熱い『日弁連会長選挙』の論点は? 有権者の判断は、どうなるのか?

熱い『日弁連会長選挙』の論点は?

有権者の判断は、どうなるのか?

2008年1月30日 投稿
2008年2月1日  更新
2008年2月5日  更新
2008年2月6日  更新
2008年2月8日  更新


 「日弁連会長選、白熱 『合格者増』『裁判員』が争点」朝日新聞記事(2008年1月9日)注1)や、「熱い戦い日弁連会長選、司法制度改革に影響も」産経新聞記事2008年1月28日(注2)の報道をご覧になられていると思いますが、日弁連の会長選挙が新聞で報道されるのは大変珍しいことです。
 つまり、大変注目されているということです。
 また、2008年1月25日付朝日新聞朝刊一面トップによると、法務省も『3000人の見直し』を決めました。(注3)
 さらに、早稲田大法科大学院 伊藤 真 客員教授の、『法曹人口3000人目標の見直しを憂慮』との注目すべき主張も2008年1月17日付朝日新聞記事に掲載されています。(注4)

 日弁連会長選挙の公聴会は北海道から始まり、横浜における公聴会(2008年1月31日(木)午後1時〜午後5時)及び最後の東京での公聴会(2008年2月2日(土)午後1時〜午後6時)
まで、合計10回にわたる公聴会が全て終了しました。

 公聴会終了直後の2008年2月3日付朝日新聞記事『法曹3000人、日弁連も見直し確実 会長候補2人とも明言』もご覧下さい。(注5)

 なお、寺井一弘弁護士著「弁護士過疎問題の現状と課題」(『龍谷法学』2007年12月)との注目すべき論文もあります。→ http://yoshimine.main.jp/bengoshikasomondai%20terai.pdf

 本日2月8日(金)は投票日です。
 以下、日弁連会長選挙の争点を『論点』ごとに整理し、若干コメントし私見を述べておきたいと思います。

 

1.法曹人口問題

【宮崎 誠】
 増員のスピードについては、2010年を待つことなく、スピードダウンを含む諸施策の中で、速やかに解消を図る。
 ただし、悲願である被疑者国選弁護の対応体制や過疎地の住民の方の期待についても十分配慮すべき。
 専門組織を直ちに立ち上げ、会外の方との幅広い意見交換に努めつつ、関連する諸問題を検討・検証し、提言の内容について議論する。スピードダウンについては、直ちに組織を立ち上げる。
 増員のスピードについては2008年9月の司法試験合格者発表までに、提案する。将来の適正な法曹人口については2年以内に具体的な提言を行う(『二段階』提言)。

【高山俊吉】
 3000人に反対する。
 3000人増では、収入が減り、弁護団活動ができなくなる。
 戦前のように犯罪を犯す弁護士も増えるだろう。激増は弁護士への攻撃であり、結果市民が奈落の底に落ちていくことになる。
 3000人について、会員の総意は結集されていなかった。
 若い人の質の低下は明らかである。

【私のコメント及び私見】
(1)弁護士ばかりが激増し、裁判官や検事はそれ程増えていないという問題があります。
(2)『質の低下』が当然の如く前提となっていますが、私は、若い法律家の質が下がったとは思っていません「法科大学院の修了生の方がはるかに法曹になるにふさわしい教育を受けている」「基本書・判例集と予備校の教材だけで勉強していた旧司法試験合格者より、法科大学院修了生は、はるかに法曹に適している」(『自由と正義』2007年12月号43頁 北沢義博 『民事法教育の現状と課題』)との指摘もあり、質の問題は教育の問題であり、必ずしも低下しているとはいえないと思います。
(3)量や質を決めるのは弁護士会ではなく、利用者である国民・市民・民衆です。
(4)高山俊吉候補は、量の問題について、700人、1000人、1500人、すべての増員に反対してきたのが事実です。しかし実際には、国民・市民・民衆からすると弁護士や裁判所は敷居が高いのです。高山俊吉候補は弁護士の視点からの主張をされており、利用者の目線に立つという発想はほとんどありません。現在、1000人から1500人が適切と主張されていますが、700人への増員に反対してきた過去の経過と矛盾していると思います。
(5)企業活動に求められるコンプライアンス(法令遵守。なお、久保利英明弁護士によれば、「Complianceは本来、工学的用語であり、その真意は『加えられる力に応じて変化し、たわむ柔軟度のこと』である。すなわち、企業経営の文脈で言えば『社会の要求・要請に対して社会が変化し受容すること』である。社会・消費者・株主などの会社の外の存在からの要請・期待に応えることであり、法令遵守はその一態様に過ぎない。」という。『自由と正義』2007年11月号「今、なぜ、内部統制なのか」18頁)、最近頻発する企業・自治体などの不祥事、地域の産業再生、犯罪被害者の利益保護や被疑者・被告人の権利擁護などを思えば、より多くの法律家が様々な場面で、「国民・市民・民衆の社会生活上の医師」として活動することが求められています(前掲の早稲田大法科大学院 伊藤 真 客員教授の主張と同趣旨です)。
(6)主に若い方々を中心に、『刑事弁護フォーラム』(桜井光政事務局長)は毎年毎年会員が増えており、毎日極めて有意義な刑事弁護の実務などについて、メーリングリストなどを活用して活発な議論や情報提供がなされています。日弁連の活動の中で刑事弁護に力を入れている優秀な若い弁護士は沢山います。



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                            ↑
                 大阪弁護士会の新会館の会員執務室(14階)
      『素晴らしい会員執務室だなぁ!! うらやましい!! 眺望もスゴイ!』
                    2008年1月23日撮影(当職)


2.ロースクール

【宮崎 誠】
 定員実務家教員カリキュラムについて、法曹三者・法科大学院・文科省による踏み込んだ協議を求める。
 入学定員はやや多すぎる。
 ロースクールを自然淘汰に任せては、地方の法科大学院教育が破綻する。

【高山俊吉】
 現在ロースクールで学んでいる人を救済する必要があり、どのような形で収束させるか、責任を持った方針を作る必要がある。
 ロースクールは、経済的に余裕のある階層に依拠している。
 ロースクールのあり方について、廃止に向けての具体的な方策を検討したい。廃止の道は丁寧に作りたいが、ロースクールを存続させてはいけない。

【私のコメント及び私見】
 「刑事実務教育で言えば、少なくない法科大学院で派遣裁判官、派遣検察官、退官者の弁護士のみによって、刑事実務教育が行われており、刑事弁護人としてのスキルにもマインドにも接することができないままに、法科大学院を修了させていることが明らかとなった。」(『自由と正義』12月号31頁古口 章『法科大学院教育の課題にどう応えるか』)との指摘は事実であり、また川端和治弁護士「法科大学院モデル・コア・カリキュラム策定の提言」(『法律時報』79巻2号96頁)の提言は卓見であり、これらの認識や提言を現実的に採用すべきであって、宮崎誠候補はそう考えておられると思います。


3.業務拡大

【宮崎 誠】
 業務推進センターの後継組織を作り、高齢化社会・労働問題・行政訴訟等への取り組みの拡大、中小企業を含む企業や自治体との連携、権利保護保険の拡大、弁護士情報の提供を行う。後見制度について弁護士が活躍しやすい状態とするよう、努力する必要がある。
 業務拡大について国に協力してもらう必要あり、最高裁、法務省をはじめ関係省庁を巻き込んだ協議機関を作る。
 立法情報を継続的に収集し、業務という観点からも立法課題に迅速に対応する新たな組織を設立する。

【高山俊吉】
 法曹人口に異議を唱えた上で、落ち着いてから検討したい。
 人口政策を変更することなく、業務拡大を議論しても駄目。
 今日までの7年間の業務拡大運動は、何も実現していない。
 合格者500人でも業務拡大に関する弁護士会の努力は必ず必要。
 お互いに助け合って行きたい。落ち着いて、知恵を結集していきたい。
 収入ばかりを目的とする弁護士らしさを失ってしまう業務拡大には組みしない。弁護団事件の姿を見たときに多くの市民が連帯感を感じ、弁護士に対する信頼ができて、それが優れて業務拡大となる。
 若い人には、顧問先などはまわって来ない。
 潜在ニーズは100年たっても出てこない。

【私のコメント及び私見】
 高山俊吉候補の「何も実現していない」というのは、現実の認識として間違っています。例えば破産や債務整理、クレサラ(消費者問題)をみれば明らかで、業務として成り立つためには何年かの長い期間を要したのです。
 また、業務対策・業務拡大・業務上のニーズの掘り起こしそれぞれについての遅れが、法曹人口の量についてスピードダウンすることの理由なのです。

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                              ↑
             東京弁護士会役員室で執務する鈴木善和副会長
       東京三会の法律援助全件に目を通して事業を力強く推進する鈴木さん


4.法テラス

【宮崎 誠】
 弁護士の悲願である被疑者国選弁護について果たす役割は極めて大きい。
 契約弁護士を増やすことを重視する。法テラスの契約弁護士は15000人に増えている。
  法務省所管になって、逆説的だが、幅広い運動が可能になった。福岡、大分の会員から始まった当番弁護士制度は、世間から『日弁連のヒット商品』と言われ、また法テラスは法務省管轄の扶助協会を前提とする制度設計である。

【高山俊吉】
 法テラスに反対する。 
 被疑者国選は重要だが、警察の統括機関である法務省の下に置いてはいけない。
 司法支援センターと関わる弁護士は危険であり、弁護の自殺である。
 解決策は簡単で、昔に戻せばよい。

【私のコメント及び私見】
(1)日弁連、最高裁判所、法務省、司法書士会等のコラボレーションは、歴史上初めてのことであり『進歩』であると私は考えます。この活動は在野精神が強いからできるのです。時計の針を戻せばよいという高山俊吉候補の主張は採用できません。
(2)最高裁判所は、予算を増加させることが苦手であることは公知の事実です。


5.過疎対策

【宮崎 誠】
 地域住民の目線からきめ細かい過疎偏在対策を打ち出し、国選弁護、扶助事件の対応が厳しい地域について、日弁連ひまわり基金と法テラスの施策を相互に連携させる。
 偏在対策拠点事務所開設費用等の支援を着実に実行する。
 都市型公設事務所を増設する。
 各地での就業支援のため、業務や就職についてITも利用した情報提供、手厚い研修等サポート体制を充実させる。
 地域に行く意思のある若い弁護士はいる。誘導し、地域・各地方単位会の了解を得る施策をとる。
 スタッフ弁護士に反対すると、過疎対策について国による施策が難しくなる。

【高山俊吉】
 弁護士が増えているのに過疎が埋まらない一つの原因は、支部の統廃合。国家構造の中で過疎問題が起きている。
 国の責任において解決されるべき。国策として、国民の利便性が図られる状態が作られなければいけない。
 今は、弁護士が全てを負担しており、限界がある。

【私のコメント及び私見】
 法テラスについての、高山俊吉候補の懸念は理解できないわけではありませんが、日弁連ひまわり基金公設事務所に対して、なぜ高山俊吉氏が反対されるのかは全く理解できません。十数年の苦難に満ちた実践、例えば同期(33期)の林 史雄弁護士(東京弁護士会副会長)などの、日弁連の委員会での長い期間の貢献を垣間見れば、何故ひまわり基金公設事務所がマスコミも含めて世間から非常に高い評価を受けているのかが分かります。

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                             ↑
               東京弁護士会役員室で執務する林史雄 副会長
          林副会長は、ひまわり基金公設法律事務所の推進リーダーの一人

 なお、『弁護士過疎問題』に関する『法テラス』(日本司法支援センター)常務理事 寺井一弘 弁護士の論文(「弁護士過疎問題の現状と課題−その克服に取り組むスタッフ弁護士」『龍谷法学』2007年12月)は、弁護士過疎問題の必読の文献であると思います。是非読んでみてください。
 論文はこちらからご覧いただけます。→ http://yoshimine.main.jp/bengoshikasomondai%20terai.pdf

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                         寺井一弘弁護士


6.人権擁護

【宮崎 誠】
専門性を有する人材の育成、組織の充実を図り、免税団体を目指して法人を設立する

【高山俊吉】
人権を踏みにじり、戦争をめざす政府に反対する。

【私のコメント及び私見】
選挙公報に、若干具体的に書いてあります。選挙公報も是非丁寧に読んで欲しいと考えます。
なお、女性の権利やジェンダーの視点からの政策は、宮崎誠候補の選挙公報には基本的なことが書かれていますが、高山俊吉候補の選挙公報には書かれていません。


7.裁判員制度

【宮崎 誠】
 絶望と言われ続けた刑事裁判の改革につなげる。
 可視化を実現し、国民参加の刑事司法、被疑者・被告人の権利を守る刑事司法を打ち立てるチャンスである。
 裁判員裁判の実施を機に、国選報酬予算の大幅増額を目指し政党や関係省庁へ働きかけを行う。

【高山俊吉】
 裁判員制度は廃止する。 
 反対する理由は、陪審でないからでも、職業裁判官による裁判が良いからでもない。民衆を裁判所に動員して、治安の守り手とするからである。市民を治安の担い手に変えるとんでもない制度である。
 裁判員の招集通知は赤紙であり、拉致動員である。陪審の場合は、司法を国家に任せることができないという声に基づくので、陪審員の招集通知は赤紙ではない。裁判員制度は、思想信条の自由を侵害する。
 市民は裁判員制度を支持していない。
 模擬裁判等をやればやるほど、裁判員制度は酷いという意見を聞いた。
 国民の感情を直截法廷に持ち込もうとしており、許されない。
 日弁連が裁判員制度について会員の意思を結集したことはない。
 裁判員制度を止めても、みんなはホッとするだけ。

【私のコメント及び私見】
 裁判員裁判という制度をよりよい方向で運用するという発想が、高山俊吉候補には全くないので極めて残念です。
 2008年1月12日(土)〜14日(月)に2泊3日の合宿が行われた、弁連主催早稲田大学共催の『第1回法廷弁護指導者養成プログラム』などについて私が書いたブログを是非ご覧下さい。
→「『法廷弁護技術』(Art of Trial Advocacy)とは? あなたは裁判員裁判の弁護人になるのか? あなたは、ペリー・メイスンになれるのか?」http://yoshimine.dreama.jp/blog/114.html



8.憲法9条2項

【宮崎 誠】
 憲法改正手続法は、国民の意思を十分に反映する内容とはいえず、施行までに見直しを求める運動に取り組む。
 憲法九条は改正されるべきではない。
 恒久平和主義が損なわれるような改正案については、明確に反対する

【高山俊吉】
 日弁連の9条2項に対する態度は曖昧。
 日弁連は、9条2項堅持を主張しなければならない。

【私のコメント及び私見】
 私は、憲法問題は両候補が大同団結できる課題であるはずだと考えます。
 第48回日弁連人権擁護大会(於鳥取 2005年)の憲法問題のシンポジウムにおいて、高山俊吉グループを含む多くの会員が共に準備作業を行いました。10数年前の人権擁護大会や総会では、現在の両陣営が、右翼的な考え方を持つ会員(約300人くらいか?)に対して人権大会の決議案において共に闘ったことすらありました。
 今年の第51回人権擁護大会の第一シンポジウムでも憲法問題に取り組みますので、高山俊吉グループと大同団結し、その中でよりよい議論をしてより一層進んだ内容のシンポジウムに出来ればと考えております。
 
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                              ↑
              東京弁護士会役員室で執務する小林七郎副会長
         憲法問題や環境問題などに鋭い問題意識を持って活動している小林さん

 



両候補に対する私の総評

【宮崎 誠】
 基本線は一貫しており筋が通っている。
 現実的であり、具体的な目標を持っている。
 人に優しく、細かい配慮が行き届いている。
 司法の在り方を、より良いものに変えていくための提言・提案をし、世論を動かすことができる。
 国連・自由権規約個人通報制度の批准に取り組んだり、自分の事務所に早くから留学制度を取り入れるなど、国際感覚に富んでいる。

【高山俊吉】
 やや主観的である。
 どちらかというと目線が弁護士レベルであり、司法の利用者である、国民・市民・民衆の目線に立とうとする姿勢が不十分である。
 日弁連の課題についてのとらえ方にドメスティックな傾向がみられる。


 私は、弁護士全体の質が低下したとは考えていません。高山俊吉候補が、合格者の増加による質の低下を懸念されていることは分かりますが、前述したとおり、若い弁護士の質が低下したとも私は認識していません。個性豊かな若い方々は『素晴らしい』と私は認識しております。
 法曹養成制度や研修が相当行われるようになってはいますが、今後より一層充実させることが必要だと思います。
 何度も申し上げるとおり、弁護士の質と量は、利用者である、国民・市民・民衆が判断すべきであって、我々は活用される立場であることを十分認識すべきであると考えます。

 なお、日弁連の現状と課題については、東京弁護士会法友会『司法改革の現状と課題−法の支配の充実を求めて』(2008年1月28日現代人分社 296頁2900円)に詳しい。各分野の専門家が執筆している、水準の高い好著で、日弁連会長選挙の参考になります。

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  また、当職は、2月2日(土)に行われる東京での公聴会に向けて、以下の事項について両候補に対し質問いたしました。

(1)2007年12月、歴史上初めて、国連総会において「死刑執行停止」の決議がなされました。日弁連も「死刑執行停止」のための活動をして来ましたが、あなたは会長になった場合、どのような言動をとられますか。

(2)2007年5月、拷問禁止条約の日本政府レポートの審査がジュネーブで行われ、日弁連も『それでもボクはやってない』をジュネーブで上映するなどの活動をしました。拷問禁止委員会は、画期的な最終見解を発表しました。あなたは、この最終見解のどの点を重視されますか。また日弁連は、今後どのような取り組みを重視しますか。

(3)日弁連は、自由権規約個人通報制度批准のために、いかなる取り組みをされますか。

(4)私は身体障がい者として、この質問を致します。
日弁連の会員に障がい者は何人いるのですか。
日弁連は、障がい者の会員に対し、全国の弁護士会館のバリアフリー化など特別な対策や配慮はしていますか。

〈宮崎誠候補の回答〉
(1)日弁連は、死刑執行を法的に停止して、その間に死刑制度について国民的議論を行うことを求める運動をこれまでしてきました。しかしながら、昨日も3名の死刑囚の死刑の執行が行われました。鳩山法務大臣になって、すでに2回目の執行です。ヨーロッパ人権条約に入っている加盟国では原則的に死刑が廃止されており、死刑廃止は国際的潮流です。韓国でも、1997年から10年死刑の執行が停止されました。国連総会の決議もそのような流れの表れですし、拷問禁止条約に基づく見解も、日本に死刑の停止を求めています。死刑の執行はこのような流れに反対するものであり、日弁連は一日も早く、法的に死刑執行の停止がなされるように引き続き運動していくべきです。また、死刑の廃止された国でも、もともとは、世論の多くが廃止に反対だったと理解しており、人権擁護を使命とする日弁連ではなぜ死刑の廃止が世界の趨勢なのか、死刑制度のどこが問題か、他の国ではどのような経緯で死刑が廃止されたのかについての情報を市民の議論のために積極的に提供していくべきです。去年の『自由と正義』の9月号に掲載された菊田幸一先生が翻訳された論文で知ったのですが、日本では平安時代の約300年間、死刑の執行が停止されていたそうです。これは世界史上他に例のない誇るべき歴史です。現代の日本でもできない理由はないように思います。
(2)拷問禁止条約の最終見解は、刑務所における医療問題、難民の取扱い、ジェンダーに基づく暴力や、精神障がい者への虐待など幅広い分野に及んでいますが、特に注目すべきは、代用監獄、長時間取調べなどを含む日本の警察取調制度の問題点について、これまで日弁連が指摘してきたのと同じ指摘を国際的視点から行い、さらに、全捜査過程のビデオによる録画、弁護人の取り調べ立会いなどを求めています。そして、日本政府は一年後である本年5月までに改善状況についてフォローアップ報告を行うことを義務付けられています。代用監獄は国際人権水準からも問題であり、捜査の全課程の可視化が国際的要求であることを、日弁連の代用監獄廃止及び可視化をも求める運動の中で訴えていき、運動の実現につなげなければなりません。
(3)個人通報制度の批准は、日本の人権状況改善のために是非とも必要だと思っています。日弁連では、昨年、自由権規約個人通報制度等実現委員会を組織し、各政党やマスコミへの説明、NGOとの協議などの機会をもち、選択議定書推進のために取り組んでいると理解しています。今年は、5月に新しく国連にできた人権理事会の政府報告書審査及び先ほども出ました拷問禁止委員会の見解に対するフォローアップ報告、そして、11月の自由権規約に基づく政府報告書審査と、日本の人権状況が世界に問われる機会が何度もあります。そのような中で、日弁連としても、カウンターレポートの提出などによって、日本の人権状況が国際条約の水準を満たしていないことを明らかにするための活動を続け、選択議定書批准の必要を訴えていきたいと思います。今年は、世界人権宣言60周年の年にあたりますので、是非、何とか批准を実現したいと思います。
(4)私の知る限り、日弁連でそのような数字は把握していないようです。しかしながら、ご質問いただいた吉峯先生や、その他に障害を持ちながら熱心に、日弁連活動に取り組んでいただいている方がたくさんおられることは認識しております。そのような数字を具体的に調査することがいいかどうかは、議論していただく必要があると思いますが、会員に対する福祉の点から、何らかの把握は必要かも知れません。昨年日弁連では、障がいを理由とする差別を禁止する法律の日弁連法案を発表しました。その中には裁判所等の司法関係機関を含み、種々の事業者に対する障がいのある人の差別の禁止、合理的配慮義務を謳っていますが、日弁連や、弁護士会自身のバリアフリー化については、遅れているところもあると理解しています。障がいのある会員や利用者の視点から、どのような問題があるかを調査し、さらにバリアフリー化を進めていかなければならないと考えています。
(時間の関係で、公聴会当日の回答は、これら準備された回答の要約であった。)

〈高山俊吉候補の回答〉
(1)死刑執行停止は絶対実現しなければならない。問題は死刑の執行を停止することがなぜはかばかしくないのか、という点にある。
(2)私は、刑事司法においての基本的人権思想が、当局にないことが問題と思う。たくさんの指摘がある。日本の刑事司法はめちゃくちゃ。代用監獄の問題について、日弁連が毅然と対決していない。死刑判決を受けた者への人権侵害も問題。刑事司法、権力に対して対決していないことが痛感。ミランダ原則が押しつぶされている。弁護人が立ち会うことが認められていない。
裁判員制度が実行される際に、2条2項を盾に言わなくてはならない。
(4)身体障害者の数字は知らない。情報に接する機会がなかった。真摯に対応したい。


注1 2008年1月9日付朝日新聞の記事は以下のとおり

日弁連会長選、白熱 「合格者増」「裁判員」が争点

日本弁護士連合会の次期会長選が9日、公示された。投開票は2月8日。大阪弁護士会元会長の宮崎誠氏(63)と、東京弁護士会所属の高山俊吉氏(67)の一騎打ちとなる公算が大きい。焦点は法律家を大幅に増員する政府計画や09年春から始まる裁判員制度への対応だ。これからの数年は司法制度改革の仕上げの時期。当選者や得票数によってはその行方に影響する可能性もあることから、関心が高まっている。
 (岩田清隆、並木昌廣)

 会長の任期は2年で、次の任期は4月から始まる。会長選では慣例的に、東京にある三つの弁護士会か、大阪弁護士会で会長を経験した人が選ばれることが多い。このところは司法制度改革への賛否をめぐる争いになり、00、02、04年は「推進派」の候補者と「反対派」の高山氏が戦う構図に。06年は高山氏も含めた三つどもえとなった。
 今回の会長選が特に注目されているのは、司法試験合格者を2010年までに年間3千人に増やす政府計画に異論が相次いでいるからだ。
 日弁連執行部は計画実現に向けて政府に歩調を合わせてきたが、弁護士の急増で新人の就職が厳しくなり、「質の低下」や「過当競争」も懸念されるようになってきた。中国地方弁護士会連合会や中部弁護士会連合会が計画の見直しを求めるなど、執行部は足元から揺さぶられている状況だ。
 09年春にスタートが近づいた裁判員制度も争点の一つ。日弁連は最高裁や法務省とともに推進の立場で広報や準備を進めてきたが、「連日開廷は負担が大きく、被告の権利を害する恐れがある」「市民が制度参加に積極的でない」といった理由から、弁護士の一部には不満や批判もくすぶっている。
 会長選は、現執行部のスタンスを基本的に継承する宮崎氏と、執行部を批判してきた高山氏が争う形になる。当落や、双方がどれだけ票を集めるかが注目されている。
 立候補の受け付け終了後は、候補者が並んで討論する公聴会が全国10カ所で開かれ、各陣営が支持を訴える予定だ。
 ◇質維持し必要な人数確保 継承派・宮崎誠氏
 宮崎氏は、日弁連・法務省・最高裁でつくる法曹三者協議会が97年、約700人だった司法試験の合格者を約1千人にすると合意したときの協議会メンバー。法テラス(日本司法支援センター)の設立にも日弁連の実務者トップとしてかかわった。
 主に企業の倒産処理や経営再建に取り組んできた。司法試験の合格者増は「質を維持しながら市民にとって必要な数を提供するべきだ」との立場から賛成。ただ、弁護士のニーズ拡大や過疎地への配置に努めたうえで多すぎるなら「スローダウンも視野に入れる」としている。裁判員制度については「刑事裁判への国民参加が世界的な流れ」と支持している。
 ◇市民の声受けてない改革 批判派・高山俊吉氏
 高山氏は、青年法律家協会の元議長で「憲法と人権の日弁連をめざす会」の代表。弁護士として公害や交通問題に取り組んできた。一貫して司法制度改革に反対する姿勢をとっている。
 法曹人口増加は就職難や貧困化が進むとみて「弁護士の力を弱めようとする政府・企業のための改革だ」と批判。裁判員制度への市民の参加強制も「現代の赤紙だ」と強調する。
 今回で連続5回目の立候補。過去4回で最も得票したのは02年の4732票だが、「そもそも、市民から声がわき上がって進められた改革ではない。私個人の意見ではなく、多くの弁護士が共有しているはずだ」と、支持の拡大を訴える。
 ◆キーワード
 <日本弁護士連合会> 全国52の弁護士会と個々の弁護士などで構成される連合組織。弁護士全員が会員になっている。国家機関から監督を受けない独自の自治権を持つ。会長は法曹三者のトップの一角に位置づけられ、立法や司法政策、人権問題に関する発言は重い意味を持つ。会長選では弁護士に1票ずつ投票権がある。
 ■最近の会長選(数字は票数、%は投票率。敬称略。日弁連資料による)
 《2000年=67%》
 久保井一匡(大阪弁護士会元会長)  7996
 高山俊吉(東京弁護士会)      3456
 《2002年=69%》
 本林徹(東京弁護士会元会長)    8103
 高山俊吉(東京弁護士会)      4732
 《2004年=69%》
 梶谷剛(第一東京弁護士会元会長)  9157
 高山俊吉(東京弁護士会)      4622
 《2006年=67%》
 平山正剛(東京弁護士会元会長)   7748
 高山俊吉(東京弁護士会)      3698
 久保利英明(第二東京弁護士会元会長)3335



注2 2008年1月28日付産経新聞の記事は以下のとおり

熱い戦い日弁連会長選、司法制度改革に影響も 

 2年に1度の日本弁護士連合会(日弁連)の次期会長選が例年になく注目されている。平成22年までに司法試験合格者を年間3000人に増やす政府目標に対し、各地の弁護士会から異論が相次ぎ、選挙の大きな争点となっているからだ。法曹人口拡大は司法制度改革の柱の1つで、選挙の結果次第では司法制度改革に影響を及ぼす可能性もある。

    (森本昌彦)

 会長選に出馬しているのは、大阪弁護士会所属の宮崎誠氏(63)と東京弁護士会所属の高山俊吉氏(67)の2人。裁判員制度などの司法制度改革の是非が主な争点で、元日弁連副会長の宮崎氏は司法制度改革推進、5回連続の立候補となる高山氏は裁判員制度など司法制度改革に反対の立場を取る。

 近年の会長選も司法制度改革を争点に行われ、推進派の候補が圧勝するという構図だった。しかし、昨年ごろから法曹人口に対する弁護士の関心が高まり、選挙戦の構図が変化。ある弁護士は「法律家の質と量の問題がこれだけの争点になったのは初めて。今回は日弁連がやってきた司法制度改革が、建前ではなく本音で問われる戦いだ」と指摘する。


 司法試験合格者増加に伴う弁護士の急増を受け、新人弁護士の就職難や質の低下、弁護士間の過当競争がささやかれ、昨年秋には、中国地方と中部地方の弁護士会のブロック大会で、司法試験合格者数削減を求める議題が相次いで採択。こうした情勢を受け、各候補も法曹人口についての政策に力を入れている。

 司法制度改革には賛成の宮崎氏も法曹人口問題については「日弁連の執行部が努力しているのに就職状況は厳しい。増員のスピードダウンが必要ではないか」と現在の合格者急増を懸念。以前から法曹人口拡大に反対してきた高山氏は「3000人になる前から、パニック状態になっている。増員政策が間違いであることをはっきりさせることが重要だ」と抜本的な見直しを主張する。

 2月8日の投開票を経て、同月15日の選挙管理委員会で正式に決まる次期会長。現在の日弁連執行部は政府方針を尊重する立場を取っているが、いずれの候補が当選しても、日弁連で法曹人口をめぐる議論が加速することは間違いなさそうだ。


 ■「3000人問題」 司法制度改革審議会の報告を基に政府が平成14年3月、「平成22年ころには司法試験の合格者数を年間3000人程度とすることを目指す」とした内容を含む司法制度改革推進計画を閣議決定。19年には2099人にまで合格者が増加したが、急増に伴って法律家の質や弁護士の就職難などの問題が指摘されている。法務省も3月に省内に組織を設け、見直しを検討していくことを決めている。


注3 2008年1月25日付朝日新聞朝刊の記事は以下のとおり

司法試験「年3千人」見直し 法務省、合格者減も選択肢

 法務省は、司法試験合格者を2010年までに年間3000人にし、その後も増やすことを検討するという政府の計画について、現状を検証したうえで内容を見直す方針を固めた。合格者の急増による「質の低下」を懸念する声が相次いでいることに危機感を募らせたためで、「年間3000人は多すぎる」との持論を展開している鳩山法相の意向も受け、年度内にも省内で検討を始める。同省が慎重路線にかじを切ることで、今後の検討内容によっては現在の「3000人計画」が変更され、合格者数を減少させる方向に転じる可能性も出てきた。(市川美亜子)

 裁判官、検察官、弁護士を合わせた法曹人口は約2万9千人。政府は司法制度改革審議会の報告をもとに02年3月、3000人計画を盛り込んだ司法制度改革推進計画を閣議決定。将来の法曹人口について、審議会は3000人計画の実施を前提に「18年ごろまでには実働法曹人口が5万人規模に達することが見込まれる」と予測していた。
 しかし最近、一部の弁護士会が「就職難が起きている」「質が低下する」といった理由で計画への反対を表明。実際に、司法研修所の卒業試験の不合格者が増えたことなどから、法務省内にも「質の維持や需要動向が当初の予測通りでないなら、計画を変えるしかない」との考えが広がっている。
 こうしたなか、政府が今春、閣議決定する予定の「規制改革3カ年計画」の改定では、法務省の働きかけにより、法曹人口の拡大について「社会的需要を踏まえた慎重な検討」を促す文言が初めて盛り込まれる見通しとなった。
 法務省は「3カ年計画」の改定を受ける形で省内に検討組織を設け、本格的な見直しを始める予定だ。(1)司法試験の結果などから、質の低下を見てとれるのか(2)企業や自治体などが弁護士を雇用するという需要はどの程度あるのか(3)増員が、法律家がいない地域の解消につながるのか――といった項目を検証。10年以降に合格者数を減少に転じさせることも選択肢に含めて検討を進める。
 日本弁護士連合会や法科大学院を所管する文部科学省など、関係機関による検討の場をつくることも想定している。
 ただ、計画が変更された場合、法科大学院の入学希望者にも大きな影響が生じることから、法曹志願者や法科大学院関係者からの強い批判も予想される。法務省幹部の一人は「実際に数を減らすのは先でも、結論は早めに出さなければいけない」と話している。



注4 2008年1月17日付朝日新聞の記事は以下のとおり

法曹人口 3千人目標の見直しを憂慮 伊藤真 (私の視点ワイド)

 2010年までに司法試験合格者を年間3千人程度に増やすことを目標に、質の高い法律家を数多く養成するための新しい制度が発足して4年目を迎えている。筆者はこの間、法科大学院の教員として、高い志と強い意欲を共有する多くの学生たちと接してきた。
 ところが最近、一部の弁護士会で、3千人という目標を見直すべきだとの決議がされた。こうした動きに憂慮を感じざるをえない。
 中部弁護士会連合会が採択した「適正な弁護士人口に関する決議」などでは、「弁護士活動に対する需要は飽和状態に近づいているのに新規登録弁護士が増えれば競争が激化し、多くの弁護士は収入の確保に時間を奪われざるをえず、弁護士の使命である公益活動を行う余裕がなくなる」といった主張が展開されている。
 「競争を抑制することで経済的余裕を生み出し、そのことが公益活動をするための前提条件となる」という論理を、多くの弁護士は支持しているのだろうか。この論理は、競争の中で品質やサービスの質を高め、活力ある社会の維持に貢献している企業人の目には、どのように映るだろうか。
 「需要が飽和状態」という認識も疑問だ。この1年に起きた事件や問題を思い出していただきたい。企業活動に求められるコンプライアンス(法令遵守<じゅんしゅ>)、地域の産業再生、犯罪被害者の利益保護や被疑者・被告人の権利擁護――。より多くの法律家がさまざまな場で、「国民の社会生活上の医師」として活動することが求められている。
 また、決議の提案理由では、激しい競争にさらされた弁護士が「利益第一主義に走る結果として倫理が低下し、勝ち目のない事件でも訴訟提起をする」事態を危惧(きぐ)している。
 こうした「訴訟社会」へのおそれは、「製造物責任などを理由として企業に巨額の損害賠償が命じられる」「日常のささいなトラブルが法廷に持ち込まれ、近隣や地域の人間関係が破壊される」といった将来イメージにも結びつくだろう。
 社会の需要に比べ弁護士の数が過大になるためにこうした現象が起きる、という考え方は、司法制度改革の中で繰り返され、また最近の議論の基調にある。
 しかし、訴訟社会論のモデルとして想定される米国でこうした現象がみられるとしても、それは、民事陪審や懲罰的損害賠償、あるいは弁護士の完全成功報酬などの要因が絡み合って生み出されているものだ。
 制度的前提条件が異なり、しかも、司法試験合格者数が年間5万人を超える米国の状況を、わが国の近未来に当てはめ、3千人の目標が過大だとする議論には、到底納得できない。
 もちろん、数の増加が質の低下を意味してはならない。法科大学院の教育で、教員側が十分に努力しているか、疑いを感じることもまれではない。学生の理解度の確認を怠った一方通行の講義や、到達目標の提示をしないままの討論形式の授業をしていないか。自らを戒める材料に事欠かない。
 国民は、少数のエリートではなく、豊かな人間性をもった多くの法律家の誕生を望んでおり、法科大学院や司法研修所は、その期待に応えなければならない。過疎と呼ばれる地域の弁護士として日夜職務に励んでいる教え子の姿を思い浮かべると、この確信が揺らぐことはない。
 (いとうまこと 早稲田大大学院法務研究科客員教授)


注5 2008年2月3日付朝日新聞の記事は以下のとおり

法曹3000人、日弁連も見直し確実 会長候補2人とも明言

 司法試験合格者を2010年までに年間3千人に増やす政府計画をめぐり、法務省が見直し方針を打ち出したのに続き、日本弁護士連合会も見直しに転じることが確実となった。8日に投開票される会長選に立候補している2人とも、弁護士の就職難などを理由に見直す立場を明確に打ち出したためで、法曹人口の増加にブレーキがかかる可能性が高まった。(市川美亜子、岩田清隆)

 4月からの会長を選ぶ選挙は、増員反対派の高山俊吉氏(東京弁護士会)と、政府計画に歩調を合わせてきた現執行部の流れをくむ宮崎誠氏(大阪弁護士会)の一騎打ち。2人が並んで討論する公聴会は、先月9日の公示後、全国10カ所で開かれてきた。
 「3千人が多すぎるのは、誰の目にも明らか。今までの執行部は間違いだ。会長になったら激減させる」(高山氏)
 「司法改革を推進しながら人口問題のひずみの解消を図ることが重要だ。今年9月の司法試験の合格発表までに、増員のスピードのスローダウンを提言していく」(宮崎氏)
 公聴会最終日の2日、2人は東京・霞が関の弁護士会館に集まった約120人の弁護士らを前に、舌戦を繰り広げた。
 年間合格者は何人が適切な規模なのか。「千〜1500人」と明言した高山氏に対して、宮崎氏は「2010年までに提言する」と検討の必要性を強調した。
 また、高山氏は、宮崎氏の見直し策を「最近になって言い出した」と主張。これに対し、宮崎氏は「これまでの執行部の意見を見直す大胆なものだ」と述べた。
 2人とも法曹人口の増加を見直していく立場を鮮明にした形だが、日弁連の中には「拡大派」の弁護士たちもいるため、反発も予想される。
 「3千人計画」は02年3月に閣議決定。日弁連も臨時総会で方針に賛成する決議をしたが、「弁護士の就職難が起きる」「質が低下する」などの理由で、一部の弁護士会が反対を表明していた。
 一方、鳩山法相は先月25日の記者会見で「私は3千人では多すぎるという考えを持っている」と述べ、見直しを表明。法務省は3月までに検討組織を設ける予定だ。

 

 
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