新鮮な、生き生きとした奥平康弘著『憲法を生きる』日本評論社(2007年5月)を読むなど、憲法の話!!『人権感覚』が最も大切!!

             新鮮な、生き生きとした、   
    奥平康弘著『憲法を生きる』日本評論社(2007年5月)
             を読むなど、憲法の話!!
            『人権感覚』が最も大切!!



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 不勉強の私は、この本の存在を去る4月に『子どもの人権研究会』(津田玄児、中川明、澤登俊雄などが代表世話人)の事務局会議(いつも古賀総合法律事務所で行っています)の際、雑談中に、中川明先生に「こんな生き生きとした、素晴らしい、新鮮な憲法の、戦後60年の総決算である本は、なかなかありません。」と教えていただき購入しました。内容は、下記の目次をご覧下さい。
 奥平康弘先生は、「5人の友人たちとの共同作品である。・・・その5人とは、愛敬浩二(名古屋大学教授)、川岸令和(早稲田大学教授)、中島徹(早稲田大学教授)、阪口正二郎(一橋大学教授)、そして山元 一 (東北大学教授)(五十音順)という気鋭の憲法研究者である。」と「はしがき」に書かれています。
 山元 一 教授は、約3年前に日弁連・国際人権問題委員会の夏季合宿(於軽井沢)の講師としてお招きし、「国際人権と憲法」について基調講演をしていただいたことがありました。


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                        若き日の奥平康弘先生
                     『憲法を生きる』日本評論社 9頁



『憲法を生きる』目次

第1章 ぼくが憲法学者になるまで
 1 憲法学との出会い
 2 研究者としてスタート
 3 アメリカ留学の頃
 4 憲法研究者になる
第2章 表現の自由を求めて
 1 表現の自由を求めて
 2 1970年代と「知る権利」
 3 80年代と情報公開
 4 再び、原理論へ
第3章 憲法研究者の役割、わが師・わが友
 1 「憲法研究者のけじめ」論
 2 憲法学・憲法研究者と社会とのかかわり
 3 憲法の射程
 4 わが師(1)−宮沢俊義先生
 5 わが師(2)−鵜飼信成先生
 6 わが友−芦部信喜さん
 7 法と文学
第4章 九条を抱きしめて
 1 九条と九条の会
 2 憲法の物語性
 3 九条をめぐる規範と事実
 4 九条と立憲主義
第5章 平和への思い、そして、見果てぬ夢
 1 戦時の記憶
 2 戦後への思い
 3 見果てぬ夢
年表

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                          奥平康弘先生
                   『憲法を生きる』日本評論社225頁




〈パンフレット絵本『憲法って何だろう?』〉

 日弁連が最近発行したパンフレット絵本『憲法って、何だろう?』(2008年8月 21頁)も、憲法について分かり易く書かれたとても良い内容ですのでここでご紹介します。

 宮崎誠日弁連会長は、このパンフレット絵本の最後で以下のように書かれています。

「お読みいただいた皆様へ 
 最近は、憲法の改正が話題に上ることが多くなってきました。憲法についての関心も高まっています。しかし、『憲法は何のために、誰のためにあるのか?』という最も基本的なところをわかりやすく説明した本は、意外と少ないものです。(※ 小学校や中学校の授業でも、子供達に憲法を教えることは難しく、ともすれば暗記物になってしまっているように思われます。
 今回お配りする絵本『憲法って、何だろう?』は、今年1月に奈良弁護士会とイラストレーターの星野一子さんたちが共同して作られたものです。子供から大人まで、誰でもが憲法に親しめるようにと、憲法の条文を詩的な文章に変え、『絵本』にしてしまうというのは、他に類のない取り組みだと思います。
 また、内容的にも、一行一語に含蓄が込められ、一読しただけで、憲法の最も奥深いところにあるエッセンスを『感じ取る』ことができるものになっていると思います。
 日本弁護士連合会は、この『絵本』をぜひ、全国の皆様にも読んでいただいたいと考え、奈良弁護士会と星野さんのご了解を得て、出版させていただくことといたしました。皆様もこの『絵本』をお知り合いのかたにひろくお勧めいただければ幸いです。」

  過去の子どもたち向けの良書として、宮沢俊義・国分一太郎『わたくしたちの憲法』(有斐閣)などがある(吉峯)。

 
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 なお、2008年9月16日(火)午後6時30分〜8時30分、第51回日弁連人権擁護大会プレシンポジウムとして、「どう考える? 国際貢献と憲法9条」が行われました。


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【当日の進行次第】

1.開会挨拶 総合司会 伊井和彦(東京弁護士会 憲法問題対策センター事務局長)
2.会長挨拶 山本剛嗣(東京弁護士会会長)
3.パネルディスカッション
  パネリスト 内藤光博(専修大学教授 憲法学)
         中西 寛(京都大学大学院法学研究科教授 国際政治)
  コーディネーター 菅沼一王(東京弁護士会 憲法問題対策センター副委員長)
4.会場質問への回答
5.閉会挨拶 柳瀬康治(東京弁護士会 憲法問題対策センター委員長代行)

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内藤光博先生(専修大学教授 憲法学)



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中西 寛 先生(京都大学大学院法学研究科教授 国際政治)


 
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               菅沼一王先生(東京弁護士会 憲法問題対策センター副委員長)
 

 「国際社会において、日本はその経済力にふさわしい国際貢献を今以上に行うべきであり、また安全保障の見地から日米同盟関係の強化も必要で、そのために自衛隊をもっと積極的に海外に派遣し、他の国と同様の活動を行えるよう、憲法9条を改正すべきだ」という議論があります。
 他方、憲法9条が改正され国際貢献の名のもとに自衛隊が自衛軍となって海外派兵されることに、平和の観点から強い懸念と不安を表明する意見があります。

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                        会場の様子
                        向かって左は黒岩哲彦弁護士、
                 右は小林七郎弁護士(東弁人権擁護委員会委員長)



 私は、他の予定の関係で少し遅れて参加しましたが、若き研究者の内藤光博さんと、中西寛さんのパネルディスカッションの議論は分かり易く新鮮でした。参加者は84名でした。昨年の憲法企画の約2倍でした。

 終了後、内藤光博さんを囲んで(中西寛さんは京都へ帰るため不参加でした)、弁護士会地下の中華料理屋で食事をしましたが、内藤先生は「パネラーを引き受けてとても勉強になり貴重な機会でした。」などとおっしゃられ、元東大教授の小林直樹先生のお弟子さんとのお話も伺い、大変うれしく思いました。私の世代の弁護士には、司法試験の受験勉強の基本書として、宮沢俊義『憲法供戞瞥斐閣)及び小林直樹『憲法講義』(東大出版会)を使用した人が沢山いたのです。
 先輩から「憲法には『人権感覚』が最も大切です。」を言われ、芦部信喜東大教授の論文集も読みました。その頃は、芦部先生の基本書はまだ出版されていませんでした。


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内藤光博先生



【配付資料一覧】(資料の内容については掲載を省略します)

1.各パネリスト略歴  1頁
2.各パネリスト発言要旨  3頁
3.文献
・内藤光博教授
(1)「憲法改正の限界を超える『平和主義』の破壊」  6頁
   『法と民主主義』2005年12月号
(2)「90年代以降の改憲論の現状と問題点」  12頁
   『専修大学社会科学研究所月報』504号(2005年6月20日)
・中西 寛 教授
(1)「憲法9条の政治的軌跡」  32頁
   『ジュリスト』2004年1月1日−15日号
(2)「憲法改正論と九条問題−安全保障政策の視点から  36頁
   『アカデミア』(日本学士会発行)100号(2006年10月)
4.条文、改憲案等
・日本国憲法クリアファイル
・自由民主党新憲法草案(抄)  42頁
・民主党「憲法提言」(抄)  44頁
・国際連合憲章I(抄)  46頁
5.その他
・「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」報告書 要約版  50頁
 懇談会における安部晋三首相(当時の)冒頭発言の概要付
・自衛隊イラク派遣差止訴訟の名古屋高裁判決要旨  57頁
・小沢一郎 「今こそ国際安全保障の原則確立を」  58頁
 『世界』2007年11月号
・憲法絵本
・質問票

 
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