007年 無罪となった柳原 浩 さんは、国賠訴訟を提起しました。※注)などが有名ですが、少年の場合も古くから(1950年)真犯人の発見・服役により、少年院出所後、無実が判明したケースも知られています。一体どれだけ多くの少年が無実に泣いてきたのでしょうか!!
 無実を晴らすのに、長い年月がかかるのは、少年にとってあまりにも残酷なことだと思います。

※注 富山の冤罪事件 賠償求め提訴へ
2009年5月9日 朝日新聞

 強姦などの罪で服役後、無罪とわかった富山市の柳原浩さん(41)と弁護団が8日、金沢市で会見し、国と県などに約1億円の損害賠償を求める訴訟を、14日に富山地裁に起こすことを明らかにした。柳原さんは、国と県、さらに当時取り調べを担当した警察官検察官1人ずつが連帯して約1億4000万円を支払うよう請求する。



 冤罪事件について、これまで私がブログに書いた下記記事もご覧下さい。

・2006年1月11日 「少年えん罪事件について−綾瀬母子殺人えん罪事件などを素材に−」
・2007年11月9日 取り調べの全過程の可視化(録画・録音)の実現を!!  取り調べの全過程の可視化が実現しない限り、えん罪は減らないのです!! 少年(高校生)が録音した『取り調べの生の(本物の)テープ』を聞き(読み)研究
・2008年5月12日 安田好弘弁護士えん罪事件についての不当な東京高裁判決要旨を掲載しました!市民の皆さん、学生諸君!立派な東京地裁川口政明判決と読み比べよう!
・2008年6月2日 『山形明倫中事件(山形マット死事件)』を問う!!−元少年たちは無実です!!元少年に『再審』(裁判のやり直し)を!!


 
CMSならドリーマASP