東京高裁(池田耕平裁判長)は、安田弁護士えん罪事件につき、強制執行妨害の幇助(ほうじょ)犯を認めた不当な判決である!!

東京高裁(池田耕平裁判長)は、

安田弁護士えん罪事件につき、

強制執行妨害の
幇助(ほうじょ)犯を認めた

不当な判決である!!

 本日、安田弁護士えん罪事件の控訴審判決が、東京高等裁判所(池田耕平裁判長)において、午後1時30分から午後5時20分までの長時間にわたり言い渡されました。

 池田耕平裁判長は、開廷後別紙『判決理由骨子』を弁護団だけに配布した上で、判決を言い渡しました。

 罰金50万円の逆転有罪判決であり、フェアでない検察サイドに偏った不当な判決です!

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安田好弘弁護士 安田裁判控訴審判決報告集会において

  東京高裁(池田耕平裁判長)は、強制執行妨害の幇助犯としての責任を認め、これを無罪とした原判決(川口政明裁判長)を破棄し、安田好弘弁護士を罰金50万円に処するとの不当判決を言渡しました。

 判決は、未決勾留(拘置)日数を1日1万円に換算して罰金刑に算入するとしており、確定したとしても296日も拘置された安田弁護士は罰金を支払う必要はありません。

 しかし、判決は、主犯とされるスンーズ社の従業員らの信用性をことさら認め、また、安田好弘弁護士のサブリース構想が強制執行妨害と矛盾しないものとし、従業員らによる賃料の横領行為について免責を与えたものです。弁護士のアドバイスや依頼者との関係についての理解に欠けるもので、安田弁護士への敵意にみちています。判決言渡は、休憩2回をはさみ、午後1時30分から午後5時20分すぎまで3時間50分もかけ、安田弁護士の弁護士活動を高く評価した原判決(川口政明裁判長)の認定を徹底的に否定しました。安田弁護士が「弁護士の本来の活動をはずれて強制執行妨害をさせた」という、検察側の政治的意向のとおりの判決でした。
 まさしく、東京高裁の刑事裁判は「危機的状況」にあると考えます。

 安田好弘弁護士は、即日上告されました。

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河原昭文弁護士(岡山) 安田裁判控訴審判決報告集会において

 
 以下、感想を述べます。

1.傍聴しただけで、私は何も出来ず安田好弘弁護士や弁護団の方々に申し訳なく思っています。

2.東京高裁(池田耕平裁判長)判決は、原審(川口政明裁判長)と比べ、見識や法的コモンセンスに欠け、その内容はあまりにもかけ離れており、東京高裁(池田耕平裁判長)の判決の内容は余りにも情けないものです。
 2003年12月24日の東京地裁判決直後の、第二東京弁護士会会長声明(※注1)をご参照下さい。
 学生諸君や市民の方々には、是非二つの判決(高裁判決が活字になるにはもう少し時間がかかりますが)を読み比べて頂きたいと思います。

3.全ての弁護士にとって、ひいては全ての市民にとって大変重要な事件であるのに、マスコミは余り傍聴しないなど関心が弱かったのではないかと思います。

4.浦田啓一検事は、国連のウィーン本部での仕事や同本部の日本代表の仕事を長く務め(※注2)、捜査現場に久し振りに戻り検事としての感覚が鈍って不適切な処理(スンーズ社社長や不起訴になった約2億円もの横領行為をした同社幹部社員らと司法取引をしたなど)をしたのではないかと思います。

5.なお、安田好弘弁護士は、光市の母子殺人事件で、元少年の主任弁護人を務めました(広島高裁の判決は2008年4月22日)。この事件の被害者は実に気の毒であり、私も、テレビ、新聞を食い入るように見ました。
 私の考えの基本は、以前ブログで引用した光市の母子殺人事件に関する「改めて弁護士の役割に対する理解と弁護活動の自由の確保を求める会長声明」(2007年7月11日)と同じです。
 私は、安田好弘弁護士ら21人の弁護人の主張・作業について余りにも情報が少ないと思います。
 そこで、光市事件 弁護団は何を立証したのか』(インパクト出版会 2008年4月22日発行 151頁 1300円)を紹介致します。

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 さて、今回の安田弁護士えん罪事件について、参考になると思われる新聞記事(毎日新聞、日経新聞)を、以下掲載します。


【東京・不動産会社の資産隠し:
安田弁護士に逆転有罪 強制執行妨害で−−東京高裁】

毎日新聞 2008年4月24日朝刊

 ◇顧問先の資産隠す
 経営難に陥った顧問先の不動産会社の資産約2億円を隠したとして強制執行妨害罪に問われた弁護士、安田好弘被告(60)に対し、東京高裁は23日、1審・東京地裁の無罪判決を破棄し、罰金50万円の逆転有罪を言い渡した。池田耕平裁判長は「巧妙な強制執行妨害策を助言した悪質な事案だが、直接的な利益は得ていない」と述べ同罪のほう助にとどまると判断。弁護側は即日上告した。【伊藤一郎】
 死刑廃止運動の中心的存在として知られる安田弁護士は、オウム真理教の松本智津夫(麻原彰晃)死刑囚(53)の主任弁護人だった98年12月に逮捕された。最近では山口県光市の母子殺害事件の主任弁護人を務め、元少年に死刑を言い渡した22日の広島高裁判決にも立ち会った。
 判決によると、安田弁護士は93年、顧問だった不動産会社「スンーズコーポレーション東京リミテッド」(東京)の社長(72)に対し、ビルのテナントからの賃料をダミー会社に振り込ませる方策などを助言。社長らが財産を隠して債権者からの差し押さえを妨害する行為を手助けした。
 東京地裁は03年12月、「助言に違法性はなかった」として無罪を言い渡し、懲役2年を求刑していた検察側が控訴していた。
 池田裁判長は「強制執行を免れるためだと認識しながら助言した」と述べて検察側の主張を一部認めたものの、「弁護士として強制執行への対応策を助言指導する立場に過ぎず、犯行を容易にした責任にとどまる」と指摘し、ス社社長の確定判決(懲役1年6月、執行猶予3年)よりも軽い罰金刑とした。
 1審は「ス社社長らに対し、検察官の強引な誘導があった。アンフェアな捜査だった」と指摘したが、池田裁判長は捜査手法の不当性には言及しなかった。
 ◇捏造の証拠全面的採用」−−安田弁護士
 「壮大な妥協判決だ」。閉廷後、安田弁護士は報道陣に逆転有罪の不当性を訴えた。「捏造(ねつぞう)された証拠を全面的に採用し、検察のメンツを立てた」と批判し、「罰金刑だと弁護士資格を奪えないので実質的に私への制裁もない。すべてを終わらせるための『調停』のような判決。ばかげている」と述べた。判決は未決拘置日数を1日1万円に換算して罰金刑に算入するとしており、確定したとしても約10カ月拘置された安田弁護士は罰金を支払う必要はない。
 また、弁護士法によると、禁固以上の刑が確定すると弁護士資格を失うが、罰金刑の場合は弁護士を続けることができる。一方、東京高検の鈴木和宏次席検事は「有罪認定はそれなりに評価できるが、ほう助犯とし、罰金刑を言い渡した点は遺憾だ」とのコメントを出した。



【安田弁護士に逆転有罪、罰金50万円、資産隠しほう助、東京高裁判決】
日本経済新聞 2008年4月24日朝刊

 顧問先の不動産会社に資産隠しを指南したとして強制執行妨害罪に問われた弁護士、安田好弘被告(60)の控訴審判決で、東京高裁は二十三日、無罪とした一審・東京地裁判決を破棄、罰金五十万円(求刑懲役二年)の逆転有罪を言い渡した。池田耕平裁判長は「財産隠しの方法を助言したが実行への関与はない」として、ほう助犯にとどまると認定。求刑から大幅に減刑した。
 弁護側は「証拠を正確に評価していない」として即日上告した。
 判決によると、安田被告は不動産会社「スンーズコーポレーション東京リミテッド」社長(72)=有罪確定=らに所有ビルの賃料振込先をダミー会社に変更するよう助言。同社が一九九三―九六年、約二億円の収入を隠して住宅金融債権管理機構(現整理回収機構)の債権回収を免れるのをほう助した。
 一、二審を通じ、弁護側は「会社に提案したのは従業員の雇用確保のための合理的な再建案。強制執行逃れの意図はない」と無罪を主張。
 「安田被告から財産隠しの指示を受けた」と証言した従業員が会社から約二億円を横領したのに立件されなかったことを指摘し、「検察側に有利な証言をさせるための司法取引」とし、証言は信用できないと訴えた。
 しかし、池田裁判長は「振込先の変更が財産隠しのためであることは明らか」と判断。検察が従業員を立件しなかったことについては「横領の疑いが残るとしても強制執行妨害事件に影響を与えない。証言は信用できる」と述べた。
 ただ、安田被告が逮捕後約十カ月間拘置されたことから、判決は未決拘置日数を一日一万円と換算することを認め、罰金額の五十万円を支払わなくても済むようにした。
 一審判決は「(従業員が)司法取引のような形で捜査機関に迎合する供述を行ったとみられてもやむを得ない」として検察側の捜査を厳しく批判。従業員の証言の信用性を否定し、安田被告を無罪としていた。
 鈴木和宏・東京高検次席検事 有罪は評価できるが、ほう助犯として罰金刑を言い渡した点は遺憾。判決内容を検討したうえで適切に対処したい。

安田弁護士に逆転有罪――安田弁護士、「検察のメンツ立てた妥協だ」

 「罰金刑は検察のメンツを立てながら、裁判を幕引きさせようとした壮大な妥協判決」。法廷で逆転有罪を聞いた安田好弘被告(60)は閉廷後、東京高裁の判決内容を手厳しく批判した。
 安田被告は二十二日に死刑判決を言い渡された山口県光市の母子殺害事件で、元少年の主任弁護人を務めた。死刑廃止運動の第一人者でもある。一九八〇年に死者六人を出した新宿バス放火事件の被告の弁護人なども受任。今回の事件での逮捕、起訴時はオウム真理教元代表、松本智津夫死刑囚(麻原彰晃、53)の主任弁護人だった。


注1 
【安田好弘会員に対する無罪判決に関する会長声明】
2003年(平成15年)12月24日 第二東京弁護士会  会 長 尾 崎 純 理

 本日、東京地方裁判所は、強制執行妨害の嫌疑で起訴されていた安田好弘弁護士に対し無罪判決を言い渡した。安田弁護士は、当初から無実を強く主張していたのであって、安田弁護士が無罪判決を勝ち取られたことにつき、安田弁護士をはじめ、弁護団のご努力に深く敬意を表するものである。
 この事件で安田弁護士は、10ヶ月にも及ぶ勾留を強いられている。また東京地方裁判所の判決には、検察官の供述調書の作成経緯やその内容からは、捜査官の強引な誘導があったことが強くうかがわれるとの指摘や、検察官の態度についてアンフェアとの評価もなされている。
 当会は、検察側に対し、控訴を断念し、東京地裁判決を確定するよう強く求めるものである。
 またこの判決により、わが国の刑事手続きには、重要な問題点のあることが改めて浮き彫りにされたと言うべきである。取調過程の可視化、証拠の全面的開示、早期の保釈など、刑事手続きの抜本的な改革が必要であり、当会としては、全力をあげて取り組む所存である。

注2 浦田啓一著「特集刑事司法制度の国際化[国際交渉の現場1]国連における犯罪防止活動の現場」『法学教室』278号(2003年11月号)13〜14頁参照

 


 
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