『ぼくたちやってない』横川和夫・保坂渉著(共同通信社)

20071009153956.jpg『ぼくたちやってない』 横川和夫・保坂渉著(共同通信社 1992年 2005年再版)

 この本は、1988年11月に起こった綾瀬母子殺人えん罪事件を扱ったルポルタージュです。弁護団(9人)の一人として、私はこの事件に関わりました。

 この本のコミック版が『勝利の朝』です。

 コミック『勝利の朝』とルポ『ぼくたちやってない』は、それぞれに味わいがあります。おそらく『事件』でコミックとルポルタージュが同時に存在するのは、綾瀬母子殺人えん罪事件だけだろうと思います。

 このルポルタージュは、小学校5年生から読める、分かり易い優れた著作です。
 共同通信社から2005年に再版されましたが、私としては、是非ともどこかの『文庫本』に入って欲しいと思っています。
 なぜなら、子どもたちが読める、子どもたちのえん罪読本として、子どもたちが手軽に手に入るようにしたいと思うからです。

 この本をすぐに読みたい方は、アマゾンなどで入手されると良いでしょう。
 

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←綾瀬母子殺人えん罪事件弁護団

 

『ぼくたちやってない』を読んで 福原弘弁護士より


「ぼくたちやってない」「勝利の朝」をお送りいただきありがとうございました。
「ぼくたちやってない」を読ませていただきましたが、
吉峯先生のあつい心、やさしさ、そしてバイタリティにあらためて感銘を受けました。
現在、少年事件の弁護はだんだん充実してきていると思いますが、
この途を切り開いたのは吉峯先生である、という事実はいつまでも忘れないつもりです。
くれぐれもお体を大切にして下さい。
取り急ぎお礼まで。

2007年6月14日

弁護士 福原弘


 

『ぼくたちやってない』送付礼状

この度は、ご多忙にも拘わらず、横川和夫・保坂渉共著の
「ぼくたちやってない」の本をお送り頂きまして誠に有り難うございます。
吉峯先生の幅広い弁護活動を改めて知りました。
えん罪事件に取り置く為の教科書として役に立ちそうです。
私は、日頃少年事件・刑事事件を扱っていないので大変刺激になります。
そのような意味ではこのような機会を与えて下さったことに感謝いたします。

2007年5月7日
弁護士 今井勝


 

ロースクール学生の『ぼくたちやってない』感想文

少年たちは1973年生まれ、私も1973年生まれです。
同じ年代に生まれているので、その時代の自分と重ね合わせて読ませていただきました。


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まず、3人ともいじめられ、信じる者が少なく毎日生きていくためには
強いものには迎合していかなければならなかったことが、
警察のいいなりに供述をしていくことに少なからず影響を与えたことに悲しみを感じました。

私も、小学校中学校と激しくは無かったのですが、いじめを受けた経験があります。
小学校5年生の時、少し太っており前歯が出ていて上唇がめくれていましたので
「うすらデブ」「出っ歯」「ビーバー」「たらこ唇」と毎日のように言葉の暴力を受けました。
ずっといじめを親に黙っていたのですが毎日毎日言われ続け、
耐えられなくなり母親に、「なんで産んだの」と泣きながら言い、泣かせたことがあります。
結局、中学に入ってから親に頼んで歯列矯正をしてもらいました。
未だに何てことを言ってしまったのだろうと思い出すたびに胸が痛みます。

中学では、不良グループに容貌で目をつけられたのと、
いじめられていた友人をかばったことから目を付けられて、暴力を受けました。
10年後の同窓会で、どうしていじめたのかと聞いたところ、
「他のやつは何か言うと黙ってしまうのに、お前は口答えしたから気に入らなかった」と言われました。
母の涙を見てから、自分は間違ってることには絶対に屈しないと心に決めました。
そのため不良グループに何か言われるたびに逆らい殴られました。
しかし中学校を無事卒業できたのは、信頼してくれる親友、
守ってくれる友達がいたことも大きな理由の一つです。

自分は、弱い者の側で生きていきたい、泣いている人の涙を少しでも減らしたいと思い
弁護士を志すようになったのも、この頃です。

いじめがもっと激しくて、親友の存在がなかったり、母を泣かせたりしなかったら
自分も、3人と同じように強い者に何を言われても逆らえずニコニコすることで自分を守るしか無く、
学校に行かなくなっていたかもしれません。
特に光次君は、刑事に殴られないように、どなられないように、
自分の供述に矛盾がないように無意識に供述を作っていき、
それに沿うように武志と彰が自白を強要されていきましたが、
3人のいじめられた経験が、大きく影響したように思います。
少年の生い立ちや、環境から少年を見つめていかなければならない大切さを痛感しました。

同時に、このような環境にある少年たちと信頼関係を築いていくのが
どれほど難しいものであるかを感じました。
特に、彰君が弁護団の2人が面会に行った時も、弁護士を刑事と思い、
すらすらと犯行を自供する姿にはショックを受けました。
警察で何を言っても信じてもらえず、暴力を受け、誰も信じられない状況で、
少年を信じ信頼関係を築いていかれた弁護団の活動には、頭が下がる思いです。
自分を信じてくれる人がいる、それがどんなに少年たちにとって心強かったであろうかと思います。
当初の代理人が、少年の自供を信じて少年の犯行を前提として活動していたかと思うとぞっといたします。
先生が弁護団を組まれ、少年を信じて活動なさったことが少年にとり本当に幸せだったと思うとともに、
弁護士の責任の重さ、使命を強く感じました。

次に、以前読ませていただいた先生の文章の中で、
「警察にはたまっている未解決の、迷宮入りしかかっている事件の大半を
少年におしつける傾向がある」とありました。
事件から2ヶ月、聞き込み2000世帯、2800人を超えたにもかかわらず捜査が暗礁に乗り上げ、
糸口を探そうと捜査が登校拒否をしておりアリバイの確実でない少年達に向けられたことに恐ろしさを感じました。
また捜査のベテランであるはずの警視庁捜査1課が指揮して、
少年が自殺未遂までしているのに自殺未遂の事実を都合良く書き換えたり
ここまでして冤罪を作り上げていくのかと怒りと共に大きな驚きを感じました。
警察は被害者の無念を晴らすために活動しているとどう好意的に見ても、
冤罪と分かっていながらも、警察の面子のために少年たちを犯人に仕立て上げたとしか考えられませんでした。

マスコミによって、事件が明るみになり、やってないのにやったものとして報道され、
週刊誌等でも勝手な記事が書かれたことと思います。
一般国民も幼い子供と母親が殺害されたということ、
少年たちが登校拒否児童であったためにやったであろうと被害者に同情し、
世論を敵に回した中で、少年たちの苦しみは言うに及びませんが、
偏見の目でみられ様々な嫌がらせに耐えてきた親御さんの苦しみはいかほどであったかと思います。
そして、そのような世論の中で弁護団の先生方もどれほど苦労なさったかと思います。
また、冤罪とされたにもかかわらず、「3人が犯人であることは間違いないと確信している」との
捜査1課長の談話は、少年、ご両親、弁護団の気持ちを逆なでするとともに、
いったんは犯人逮捕と安堵していた被害者のご遺族の行き場のない怒りと悲しみを増すものであり
強い憤りを感じました。

冤罪は、改めて関わった人全てに深い傷を残すものだということを強く思いました。
私は、本を読んでおりまして、弁護団の弁護士の皆さまがそれぞれ苦労をして弁護士になり
弁護団に加わられたことに感銘を受けました。
先生も警備員として苦労なされて弁護士となられ、他の先生方もそれぞれ苦労なされて弁護士となり、
少年事件に関わるようになった過程が書かれておりましたが、
一人一人の先生方に、「人を見る目の優しさ、暖かさ」「正義」を感じました。
また、「現場」というものを常に意識して実際に体験し、経験している姿勢を強く感じました。
人の苦しみや、悲しみを自分のこと、家族のことのように考え、
人を見る目の優しさ、暖かさに溢れた先生方がおられたからこそ、
正義を貫き冤罪をくい止められたと心から思っております。

大学生の時、社会との接点を持たずに勉強を続けていることに疑問を感じて、
自分のできることから始めようとボランティアをしようと思いました。
しかし、何をやったらよいのか分からずに、気持ちだけで時間が過ぎていきました。
阪神大震災があったとき、ちょうど大学3年生の期末試験が終わり、打ち上げで飲んでいました。
テレビには神戸の街が燃えている映像が映っているのに、飲み屋は満員で笑いに溢れていました。
何千人という人が亡くなっているのになぜみんな楽しそうに飲んでいるのか違和感を感じました。
そして、ボランティアに行こうと決心しましたが、なかなか実際に行く決心がつかずにいましたところ
先輩が、行って来たと報告してくれました。
結局、思っていても行動に移せないのは思っていないと同じと深く恥じて、
できることから始めようと杉並区のボランティアセンターを訪ね、
自閉症や筋ジストロフィーなどの子供達を親が引き取りに来るまで預かる団体を紹介されて
ボランティアを始めました。
須納瀬先生と同じような活動をしていました。
子供達と一緒に行動していると、苦しいとき何度も笑顔に助けられました。
弁護士になりたい思いは変っていませんでしたが、
改めて人に密着して活躍する、心温かな弁護士になりたいと思いました。
本を読んでおりまして、受験からすれば遠回りだったと思われるこういった経験も、
将来きっと役にたつ時がくるだろうと思い、大きな自身になりました。
また少年事件に、いじめられた経験とともに活かせるのではないかと感じました。
本を読み、普段考えないようなことも考えることができました。
非常に良い本を送っていただきましてありがとうございました。

2007年3月19日

北海道大学法科大学院 青井芳夫

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←綾瀬母子殺人えん罪事件弁護団


 

『ぼくたちやってない』の活用について 教材化のこと

先日は本を送って頂きありがとうございました。
貴重な一冊、小学校教諭の叔母に読んでもらい、
この本が小学校の授業で使えないかどうかを検討してもらいました。
先ほどその叔母より連絡があり、同じ学校の人権担当の先生にも話しをしてくれたとのことでした。

提案としては、
(1)小学校高学年5、6年生対象にテーマを絞り、1500字程で要約する
(2)要約したものを小学生と同様、中学生にもモニターになってもらい教材化していく必要がある
とのことでした。

一人でも多くの人に知って頂けたらと思います。

2007年3月
源 証香 
NPO「こどもの教育」幼児教育部(全国に9箇所の支部あり)
幼稚園教員(現在白梅学園大学講師)



 


 

『ぼくたちやってない』感想文

・実際、アリバイがあるにもかかわらず強引な取り調べをして罪を着せることが
 まかり通るのかが不思議に感じた。
・実際にあった話だが、本当かな? と信じ難かった。
・一般に警察は正義だと思っていたが、全く違っていた。
・警察は子どもや障害を持つ弱い立場を脅している。
・本を読む限りでは、少年たちが犯人ではないとすぐ確信できるが、
 この刑事たちは本当に少年たちが犯人だと信じていたのか。
 それとも自分の立場を守るためにえん罪をきせようとしていたのか?
・取り調べの可視化するべき。
・自分だったらやっていないものはやっていないと言うのが普通と思うけれど、
 実際何時間も何日間も拘留されて「友達はやったと言ってるよ」と言われたら、
 この場から逃れたい為に、また精神薄弱になり罪を着せられた人を聞いたことがありますが、
 一言はいと言ってしまうかも知れない。
・『勝利の朝』のあと『ぼくたちやってない』を読むと細かいことが分かってよかった。
・少年たちはよく頑張ったと思うけれど、それが貫けたのは、彼を信じた家族、
 何よりも彼らを信じて支えた弁護士たちの熱い思いがあったからこそ
 彼らも家族も頑張り抜いて真実を証明することができたと思う。

2007年3月
東京都新宿区市ヶ谷
吉川美代子(ヘルパー 37歳)



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『ぼくたちやってない』など感想文

『ぼくたちやってない』や『自由と正義』を拝読し、
吉峯様の司法に関する熱い思いやこれまでのご活躍に感銘を受けました。
また、世の中で起こっていることに無関心ではいけないと改めて感じました。

私も福祉に係わる仕事の中で、忘れてはいけない思いや理念を持ち続けて仕事に励む所存です。

2007年3月10日 

アビリティーズ・ケアネット株式会社
(障害者のための総合商社)
鈴木進子
                      


 

『ぼくたちやってない』の感想文

八戸澄江先生より「ぼくたちやってない」を借り、読ませていただきました。
本当に感動しました!!

この事件は私が中学生の頃で記憶にあるものでした。
吉峯先生を存じ上げていながら、どうしてもっと早く読まなかったのだろうと残念でなりません。
いじめや不登校、人間不信など、そのほとんどの原因は幼児期にあり、
保育者としての責任を強く感じます。

冤罪事件についても幼児期に携わる者としてもっと知らなければならないと感じました。
これ程なにも知らずに子どもたちの前に立っていたかと思うと恥ずかしい思いでいっぱいです。

最後になりましたが、人っていいですね、
人間の素晴らしさを「ぼくたちやってない」を読んで感じさせて頂きました。
本当にありがとうございました。

2007年2月
源 証香 
NPO「こどもの教育」幼児教育部(全国に9箇所の支部あり)
幼稚園教員(現在白梅学園大学講師)


 

『ぼくたちやってない』感想文

先日は、横川和夫・保坂渉両氏著の『ぼくたちやってない』を御恵贈賜り
ありがとうございました。

東京・綾瀬母子強盗殺人事件のデッチあげの構図と
その冤罪を克服された各先生方の活動の様子に感動するとともに、深く敬意を表します。

とりわけ、少年達の家族関係や学校で排除されていた様子、
さらには9人の弁護士の方々の溌剌とした群像が、
その具体的な弁護活動とともに、ありありと目に浮かんできます。
当時は、まだお若かった弁護士の方々が、
その後の子どもの権利委員会の活動の中心を担われるようになったのは、
この事件での貴重なご経験に裏付けられたものであることがよく解りました。

私も弁護士になって35年を経ましたが、どんな事件に関与しても、
何とか誠実にやり抜くことだけを心掛けてきました。
私には先生方のような華々しい成果は余りないですが、

今後もこのスタイルを貫くほかないと思っています。

2006年5月11日
弁護士 浦 功(大阪弁護士会)


 

『ぼくたちやってない』感想文

先日は、『ぼくたちやってない』をお送りいただきながら、
お礼も申し上げずに日を過ごしてしまい、失礼しました。
目を通してから、と思ううちに日を過ごしてしまいました。

昨日日曜日、一気に読ませていただきました。
綾瀬母子殺人事件という事件のことは聴いていたのですが、
その具体的な事情が初めてよく分かりました。
全面自白からアリバイ確認をはじめとする弁護団のご苦労もよくわかりました。
虚偽自白の経緯は、前回のシンポでの模擬取調における構造と似ていると感じました。
シンポの内容が間違っていなかったと確認できた思いもします。

それにしても、本当に東西を問わず、冤罪の構造が同じであることあること改めて痛感させられました。
このような代用監獄を悪用した密室取調べ、自白強要という根本問題が
何ら改善されていないことは、ある意味で驚くべき事態です。
先日、ウィニーで流出した警察の取調マニュアルも、むしろ自白強要を慫慂するものでした。

今後とも可視化の問題については、ねばり強い取り組みが必要かと思います。
よろしくお願い申し上げます。

2006年4月17日
弁護士 秋田真志(大阪弁護士会)


 
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