国連・自由権規約(B規約)委員会は、10年ぶりの日本政府報告書審査で−婚外子差別、「慰安婦」、死刑の改善、取調べの可視化と代用監獄の廃止、法律家に対する国際人権法教育など29項目を取り上げる!!

国連・自由権規約(B規約)委員会は、
10年ぶりの日本政府報告書審査で
−婚外子差別、「慰安婦」、死刑の改善、
取調べの可視化と代用監獄の廃止、
法律家に対する国際人権法教育など29項目を取り上げる!!
一年以内の宿題(取調べの可視化など)も!!



 国連・自由権規約は、いわば「世界の憲法」です。それを守るよう監視するのが、次の18人の人権の専門家です。
 去る9月には、リヴァス・ポサダ委員長とシーラー副委員長は、日弁連の招待で来日され、NGOの訴え等を聞かれました。また、自由権規約委員では、代用監獄(留置場)を初めて見学されました。
 約10年前にバグワッティ委員とララ委員は来日しており、藤原精吾副団長(元日弁連副会長)や当職などは知り合いです。
 ロードリー委員は、元アムネスティーの専従であり、現在エセックス大学教授(Sir)ですが、私は1990年の国連・犯罪防止会議などで知り合いました。

Human Rights Committee - Members (日付は任期である)

Mr. Rafael RIVAS POSADA (Chairperson) Colombia 31.12.2008(リヴァス・ポサダ委員長)
Ms. Elisabeth PALM (Vice-Chairperson) Sweden  31.12.2008(パーム副委員長)
Mr. Ivan SHEARER (Vice-Chairperson) Australia  31.12.2008(シーラー副委員長)
Mr. Ahmed TAWFIK KHALIL (Vice-Chairperson) Egypt 31.12.2008
Mr. Abdelfattah AMOR (Rapporteur) Tunisia 31.12.2010
Ms. Christine Chanet France  31.12.2010(シャネ委員)
Mr. Prafullachandra Natwarlal BHAGWATI India 31.12.2010(バグワティ委員)
Mr. Maurice Ahanhanzo GLÈLÈ-AHANHANZO Benin 31.12.2008
Mr. Edwin JOHNSON Ecuador 31.12.2008
Mr. Walter KÄLIN Switzerland(resigned on 8 April 2008) 31.12.2010
Mr. Rajsoomer LALLAH Mauritius 31.12.2008(ララ委員)
Mr. Michael O'FLAHERTY Ireland 21.12.2008(オフラハティ委員)
Sir Nigel RODLEY United Kingdom 31.12.2008(ロドリー委員)
Ms. Ruth WEDGWOOD United States of America 31.12.2010(ウェッジウッド委員)
Mr. Yuji IWASAWA Japan 31.12.2010(岩沢雄司委員)
Ms. Zonke Zanele MAJODINA South Africa 31.12.2010(マジョディーナ委員)
Ms. Iulia Antoanella MOTOC Romania 31.12.2010
Mr. José Luis PEREZ SANCHEZ-CERRO Perú 31.12.2010(サンチェス・セロ委員)




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左から、海渡雄一弁護士、シーラー副委員長、リヴァス・ポサダ委員長
2008年9月22日 於明治大学
日弁連主催シンポ「自由権規約と日本の人権状況
〜自由権規約委員会委員長・副委員長を迎えて」

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林 陽子 弁護士(女性差別撤廃委員会委員)が、
リヴァス・ポサダ委員長へ自己紹介されている様子
場所・日時は同上



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自由権規約委員会委員との懇談会
於参議院議員会館
2008年9月24日


 さて、今回の審査は、10年ぶりでしたが、日弁連の『自由権規約WG(ワーキンググループ)』(座長 藤原精吾−神戸、元日弁連副会長)は、10年間準備の活動をし続けたということも意味します。
 私も含め多くの方が10年間『自由権WG』委員でした。今回それに加え『タスクフォース』として、若い弁護士が加わり、最強のメンバー16人(団長 田川章次日弁連副会長、副団長 藤原精吾、海渡雄一、小池振一郎、武村二三夫、河野善一郎、川口和子、鈴木亜英、田島義久、三上孝孜、宮家俊治、田鎖麻衣子、北村聡子、大村恵実、川崎真陽、吉峯康博)になりました。10年前の日弁連代表団は6人でした。

 日弁連以外のNGOは、アムネスティ、監獄人権センター、IMADR、アジア女性資料センター、国際人権活動日本委員会など約40人でした。日本政府代表団は約20数名です。委員を含めると約100名です。

 以下、最新の資料を掲載いたします。

 私の感想などについては、近々また書きたいと思います。
 

 
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パレ・デ・ナシオン26号室
2008年10月15日
自由権規約委員会による日本政府報告書審査の様子
(手前のテーブルは日本政府代表団、奥のテーブルは自由権規約委員)


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パレ・デ・ナシオン26号室
2008年10月15日
ララ委員など


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パレ・デ・ナシオン26号室
2008年10月16日
自由権規約委員会による日本政府報告書審査 二日目
午前10時から始まる審査の一時間前に集合し準備をしている日弁連代表団

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2008年10月15日 午後1時〜
パレ・ウィルソン 1階会議室
「NGOブリーフィング」の様子
左手前はバグワッティ委員、右奥は司会をされている寺中誠さん




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寺中誠さん(アムネスティ)、秋山映美さん(監獄人権センター)、
FIDH(国際人権連盟)のメンバーなど
於パレ・ウィルソン カフェテリアにて
2008年10月14日



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同上



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田鎖麻衣子弁護士など
同上



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パレ・ウィルソンの内部
(国連・人権高等弁務官事務所のビル)


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パレ・ウィルソンの外観
(国連・人権高等弁務官事務所のビル)



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ジュネーブ日本代表部にて
2008年10月14日
磯俣秋男在ジュネーブ日本政府代表部公使及び上田秀明人権人道担当大使、
田川団長、藤原副団長、武村委員、田島委員、当職
(撮影は、志野光子外務省人権人道課長)




国際人権(自由権)規約委員会の総括所見 2008-10-30
 http://yoshimine.main.jp/jiyuukenkiyaku/CCPR-C-JPN-CO.52.doc

国際人権(自由権)規約委員会の総括所見(日弁連仮訳)
 http://yoshimine.main.jp/jiyuukenkiyaku/soukatushokenkariyaku.doc

                   同 上  (日本政府仮訳)
 http://www.mofa.go.jp/Mofaj/Gaiko/kiyaku/pdfs/jiyu_kenkai.pdf


日本弁護士連合会 代表団
「自由権規約委員会第5回日本政府報告書審査の経過(暫定版)」(58頁)
→編集中です。



日本弁護士連合会 会長声明 2008-10-31
国際人権(自由権)規約委員会の総括所見に対する会長声明

国際人権(自由権)規約委員会は、2008年10月31日、市民的及び政治的権利に関する国際規約(以下「自由権規約」という。)の実施状況に関する第5回日本政府報告書に対して、同年10月15日、16日に行われた審査を踏まえ、総括所見を発表した。

総括所見は合計34項目にも及ぶ詳細な評価・勧告を行った。委員会は前回の審査から今回の審査までの10年間に、男女共同参画基本計画の樹立、女性の雇用差別、女性と子どもに対する暴力問題等に関し、一定の改善がなされたこと及び国際刑事裁判所への加盟等を積極的な側面として評価した(3,4項)。

他方、わが国において解決を迫られている主要な個別的人権課題として、取調べの全過程の録画と代用監獄の廃止、死刑廃止の検討と死刑制度の改善、戸別訪問禁止等表現の自由に対する不合理な制限の撤廃等を含む、別紙のような項目を掲げ、それぞれについて具体的な改善を勧告した。

とりわけ、日本の人権状況を改善するための制度的な措置として、特に注目すべきは以下の3点である。

第1点は第一選択議定書の批准である。個人通報制度は、国際人権法を個々の人権侵害からの救済に活かす極めて重要な制度であるが、政府は個人通報制度を定める選択議定書の批准をしていない。委員会はこの制度が第四審を作るものではなく、国内法の解釈や適用を審査するものではなく、司法の独立に影響を及ぼすものではないと述べ、日本政府に第一選択議定書の批准を強く求めている(8項)。

第2点は、政府から独立し、独立の調査・査察権限、財政的・人的基盤を有する実効的な国内人権救済機関の設置である。政府が2002年に国会に提案した人権擁護法案に基づく人権委員会制度は、国内人権救済機関についての国際基準であるパリ原則(1993年国連総会決議)に沿ったものであるとは評価できない。国内人権救済機関は、韓国、モンゴル、インドネシア、フィリピンをはじめとするアジア諸国にもすでに設置されており、わが国においても政府提案の法律案の見直しを図り、その設置を図ることが急務である(9項)。

第3点は、裁判官・検察官・弁護士に対する国際人権法教育である。この点は、第4回審査で委員会の指摘を受け一部実施されてはいるが、未だ十分といえない。今回の審査においても委員からは、日本の裁判所や捜査機関が自由権規約を誤解している例が多いとし、「公共の福祉」を理由にした制約等、その問題性を指摘する声が相次いだ。今回の総括所見においても、下級審の裁判官を含めて自由権規約の解釈適用を職業訓練に含めるよう勧告がなされた(7,10項)。

委員会は、総括所見の冒頭2項において、当連合会をはじめとするNGOと政府とが不断に対話することにより、人権状況を改善する努力を強く求めている。今回の総括所見には2008年春に実施された国連人権理事会からなされた勧告と共通する部分が多く、国際社会から強く改革・改善を求められている人権課題を総括したものである。

当連合会は、日本政府が、委員会の勧告を誠意をもって受けとめ、その解決に向けて努力することを強く求めるとともに、その実現のために全力で努力していく所存であることをここに表明するものである。

2008年10月31日
日本弁護士連合会
 会長  宮崎  誠


【別紙】 「総括所見において指摘された主要な個別人権課題」

(1)代用監獄制度・取調べ可視化等の刑事司法制度
 代用監獄制度の廃止もしくは自由権規約14条の完全な実施(取調べへの弁護人の立ち会い、
逮捕時からの法律扶助、全医療記録を含む警察記録の開示、起訴前の保釈)、取調べ時間について制裁を伴う厳格な制限、全過程のビデオ録画を勧告した。また、委員会は捜査における警察の役割は裁判のための証拠の収集であり、真実を明らかにすることではないこと、黙秘しているこ
とを不利益に斟酌してはならず、司法は自白よりも科学的な証拠に依拠するべきであると勧告し
ている(18,19項)。
(2)「慰安婦」を含む女性・子どもに対する差別と暴力の防止
 「慰安婦」を含む女性・子どもに対する差別及び暴力の防止については、委員会は、男女共同
参画基本法制定、男女共同参画基本計画策定、DV防止法改正等、政府のいくつかの施策を評価しつつも、政府に対し、〔泳,虜萄Ф愡澳間規定、男女の婚姻可能年齢の差別規定、婚外子の相続分差別規定については改正を求め、 国会議員、幹部的な地位にある国家公務員、民間企業の管理職等の分野における女性の比率を増大させるために実効的な措置を取ることを求め、「慰安婦」被害者に対し加害者処罰を含む法的責任の履行、ぅ札シュアル・オリエンテーションに基づく差別禁止、タ与版簀磴遼瓢澆犯鏗下圓紡个垢觧抉腓龍化を強く求めた(11〜15,22,23,28,29項)。
(3)外国人に対する差別、難民の保護
 研修・技能実習の外国人に対し最低賃金制度や社会保険を保障し、技能習得に焦点をあてた新しいプログラムを設置すること(24項)。入管法による退去強制については、拷問等の危険の
ある国への送還禁止の明文規定の制定、不服申立についての独立審査機関の創設、退去強制命令発付を不服とする提訴前の難民申請者の送還の禁止を求めた(25項)。外国人に対する国民年金法上の差別を撤廃し、朝鮮学校に関して、公的補助、寄付について私立学校と同等の税制上の優遇措置、卒業生の大学受験資格の承認を求めた(30,31項)。
(4)マイノリティの保護
 日本は、アイヌ及び琉球民族を国内法で先住民と認め、その文化、伝統的生活様式及び土地の
権利を守る措置を実施すること。アイヌと琉球民族の子どもについては、民族の文化や歴史につ
いての正規の授業を含めて、その言語や文化について教育を受ける適切な機会が提供されるべきである(32項)。
(5)死刑制度及び死刑確定者の保護
 死刑制度については、政府は世論に拘わらず死刑廃止を前向きに検討すること、死刑確定者の
処遇及び高齢者・精神障害者への死刑執行に対し、より人道的な対応をとること、死刑執行を事
前に告知すること、恩赦・減刑・執行の猶予が利用可能となること、必要的上訴制度を導入し、
再審・恩赦の請求に執行停止効を持たせること、そして再審弁護人との秘密接見を保障すること
が勧告された(16,17項)。
(6)刑事拘禁制度
 刑事拘禁制度については、刑事施設視察委員会、留置施設視察委員会、刑事施設の被収容者の不服審査に関する調査検討会の制度について独立性と権限を強化すること、死刑確定者を例外なく独居拘禁とする体制を緩和すること、保護房拘禁の最長時間を制限し、事前の医師の診察を必要とすること、分類上の判断に基づいて審査の申請のできない独居拘禁を継続しないよう勧告した(20,21項)。
(7)表現の自由に対する不合理な制限の撤廃
 委員会は、公職選挙法上戸別訪問が禁止されていること、市民や公務員がビラを配ったことに
より逮捕・起訴されたこと等公共の問題に参加することに不合理な制限があることに懸念を表明
し、このような不合理な制限を削除することを勧告した(26項)。
 なお、総括所見の内、17,18,19,21項については、委員会は政府に対して一年以内の追加情報の提供を求めている(34項)。また、「慰安婦」問題、沖縄・琉球をマイノリティとして言及したこと、戸別訪問等の表現の自由に言及したのは初めてである。



アムネスティ・インターナショナル日本 2008-10-31
「自由権規約委員会の最終見解発表−日本の人権保障政策のグランドデザインが示される」

http://www.amnesty.or.jp/modules/news/article.php?storyid=541


アムネスティ・インターナショナル日本 2008-10-31
「自由権規約委員会による第5回政府報告書審査〜10月15日、16日の審査内容」
http://yoshimine.main.jp/jiyuukenkiyaku/amnesty%20hyou.pdf


アムネスティ・インターナショナル日本 2008-10-28
「死刑執行に対するコメント」
http://yoshimine.main.jp/jiyuukenkiyaku/amnesty%20sikei%20comment.pdf


監獄人権センター 2008-10-28
「連続する死刑執行に講義する声明」
http://yoshimine.main.jp/jiyuukenkiyaku/kangoku%20sikei%20comment.pdf


監獄人権センター 2008-10-31
「自由権規約第5回日本政府報告書審査に対する規約人権委員会の最終見解について」
http://yoshimine.main.jp/jiyuukenkiyaku/kangoku%20comment.pdf


反差別国際運動日本委員会・IMADR-JC 2008-10-31
「自由権規約第5回日本政府報告書審査−人権差別・マイノリティの権利に関する審議内容・最終所見の評価」
http://yoshimine.main.jp/jiyuukenkiyaku/kangoku%20comment.pdf


女性たちの戦争と平和資料館 2008-10-31
「国連・自由権規約委員会、『慰安婦』問題に関して日本政府に勧告」

http://yoshimine.main.jp/jiyuukenkiyaku/wam%20comment.pdf


アジア女性資料センター 2008-10-31
「国連人権委員会が自由権規約審査最終見解を公表−女性に対する差別・暴力を放置し続ける日本を強く批判 政府は勧告を全面的かつ速やかに受け入れ、国際公約の実践を」
http://yoshimine.main.jp/jiyuukenkiyaku/ajwrc%20comment.pdf


「婚外子」差別に謝罪と賠償を求める裁判を支援する会 2008-10-31
「国連自由権規約委員会が婚外子差別を取り上げました!」
http://yoshimine.main.jp/jiyuukenkiyaku/kongaishi%20comment.pdf

 
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